潤翔妄想です。

BLです。裏はありません。

それでもいいよという方、ご理解のある方のみどうぞ。



S    said



長い長い生放送が終わって、楽屋に向かうまでの間、あちらこちらから声をかけられる。

興奮冷めやらぬとはこのことか。

そんな事を思いながら、返事や挨拶を返す。

でも。


早く…


楽屋で一息つくも、すぐに後輩たちが挨拶にやってきた。みんなキラキラしていて、昔の自分を見ているようだ。後輩たちがひとしきり大騒ぎして去って行き、一瞬の静けさが訪れる。

スマホを確認する。


早く…


総合司会としてまだまだやらなきゃいけないことがある。マネージャー君とともに各方面へ挨拶にまわる。気ばかり焦るが、ここは抜かり無く行わなくては。

でも。


早く…


「お疲れ様でした。これで終わりです。」

マネージャー君の言葉にふぅーっと息をついた。

「準備できたら呼んでください。車、用意しておきます。」

そう言ってマネージャー君は楽屋を出ていった。


早く…


急いで準備し、マネージャー君の用意した車で、向かうところはひとつ。

焦る自分に若干、苦笑しながらインターフォンを押し、いつもとは変わらないエレベーターの早さにイラつきながらやっとの思いで目指すドアの前に立つ。


早…!!


見ていたかのように、ちょうど開くドア。

そこには会いたくて会いたくて仕方なかった彼。


「おかえり、翔さん」

「ただいま、潤!」


ドアが閉まると共に、俺は潤に飛びついた。


「ふふっ、翔さん、お疲れ様。」

潤は俺を抱きしめ、労いの言葉をかけてくれる。たくさんの人から、色々な人から同じ言葉をかけられたけど、一番聞きたかった人からの言葉。


「久々の翔さんのラップ、良かったよ。きっとファンも喜んでるよ。」

「だといいけど。」

「疲れたでしょ。ご飯用意してあるよ。」

「うん、それよりも。」

「それよりも?」

「頑張ったご褒美ちょうだい。」

「ご褒美?」

「そう、ご褒美。もらうね。」


俺は潤の唇に口づけた。

唇を離すと、ニヤリと笑う潤。



「あとでもっとご褒美あげるね。」



❤️櫻桃💜