病院で働いているって事は、いつかこういう場面に遭遇するだろうな??





と、思ってました。





マニュアルは、きちんと頭に入れて、その時が来てもいいように備えてたけど...






実際あるとテンパリますね...





出来れば避けたい感じもあります。








昨日は、日曜日で、休診日だったので、いつもは、受付には病院の女の人が座ってるんだけど、深夜とか、休診日の時は、俺らみたいなオッサンが座ってる(誰が、オッサンやねん!!)んです。






昨日も、座ってたら、まー、お見舞いに来た人に『面会者カード』てのを書いて貰ったりするんですが...





夕方くらいにバタバタしだして...おじいさんみたいな人が「○○って人来ませんでした??」と走まわってたり、携帯電話を持った女の人が慌てながら、「○○って病室何処ですか??」とか、そのおじいさんが「こっちだ!!こっちだ!!」とか...







ガンガンそういう慌てた感じの人達が同じ部屋に入って来て...







あれ??もしかして??そういう感じかな...





って、思ったら...







1時間後...









その病室の方がお亡くなりになったそうだ。









『病院』って事で、いつかはあるだろうな??って、思ったけど...





実際あるとビックリするね。






別に、俺のする事なんてたいした事は無くて、セレモニーの人と連絡取り合って、閉まってる地下駐車場を開けて、通る所の廊下の電気を付けて、ご遺体を運び出す準備をするだけ...





俺のする事なんてたいした事無いけど...





何かな??




すげーな...




俺、物心ついてから、ひいおじいちゃんの時も、おじいちゃんの時も、おばあちゃんの時も、で、親父の時も...





誰かの『命』の終わる時に立ち会った事が無かった。




それが、『他人』で『仕事上』だけど...



初めて、一番近い距離に居た。




凄い、感慨深い物があった。




亡骸は見てないし、亡くなられた方の『面会者カード』に書いてある名前しか知らないけど...




泣き崩れる家族とか、それを励ましてるおじいさん(親友とかだったのかな??)とか...





僕の働いてる病院の受付の病棟の名簿には沢山の『名前』が並んでる。




居酒屋のメニューみたいに、そんな深い意味も無いように並んでいる。






でも...







その1つ1つの『名前』の向こうには、その人の『家族』とか、『友人』とか、『同僚』とか、その人の『歴史』とか『青春』とか『背負って来たモノ』とか...












隠れてる、沢山のモノがある。












『命』ってとても重い。













世界中のみんなが、この『命』の尊さとか、重さとかがわかったら、いじめとか、自殺とか、殺人とか、戦争とか無くなるんじゃないかな??







不謹慎かもしれんけど、子供の内に社会科見学みたいに病院行くべきちゃうかな??







居酒屋のメニューだと思うから、人が殺せるんだよ。






そのピストルを構えてる向こうの人にも、家族とか、恋人とか、友人とか居るんだよ!!





アンタと同じようにね!!







しばらくして...




その病室の面会の方が、ゾロゾロと受付に帰って来て、「色々、ありがとうございました」「お世話になりました」って、言ってくれた時...








「お疲れさまでした!!」







って、敬礼した時...






ホロリって来ちゃいました。






去年、愛知の仕事の寮で、夜に姉から電話がかかって来て...







「おとうさん。死んじゃった。」






って、言われた時...電話の奥では、沢山のすすり泣く声が聞こえたけど、自分はすぐには行けなくて...





どうしよ??どうしよ??




って、複雑な思いをしたけど...





何か??




タイムスリップして、父の病室に行ったような感じがしました。




何か??この仕事は始めて、初めていい仕事をした感じがしました。






『病院』って空間...





こんなにも『生』と『死』の距離が近い場所...





まだまだ、学びは多そうです。




とりあえず、お疲れさまでした。