十九巻
旅を終え自分の村での日々が始まったコレットさんは、薬師の野望に向けて動き出していました。村としてもコレットさんと同じ思いで、子ども達への教育が始まりました。
コレットさんが井戸に飛び込んだ時のように、彼女一人に村を背負わせる事はしない、という村長さん等の様子が嬉しかったです。もっと早く気づいてくれてたらコレットさんは井戸に飛び込むこともなかった。けども、そうしなければハデス様と出会えていなかったわけだから、あの時飛び込むほどキツかった結果が今ならば後悔はないんだろうなあって思います。
コレットさんが留守の間に診療所へ通っていた女の子が何だかんだあって薬師を目指すことを決意し、小さな弟子が二人増えました。
その新しい弟子の青服を作りに、仕事を休んでハデス様が付き合ってくれました。あのハデス様が仕事を休むなど!その久しぶりの街デートにはしゃぐコレットさん。そんなに嬉しいのか、と問うハデス様への返事が、ハデス様に「ある覚悟」を決めさせました。何と言ったかはぜひその目でご覧になって!!
街を歩き、仕立て屋で青服をこしらえて外に出れば、花嫁行列に行き会います。これを見てまたコレットさんは思い詰めます。
「いいなあ…」と。
その時ハデス様から……!もうだいたい想像つくでしょうけど、ここも何と言ったかはその目で!ご覧になって!
もうね、泣きましたよ。嬉し涙です。0時に花とゆめが配信され、だいたい10分くらいかかってkindleに配信されます。この日は他にも多くの作品が発売日だったようでアクセス過多かなんかで配信がいつもより遅くてヤキモキしたような覚えが…いや別の日だったか?まあそれはいいとして。
腹を括るまでに5巻から12巻まで悩んでいたハデス様が、わずか数ページで、男としての覚悟を決めたんですよすごくないですか。コレットさんのことすごい好きじゃん、愛しちゃってんじゃん…!!
物陰でハグし合ってラブラブだな、よきかなよきかな!!!と思ってフフっていたのも束の間、このあとドン底に突き落とされる出来事があったのでした。
本誌を読んだ時、こんなエピソードいる???なんで??プロポーズしてその足で冥府に行き、おめでとう〜で終わりでいいじゃん!?って不遜なことを思いましたけど、完結した今ならこのエピソードはとても大事だったな、とわかります。
コレットさんの死生観、冥王としての矜持、コレットさんが抱えるモヤモヤの正体などなどを描くには、きっと必要な時間だったんです。
二〇巻
ハデス様は太陽光アレルギーです、しかもわりと重めの。その彼が、晴わたる空の下、上半身裸でいるってどういうことか……っもうもう!
ハデス様は強めのアレルギー反応が出て、10日ほど寝込んだわけですけど、そのかんもコレットさんは地上の仕事を終えると冥府にやってきてハデス様を診て…という日々でした。
片時も離れず看病したいコレットさん。これに、わたしが閨に入って看病する、と言います。この時ガイコツが言い放った言葉にも泣かされました。
家来の矜持、覚悟、相当なもんです。本来なら家来が主人の閨に立ち入るのはダメで叱られるかもしれない。だけど、叱るくらい元気が出たらいい、と。こういう気概を持つ家来だからこそ、ハデス様も彼らに全幅の信頼を寄せるわけで。
そうして「あの日」のことですよ。
覚えている「あの日」を思い出しているであろう「今」は、コレットさんはどこにいるのか。コレッ友とやり取りをしていました。共にぐああああなって動揺して少女漫画の奇跡の発動を願っていたのもこの頃です。影になってアスポデロスにいるのではないか、何十年も何百年も先でその間に何かがあって女神になり「あの日」を思い出しているのか。はたまたゼウス様の提案を受けているのか。
ラスト前の回。危惧していたように、これまでのコレットさんを思い出す面々の様子に嫌な予感を覚え、読み進めていったら…つらい。今読んでも泣いちゃう。
義兄義姉達のほか、関わった人たちみんながコレットさんを思い出してるの、なんだか切ないし嫌な予感……!!!
からの、このゼウス様よ……気が抜ける。好き(笑)
ゼウス様(猫)がどこに何をしに来たのか。コレットさんは何を見て聞いたのか。その辺りは、これも何度も書いてますがその目でご覧になって!!
おわりに
長々と書いてきました。お付き合いいただいた方はいらっしゃらないと思いますが、もしここまでお読みいただいた方がおいででしたら、ありがとうございます感謝申し上げます。
わりと早い段階で、何を書きたいのかわからなくなっていました。本当は全巻通しての好きなシーンをトップ10くらいあげるつもりでアメブロ管理画面を開いたのでした。
だけど好きなシーンを見定めるために一巻から読み返しだしたらほぼ毎話で好きなシーンが出てきて。10じゃおさまらないな???と気づき、ならば一冊ごとに好きなシーンをあげればいいのだな?!と方向転換したもののうまくいかず、自分で「ランキング」と書いたくせに、一度もランク付しないままで最後まできました(笑)
だけど好きなシーンはものすごくたくさんあって、シーンというかエピソードですね、それが多くて、毎話ごとに、好きだな!!!って再認識できまして。それらを、ネタバレせずにキャプションとってってしていたけどあまりにも多いし、あらすじを書いてるだけになってもきたしで控えようって思ったり色々とこれでも考えていたのです。
作品は、来月末に発売される「ザ・花とゆめ」から続編がはじまります。女神となったコレットさんとハデスさまの結婚生活が描かれるらしいので今から楽しみです。なんたってそのザ花ゆめのテーマは「甘々」なのでね……新婚夫婦の甘々だもんね。
そして、20巻を買われるなら断然「特装版」をお薦めします。小冊子に描き下ろし漫画が収録されているんです。本編後の冥府の様子、本編最後でコレットさんがハデス様からもらった名前のその後が描かれていて、ギリシャ神話と少女漫画の融合はこの描き下ろしで完成したようなものですから必読です。お見事です。ホント、お見事。ここでその名前出てくるか!っていう。
ストーリー的には、ファンも望んでいる流れになっていて面白いです。特装版がおすすめ。
それではまた次回の発売日に〜。
良いお年をお迎えください