英語アレルギーの人は、文章の中に長い英文が出てくると飛ばして読むという。

 数字アレルギーの人は、それを記号として意味づけをしないとも言われている。

 この本は、「数に強くなる本」である。数学の本だ。

 6つの授業で構成されている。基本編4つは、基礎知識。実践編2つは、若手のビジネスパーソン向けに書かれたものだ。つまり、対象は、数学にある程度興味と関心があり、実務として数字を扱っているビジネスパーソン若手ということになる。

 

 シロナガスクジラは全長30mらしい。

 この数字を見てピンとくる人は数学好きだ。

 しかし、たいていの人は?顔になる。

 ほとんどの人は、右から左に数字が流れていることになる。

 ビルの1階の高さは3m。つまり、ビル10階がシロナガスクジラだ。

 これなら具体的なイメージがわくだろう。

 かなり大きい。

  東京ドーム何個分という例えも、この具体化の作業の1つです。

 数学好きの見えている世界と、そうでない世界は、こんな感じなのかもしれない。

 

 メートルが日本に入ってきたのは明治の中頃。

 それ以前は、尺などの旧単位が主だった。

 学生に、メートルを普及させようと考えた明治政府は、学校に二宮金次郎の銅像を設置した。

 あの銅像の高さはジャスト1メートル。

 つまり、メートルを体感させたかったのだ。

 

 小川洋子さんの小説に「博士の愛した数式」という本がある(未読)。

 博士と女性の出会いのシーン。誕生日だかの数字が友愛数だった。

 2つの数が約数の和の過不足を相殺する数

 具体例をあげると、220と284

 220の約数は、1、2,4,5、10,11,20、22,44,55,110足すと284

 284の約数は、1,2,4、71,142足すと220

 実に、おもしろい。この本は、読まにゃならん。

 

「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」という音階を発明したのはピタゴラスだ。

 鍛冶屋で、2つのハンマーが打撃音を上げているのを見て、聞いて、実験し

2:1,3:1,4:3の時にいい音になるのを見つけて、実験を繰り返し、これを発明したらしい。

つまり、音階はもともと数学がベースとなっていたのだ。

 

 黄金比というものがある。美しく見えるサイズの形だ。

ピラミッド、ミロのビーナス、モナリザ、パルテノン神殿などである

 黄金比1:1.618

 これはフィボナッチ数列と関係していて

 アップルのリンゴのマーク、Twitterの鳥のマークの半径は、この数列の数字である。

 数字って、色んな所に関係している。

 

 このような数学の雑学知識が満載であり、実践編では、割り算の2つの考え方。フェルミ推定と、それをビジネスシーンで、どのように展開していくかまで触れており、とても興味深い内容になっていた。

 数字を、ただの記号としか見られなかった人の「数」に対する認識が、この本を読めば変化するはずです。

 ある程度の数学的な知識を必要とするが、僕には、とてもおもしろい本でした。

 少し時間が経過してから、また、読んでみたい本です。

 数学好きの人は、せび、試してみてください。新しい再発見があるかもしれません。


 

 

ページ数:243

読書時間 5時間

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