約5年前、初めて失恋をしました。
穏やかで優しくて大好きだったカレに急に「会いたくない」と言われました。
あまりにも急で、理由がよく理解できなかったので、「とりあえず2か月間距離を置こう」という結論にいたりました。
私は、毎晩毎晩、泣きくれました。
親に適当な噓をつき、3泊4日で京都ひとり旅を決行しました。
ホテルはとっていたものの、とくに行く宛てなどありません。
寺社仏閣をスマホでググり、初めて名前を聞くようなお寺や神社へと向かいました。
あてもなく鴨川を歩き、適当なベンチで座ってパンを食べました。
ただひたすら、悲しかった。
「京都にはどれだけの神様・仏様がいらっしゃるのだろう‥‥」と思いながら、あらゆる神社・お寺で祈りました。
「カレのお声が聞きたいです‥‥カレと会いたいです‥‥」
街なかでも、ホテルでも、どこででもカレのことを考えていました。
4日間で、幾ほどの寺社仏閣をまわったかわかりません。
でも、祈りは届きませんでした。
それ以降、寺社仏閣において特定のことを祈るのはやめました。
あのときどれだけ祈っても、届くことはなかったから。
今日、写真データの整理をしていると、そのカレがいました。
ずいぶんと見られなかったのでとても久しぶりに見ましたが、素敵な笑顔でした。
そして、その隣にいる私は、ものすごく幸せそうでした。
穏やかな気持ちで、やっと「ありがとう」と思えました。
カレには決して届くことはないですが。
心から、そっと。
↑京都で手ぬぐいを何枚か買いました。懐かしい‥‥。