元旦那は嘘を平気でつく人だった。

結婚する前に元旦那の家庭事情を聞いた時、

父親はいつも酔っ払って遅くに帰ってくる。愛人がスナックのママだから入り浸っている。
母親は全部知っているが耐えている。
いつも喧嘩をしていて怒ると手をあげる人。
父親は休みの日は家にいないから父親と遊んだ記憶が無い。
妹は俺のことが好きでいつも一緒に寝ていた。キスもした。
妹は母親の連れ子で父親と母親は再婚。俺は父親の連れ子。

私はこれを全て信じた。
スラスラと迷いもなく話してくれたから。
結婚してから姑に、
「お義母さんて再婚なんですよね」と聞くと元旦那が慌てて「やめとけ!」と止めてきた。

「あんな話冗談だろ信じるなよ」と。

家を買う時、
「俺バイク欲しいからバイク置けるスペースがある家を買いたい。だから親にあった時お前は同居したいって言えよ。同居することになればローンが組みやすくなるし支払いが親父と半分になる、わかったか」

私はその時は妊娠もしていたし一緒に暮らして孫を可愛がってくれるなら私の負担も減るかなと、ほんと安易な気持ちで元旦那の話に乗った。

馬鹿だった。ほんとに馬鹿だった。
知らない土地で世間知らずな自分が今思うとほんとに許せない。

私が悪い。
もっと考えればよかった。

これが地獄の始まりだった。
いや、元旦那と付き合った時点で終わってたんだ。

私の見る目がなかったんだ。

私は地元から元旦那の地元へと嫁いだのだが今の土地に住むことになったのだけは正解だった。

結婚してから出かける度に元旦那に色々質問した。
私「あのラーメン屋さんは美味しい?」
元旦那「不味くて有名だ」

私「〇〇に行ってみたいな」
元旦那「なんもねえよ、それでも行く?」

私「怖いニュースだね」
元旦那「知り合いの〇〇の〇〇だな。責任取らされて消されたんだ。300万円くらい払うとそういう依頼を受けるところがある」
私「知り合いなの!」
元旦那「3ヶ月前から失踪していたんだよ。こんなふうに発見されるなんて、、、」

私は信じた。

でも私が経験していないことに対して「美味しくない」とか「つまらない」「何もない」とか言うのはどうなんだろうとだんだん思ってきていた。
行きたいとゴリ押しすると、
「1人で行けば」と言われるし。

土地感がないのにそう言われるとつらい。
そんな感じで10年くらい元旦那が私を連れて遠出をすることはなかった。
働くようになって友達と出かけるようになってようやく世界が広がった感じ。
しかし友達と出かけるだけで家の中で「村八分」みたいな扱いを受けるのがつらかった。

それから車の免許を取得する決心をした。
元旦那は子供達とほとんど出かけないからというのもあったけど、、、
下の子が知的障害者だったのだ。

出産時はトラブルが続いたから予感はしていた。
後に免許を取得した私は下の子の学校の送り迎えに加え養護学校へ通うのにと大忙しになった。

教習所に通うのも車を買うのも元旦那は協力してくれなかった。

姑が「2槽式洗濯機」をわざわざ探して使い始めた時とても不便で全自動にしてほしいと頼みこんだ時も、「自分で買うなら全自動にしていいよ」と言われ必死でお金を貯めた。

貧乏は一生貧乏なのかな、、、
結婚する前も後もお金は無いし、お腹はすくし、涙は止まらないし心は痛いしつらいし逃げ出したい。

私はいつまでこんな人生なのかな。

元旦那や義理家族や友達や世間から見たら私の方が間違ってるのかもしれない。
いつも不安だった。
私が違うのか?
私が世間の常識から外れてるのか?
全然分からない。

だってこの人生初めてだし。
手本になる人もいなかったし。

元旦那は姑が母親として妻としての正しい姿だと断言していた。

何かにつけて姑と比べては私を責めた。
「家事も子育ても母親は全部こなしていた。身だしなみもいつもきちんとしていた、だらしない姿なんて人前で見せたことない」と。

あんたの母親毎日2時間くらい電話してるけど内容全部悪口だよ。
くちゃくちゃご飯食べるし誰もいなくなると夕方まで寝てるよ。
小姑が休みの日は朝から嫁の悪口を大声で話してるよ。
子供がアレルギーだからっていうものをわざと食べさせるし、お菓子あげまくるから子供ご飯食べないし変な時間にお腹空かすし下の子を差別して嫌って冷遇して放置してるし。
長男にお菓子あげて下の子泣いてても「うるさい!」て怒鳴ってお菓子あげないよ。胸が痛くなるけど私もお金が無いからまともに子供たちにお菓子与えることが出来ないし姑に懐いた長男はもうすっかり私を見下して、
「ママは馬鹿だから言うこと聞かなくていいって言われた」
なんて言う始末。

家ごと家族を燃やそうと思ったよ。

こんな家いらねえよ。
嘘で手に入れて人も嘘だらけの家。

燃えちゃえばいいのに。

燃えちゃえ燃えちゃえ。

離婚したあとも心が崩壊した私は何度も元旦那の家を燃やす計画を立てた。
妄想の中では何度も燃やした。

できなかったのは家が燃えたら子供が困る。
父親が死んだら子供を誰が育てるんだ。
殺すつもりで燃やすのに矛盾した考えが私を踏みとどまらせる。

私の稼ぎじゃ子供を引き取っても満足に育てられない。欲しいものも買ってあげられないし習い事だって辞めなければならない。学校も転校とかになるし、、、元旦那の稼ぎがどのくらいかは知らないけど子供の習い事の月謝を払っても愛人に貢ぐ余裕があるくらいは稼いでいた。

ならば私が身を引くしかない。
下の子は障害があるから本当は離れたくないけど私は毒親だからイライラしたらきっと怒鳴って手を上げてしまうに違いない。

私が人を育てるなんて無理があるんだよ。育てられた経験がないんだもの。
くそっ、くそ!くそーーー!
あー、悔しい!

元旦那死ね、とか思うけど子供達のために健康であれと思う。
仕事順調であれと思う。
子供達のためにな!

悔しいけど元旦那を呪えない理由。
長男が成人して立派にひとり立ちしたとて下の子は一生元旦那がいないと生きていけないもの!

元旦那、
ご健勝を心よりお祈り申しあげます
だ、ばかやろう!