今回は少し長い話になってしまいます



先日、私が退院した日の夜に、主人の父が亡くなりました。
義父.義母は主人が小学生の時に離婚をしていて、離婚後は特に養育費などは無く、主人は父親には会ってもいませんでした。
お義母さんは無口で多く語らない人だし、主人もシャイで積極性のない人なので、離婚の経緯や離婚後の関係は主人も私も知りませんでした。
でも、お義父さんの実家からお義母さん宛にお米が届いたり、離婚後も苗字はそのままでしたので細い繋がりはまだあったのだと思います。
私が乳がんを患って抗ガン剤治療の真っ只中に 突然お義父さんから
『がんになって手術する事になった』
とお義母さんに連絡があったそうです。
その後は入院.手術.術後の生活看護をお義母さんがサポートしました。
手術の時は35年振りに主人はお義父さんに会いました。
術後、身体は回復しお義父さんはまた1人の生活に戻りましたが、昨年末に癌が末期だったとお義母さんにまた連絡がありました。
病院から親族と一緒に来て欲しいと言われたようで、後日お義母さんは病院に付き添う予定でしたが、当日お義母さんの体調が悪くお義父さんは1人で病院に向かったそうです。
その後、お義母さんに連絡すると言ったきり電話は無く、電話にも出なかったそうです。
自身が末期だと分かった時にお義父さんは『息子と話したい』と言っていたそうなんです。
『ねぇ、お義父さんに連絡とれないの?』
『家、知ってんでしょ?』
『息子なんだからお母さんに気を使わなくてもいーじゃん』
私は主人やお義母さんの消極的で呑気に見える態度にイラついていました。
『私も会ってみたいから‼︎』
って言った私に主人は
『とりあえず俺が話をした後にね』
と言いました。
自分の実家とも兄弟とも疎遠になり、親の葬儀にさえ、顔を出さなかったお義父さん。
なんの音沙汰もないお義父さんに主人は思う所もあったのでしょう…。
そしてきっとお義母さんも…。
私には分からない思いなので、それ以上は口を出すのは辞めました。
そして、私が退院した次の日の朝、日課の主人への電話(私達、今は同じ区内で別に住んでいるので)
その時、前日の夜にお義父さんが亡くなったと聞きました。
主人は退院直後の私を気遣い、その日は私に伝えなかったそうです。
お義父さんはその日、銭湯で倒れ、そのまま帰らぬ人になりました。
携帯は持っていなくて、小銭と小さなメモだけを持っていたようで、そのメモに主人の名前とお義母さんの電話番号が書いてあったそうです。
末期でしたが、延命治療や緩和ケアなどは受けず1人で生活をしていたみたいです。
誰にも看取られず1人で旅立たれました。
お義父さんは寂しくなかったのかな…
病気になって心細かっただろうな…
亡くなった次の日に主人がお義父さんのアパートに行ってきたのですが、鍵が壊れたボロボロのアパートだったそう。
税金の督促などもあって、生活は苦しかったみたいです。
お葬式は喪主の主人とお義母さん、主人の妹 2人のみの親族とお義父さんのご兄弟のみの火葬式を行う事になり、私も妹たちのご主人も私達の子ども達も行きません。
私達はお墓を持っておらず、お義父さんの実家のお墓に入るのは大変との事でお骨は散骨することになりました。
お義父さんはずっと主人と疎遠でしたが、お義父さんがいなければ主人は存在していません。
どんな事情だったのか分からないけれど、一度は会ってお話してみたかったです