道尾秀介『N』を読了しました
本を手に取りパラパラとめくってみると、一章おきに上下反転させた状態で造本されている同書
ん?
と思いつつ、帯に寄せられた著者のコメントを読んでみました
全六章。読む順番で、世界が変わる。
あなた自身がつくる720通りの物語。
「読む人によって色が変わる物語をつくりたいと思いました。
本書は六つの章で構成されていますが、読む順番は自由です。
はじめに、それぞれの章の冒頭部分だけが書かれています。
読みたいと思った章を選び、そのページに移動してください。
物語のかたちは、6×5×4×3×2×1=720通り。
読者の皆様に、自分だけの物語を体験していただければ幸いです」
――道尾秀介
この仕掛けが、成功しています
読む順番によって物語は変わり、そして読後感も変わります
読めば読むほど面白いです
読んでみて良かった
感動を覚えた一冊です
私が好きな箇所を最後に‥‥
神様はいない――たしかにそうなのだろう。不信心な私も、実際のところ、そう思って生きてきた。でも、人間だって無能じゃない。たとえ神様がいなくても、私たちができることはたくさんある。(p.245、「消えない硝子の星」)
