朝。
朝の目覚めはいいほうで
目覚ましはかけるけれど
携帯のアラーム音を聴く前に目が覚めることが結構あって
今日もそんな朝。
カーテンの隙間から差し込む光が朝を知らせてくれる。
人間って朝はきちんと日の光を浴びることで、きちんと1日が始まるのだという。
体内時計が正常に動くのはそういう当たり前の日常があってこそ。
だから
朝を感じる日の光は大切だ。
その朝が
晴れた空だと
気分まで浮かれ出すのはどうしてだろう?
出かける日だとかでかけない日だとか関係なく
太陽の光の心地よさはその存在だけで最強で
元気が出る
今日はとてもいい天気
鳥の鳴く声
なんて鳥?
鳥のさえずりって今の時期だけじゃないはずなのに
春の知らせみたいに感じてしまう
最近自然のことに詳しくなってきていて
見ればなんの種類の鳥かわかることもあるけれど
今回は残念ながら見たことはあるけれどわからなかった
あまりに可愛い声に
部屋の窓を開けて
「おはよ」って挨拶したら
数秒後羽音がして逃げられてしまった
残念。
ふられちゃった・・・。
ほんの少し前まで
かじかんだ手をこすり合わせていたはずなのに
あたたかいマフラーが手放せなかったはずなのに
いつのまにか季節は流れ
新芽が出る季節がやってきた
日に日に蕾が開いてく
咲き始めると勿体ないくらいにどんどん咲いて
それはまるで生き急ぐような、そんな感じ
どうしてそんなに急く(せく)のだろう?
準備期間はじれったいほどに長くて
待ちくたびれないのかなと思ってしまうほど
いや、我慢強いのかな?
花開けば愛でることができるのはたった数日
なんだかまるで天邪鬼
なんて儚い
なんて美しい
なんて愛おしいのか
季節の変わり目
暖かい日も増えて
厚手のコートを着たことを後悔する日もしばしば
鼻がむず痒くなり
目が赤くなったりする
花粉症もちには面倒な時期
花粉症ではなくても
痒いとか鼻水とかそういうものは連鎖のように出たりもするし
だけどこの季節は外が好き
年に1度は
自分自身の目で直接見たいと
マスクに眼鏡、羽織る上着もツルツルした素材のものにして
自己流完全防備で外に出る
時折吹く風は
肌寒く感じることがあるけれど、ほどよくやわらかで心地よい
空は絵の具で一振りしたように青くて
雲も見えるけれどちょっと遠慮がち
絵心があるのなら空一面になにか描いてみたいな
そんな春の空を眺めつつ
この時期だけは
なるべく雲や雨が休憩をとってほしいと思ってしまう
雨や曇りだってそれぞれ風情があっていいものだけれど
春だけは
春らしく
あたたかがいい
それは待ち望んでいた季節だからだろうか?
寒い冬
縮こまるのは動物や草木だけじゃなく、人の身体と心も一緒なのかもしれないな
家から歩いて数分で
見えた景色が春色で
ベタなお団子と飲み物を用意しなかったことをちょっとだけ後悔した
お酒、と言いたいところだけど
ほろ酔いですまなくなったら困るから
美味しい緑茶を今度用意しようか
外の空気を一杯取り込んで
それが体中をめぐって春をしらせてくれた
春。
この季節がすごく好きで
好きだから
なんでだろう
短く感じてしまう
時間の流れを速く感じて
一瞬で過ぎ去ってしまう寂しさをいつも
一面の地面に広がる花びらの絨毯を見て感じている
春の訪れ
一番有名その花は
花の見ごろが短命すぎる
そんなに急いでどうするんだろう?
新たな旅たちの時期だから
花まで短い命なのか?
卒業
入学
就職
別れ
出逢い
そんなどこかの誰かに寄り添う花
ほかの季節もすきだけど
今が一番好き
スマホ片手に
カメラを構えて
画面越しに見る花をうつそうとして手を止めた
キミと、・・・・みたい
儚い命は寂しいけれど
自分の中に保存しておけばいい
4つの瞳で同時に眺めれば
記憶も長持ちするだろう
:
そして
1年後
更新すればいいじゃないか
綺麗だと
見ごろだと
キミに逢える口実も出来るわけで
一石二鳥
愛でる喜び
一緒に同じものを映せる幸せ
「もしもし、今から出てこれない?」
春の一番きれいな花は
幸せを運んでくれる
誘いたいのに口実がなくて
そんなこと関係なく笑顔で答えるキミが思い浮かぶのに
だけど
遠慮してしまう
好きだからね
考え過ぎちゃうんだよ
仕方、ないんだ
春の訪れ
春の香り
ふわっと鼻をくすぐった。
大好きなキミと並んで見上げよう
そして愛でよう
だから
あまり急いで咲かないでほしい
春よ
ゆるりと
ゆるりと進んでください
ピンク色にやさしく色づいた桜がぼくをみていた
FIN