<酒井雄哉>一日一生 | 小さな好奇心

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比叡山の千日回峰行を2度も満行されたとんでもなくすごいお方ですが、偉ぶらず軽い語り口で読みやすかったです。

ちなみにどれくらいすごいかといえば、千日回峰行を知ればわかると思います。

千日回峰行とは天台宗独特の修行法です。

約7年かけて比叡山中を1,000日間、白装束に草履という出で立ちで回峰巡拝して、700日の回峰を終えると「堂入り」という行が課せられます。

この「堂入り」がものすごく過酷で、不動堂に9日間こもり、断食、断水、不眠、不臥(ふが)で不動明王の真言を10万回唱えるのです。

この行を2度も成し遂げた人は400年でたったの3人しかいません。

しかも最高齢。

もうすごさはわかってくださったと思いますが、さらに行を挫折したら自害するという覚悟を持って臨んでいるのです。

「不退行(ふたいぎょう)」と言って、いったん行に入ったら、途中でやめることは許されないため、首吊り用の紐や自害用の短刀、三途の川を渡る時の六文銭などを持参しています。

とにかくすごいのですが、文章は謙虚で優しくて、すっと心に入ってきます。

2度の千日回峰行を成し遂げたというのに、大層なことじゃない、行が終わっても何も変わらないと言っちゃってます。

その方の教え、〝一日一生〟。

今が1番大切だということ。

ちなみに比叡山では、修行体験や千日回峰行の一端を体験できる一日回峰行もあるそうです。

私は1日でも自信がありません…