過去に1度だけ、被害届を出したことがあります
24歳の夏でした。
仕事を終えて、ウインドウショッピングをした帰り道の20時ごろ
最寄駅から歩いていると、後ろから誰かに抱きしめられました。
やや暗めの道でした。
近くに住む女友達かと思いうれしかったのですが、様子が違いました。
相手は無言で、その手は私の胸へ‥‥
友人とはまったく異なる、ごつごつした手でした
何が起きているのか一瞬わからず、足がすくんだところに、
「騒いだら殺すぞ」
と男性の声
"これから何をされるのだろう?"
ものすごく怖かったのですが、冷静な自分もいました。
"この人は人を殺すような人ではない"
抱きしめるその腕は力づくではなく、優しかったのです。
でも、私より20cmほど背の高い男性です。
力でかなう相手ではありません。
胸や下半身をまさぐられながら、駐車場へと連れ込まれました。
その間、通行人が数人いましたが、私が声を出さなかったこともあり、何事も無かったかのように通り過ぎました。
ずっと無言だった男性が、「しゃがめ」と急に声を発しました。
しゃがんだ後の指示が予想できたので、私は「離して」と言いました。
また通行人が来ました。
「ブラをくれたら離してやる」
「絶対に離してくれる?」
「うん」
私がブラをとって渡すと、男性はフッと笑って、堂々と駅のほうに歩いていきました。
解放された私は、暫し放心した後、つい30分前まで電話をしていた男友達に電話をしました。
「いまね‥‥」
彼の声を聞いた瞬間、道端で大泣きしました
友達が車で迎えに来てくれて、警察に行きました
「彼女が痴漢にあって‥‥」
その様子を簡単に警察に伝えてくれます。
「それは痴漢じゃない。強制猥褻だよ」と警官に言われ、私だけ小部屋に通されました。
一通り話した後、別の方に代わり事情聴取です。
その間に、犯人の似顔絵も描いてもらいます。
が、犯人の顔や服装を自分でも驚くほど覚えていません‥‥。
似ているのか似ていないのか、唯一の目撃者である私がわからないような状況でした
長い時間かかりましたが、男友達はずっと待ってくれていました
まるで神様のように、神々しかったです
神様のような男性もいれば、悪魔のような男性もいる‥‥そう思いながら家路につきました。
翌日同期に話すと心配してくれて、仕事帰りの最寄駅から家まで歩く間、ずっと電話をしてくれました。
2週間ほど毎日、電話に付き合ってくれたと思います。
いま思い返すと、皆に助けられていますね。
こういうご恩は、死ぬまで決して忘れないんだろうな。
皆がいてくれて、私は幸せ者です
