芥川賞5 | 感想はほぼ否定的

芥川賞5

米谷ふみ子:過越しの祭(☆☆☆☆)

ラストシーンで、ドラマ「ニューヨーク恋物語」を思い出した。桜田淳子はへんな髪形であった。ホテルはリバーサイドの意味は依然として不明。この賞にはめずらしくオチのある作品である。ただ情景描写が多く、すっ飛ばしまくった。


村田喜代子:鍋の中(☆☆☆☆☆)

ドラマ性を持つ家族構成。もうちょい面白くなったと思う。続編は横溝正史にまかせたい。


池澤夏樹:スティル・ライフ(☆☆☆☆☆☆)

話の内容は面白い。ウィスキーの気取った部分は邪魔だ。赤川次郎に書かせる。東野圭吾に書かせる。もっと面白くなる。


三浦清宏:長男の出家(☆☆☆☆☆☆☆)

息子の成長描写にページがすすんだ。自分が彼の親であったらという仮想さえもした。この父親の気持ちがなんとなくわかる。


新井満:尋ね人の時間(☆☆☆☆)

薄味である。オシャレ小説一歩手前である。リゴドンはとってつけたような話と感じる。


南木佳士:ダイヤモンドダスト(☆☆☆☆☆)

人はいつか死ぬ。ただし死に方と、時期は人それぞれ大きく異なる。しかしながらこの小説はその差を感じさせない。死はすべて自然の摂理の中にあるのだ。


李良枝:由熙(ユヒ)(☆☆☆☆☆☆☆)

日本と韓国の隔たりを言語という部分で描いた作者に、文学者ならではの解釈を感じる。結局異国人との隔たりは言語にあるのかもしれない。デーブスペクターに外人感を感じないからだ。


加藤幸子:夢の壁(☆☆☆☆☆☆☆)

中国人の反日感情をテーマにした小説は、よくあるもの。この作品の良さは、様々な場面の整合性。このまま映画化が可能だ。


唐十郎:佐川君からの手紙(☆)

殺人者佐川の心情は読み取れなかった。文章自体もつまらない。スピード感もない。婆さんとの関係必要なし。三田佳子の息子も更生失敗。


笠原淳:杢二(もくじ)の世界(☆☆☆☆☆)

死でドラマ性を作ろうとする話は多いが、ここでの死は不可欠と感じる。空想・妄想の展開は嫌いだが、この小説では許せた。