4年ぶりに目覚めた天才ピアニストと、彼女を殺すようにと依頼を受けた伝説の暗殺者。
ラストまで、依頼人と、その殺害目的がわからないのがポイントでした。
タロット占いを趣味にしている伝説の暗殺者。
この設定がおもしろい。わざわざ占いをして、その運勢で依頼を受けたり、アクションを起こしたりと、かなり変わっている。
そのターゲットとなる女は、4年前に交通事故にあい、ずっと植物状態で眠っていて、最近、目覚めた天才ピアニスト。彼女が参加するコンテストの後、殺すという依頼。
ひょんなことから、彼女と出会ってしまい。助けたことから接点ができてしまい。本来は業務内容にない匿名の依頼者探しまでしてしまうが、これがラストまでわからない。
彼女の父親が事故で死に、彼女は生命を狙われることになる。
彼女の心臓移植の為、数億の金が必要になり、ヤクザに頼った。彼女の父親は薬の研究者で純度の高いT5という麻薬を作って借金を返していた。ヤクザたちは、突然、事故死した父親が麻薬のレシピを残していないかと調べていた。
そのヤクザは、暗殺者の黒姫という危険な女を彼女の監視につけた。高校生の女の子(加害者の娘)が父親を亡くし困っていた彼女の手伝いに来ている。
そこに、チャイニーズマフィアが加わり、誘拐事件になり、どんどん話しは派手に動いていく。豪華客船で、暗殺者の与一と医者の後藤がライオンと戦うシーンは緊迫感があった。周囲には観客がおり見世物になっていて、全員が何秒で二人が殺されるかにかけている。
これはどこかで見たことがあるようなシーンだ。映画とかで、似たような光景が出ていたような気がする。ライオンを倒し、彼女を取り返しかけるがヘリで逃げられる。これもありがちなシーンだ。
そして、チャイニーズマフィアとの直接対決。そこにヤクザが横入りしてきて、三つ巴の戦いになり、さらに、絶体絶命の危機を謎のスナイパーの出現によって助けられる。
それで人質救出、お父さんも本当は生きていたとわかるが、与一に彼女の暗殺依頼した人間がわからない。
与一は、だから、依頼を遂行しようとして、彼女が出るコンクール会場の外で狙撃体制に、そこに、依頼人がやってきて、真意がわかるという。
映画の「レオン」と占い刑事なんたらと、色んなものをMIXしたような。それでいて、良く出来た構成で、読んだ人が高評価をあげていたのが頷ける。先の読めない話しになっていて、満足しました。
ただ、かなりご都合主義に展開していくので「それはないだろ」と突っ込みをいれたくなります。
ですが、ラノベで、このクオリティなら満足です。
ページ数:288
読書時間 7時間
読了日 3/11
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