”防災”こそ国民への安全保障! 広島市土石災害によせて・・(´・_・`) | 私にとって人間的なもので無縁なものはない

”防災”こそ国民への安全保障! 広島市土石災害によせて・・(´・_・`)



広島で大規模土砂災害、懸命の捜索・救出続く
(TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2278744.html
 19日から猛烈な雷雨に見舞われた広島市で土砂崩れなどが相次ぎ、警察庁によりますと、これまでに32人が死亡、9人が行方不明となっています。

 「災害が起こった上空です。幾筋もの土石流の跡をこちらから確認することができます」(記者)

 広島市北部で20日未明に発生した大規模な土砂災害。幾筋にも、まるで裂けたかのように茶色い地肌をのぞかせる山すそ。その先に広がる住宅街は、広範囲にわたって土砂にのみ込まれ、家が倒壊している様子が見てとれます。建物の間を縫うように道路に泥や流木が流れ込み、住民の避難や救助活動を困難にしています。

 土砂災害が確認されているのは、安佐南区の山本や八木、緑井、安佐北区の可部など、広島市北部の山間部。広島県は、南から大量の水蒸気が流れ込んで、19日夜から激しい雨となり、20日未明には、線状の雨雲がかかっていたことがレーダーでわかります。

 広島市安佐北区の雨量計は、午前3時50分までの1時間に130ミリという猛烈な雨を観測し、気象庁は午前4時前、数年に1度の大雨とされる記録的短時間大雨情報を出しました。土砂災害の被害は広範囲に及び、自衛隊も県の要請に基づいて現場に救助に入りました。車が入ることができず、空からの救助活動も続けられています。

 安佐南区山本では午前3時過ぎ、住宅の裏山が崩れ、11歳と2歳の男の子が生き埋めになりました。2人は救出されたものの、その後、死亡しました。

 「朝の3時くらいに裏山から崩れた土砂が家に当たって地震みたいに家が揺れた」(周辺住民)

 男性の家の中にも、大量の土砂が流れ込んでいました。男性の子どもは亡くなった男の子と仲が良かったといい、男性は男の子たちの家に逃げるよう連絡を入れたといいます。

 「もっとはっきりちゃんと逃げてねって『1階に居たらだめよ』とか。そういうのちゃんと明確にはっきり言っとけば良かった。すごく悔しい思い」(周辺住民)

 また77歳の女性が土砂に流され、遺体で発見されるなど、複数の住民が犠牲となっています。

 「土石流が直撃したとみられる現場です。この一帯の住宅すべてが姿を消してしまっています。そしてあちらの住宅、屋根の上からぺしゃんこにつぶれてしまっています。捜索隊が住人の捜索を今でも続けています」(記者)

 土砂や流木、流された家屋の一部や車。それらが消防や自衛隊の行く手を阻み、救助も困難を極めています。

 「もう一人おられるんですか?」
 「私じゃなくて主人が透析行かなきゃいけないんですよ」(住民)

 「家全体が崩れてしまって流されてしまっているお宅もあります。大きな木が根こそぎ倒されて道を塞いでいます」(記者)

 (Q.この家はどこにあった?)
 「この上、この上。この高台の上にあった家が私の家の玄関を直撃した。窓から出て(逃げた)。玄関はもう全滅した。山に砂防ダムがあったが、それが崩れて一気に流れた」(避難した人)

 「土砂崩れが起きた可部の上空に来ています。こちらの住宅街は四方を山で囲まれています。したがって、こちらの山も各所、複数箇所で土砂崩れが起きております」(記者)

 安佐北区では、可部東で53歳の消防隊員、政岡則義さんが死亡しました。政岡さんは住民の救出活動中、崩れた土砂に巻き込まれたということです。

 「可部東地区の災害現場です。ちょうどあの山の上辺りから崩れ落ちた土砂が家をのみ込み、下の団地にまで流れ込んでいます」(記者)

 現場は坂になっていて、障害物も多く、お年寄りらは警察や消防に付き添われながら避難先へと向かっています。

 なぜこれほどの土砂崩れが起きたのでしょうか。土砂崩れには主に土の層が崩れる『表層崩壊』と、その下の岩盤が崩れる『深層崩壊』があります。専門家は今回の土砂崩れは、『表層崩壊』の可能性があると分析します。

 「今回はこの表層を構成している森林土壌と呼ばれる表土がなだれ下った崩壊現象が起こっているのでは」(国土技術政策総合研究所 國友優 土砂災害研究室長)

 また、表層崩壊を引き起こした原因は、この地域の地盤にあると指摘します。

 「花こう岩が風化してできたものでできている土壌。比較的、風化しやすくて、もろいといわれている」(国土技術政策総合研究所 國友優 土砂災害研究室長)

 今回の被害に政府は・・・

 「政府一体となって救命、救助、対応にあたるように指示をいたしました」(安倍首相)

 安倍総理は、被災者の救助や避難の支援、被害の拡大防止の徹底などを指示しました。安倍総理はもともと夏休み中で、20日朝は山梨県で、森元総理らとおよそ1時間ゴルフをプレー。それを急きょ中止し、東京に戻りましたが、そもそもゴルフを始めたことに野党各党からは批判の声が上がっています。

 未明の住宅街を突然襲った今回の大規模土砂災害で、これまでに死者32人、行方不明者9人に上っています。現場では、今も懸命の救出・救助活動が続けられています。(20日17:57)










広島土砂災害警危険箇所
広島土砂災害警危険箇所
土砂災害ポータルひろしま より








広島市土砂災害解説 2014-08-20_0710

http://youtu.be/7QGZC1kMnhc

土砂災害とは
(国土交通省 中国地方整備局 太田川河川事務所)
より

「土砂災害」ってなに?
http://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/sand/west/page1/index02.html
 自然災害の中でも、「土砂災害」は大きく3つ、土石流がけくずれ地すべりに分けられます。
 土砂とは土や砂のことですが、山の土砂がくずれたり、くずれた土砂が雨水や川の水とまじり、わたしたちに襲いかかり、人・家・道路などが被害を受けることが土砂災害です。

土石流とは
 大雨などによって、山の岩や土砂が自動車並みの速度で谷を流れ下る現象です。
流木が混ざるとさらに破壊力を増し、人家や橋などを破壊します。



平成11年6月広島市安佐北区で発生した土石流
 提供:広島県砂防室

がけくずれとは
 大雨や地震などによって、斜面がゆるんで一気に崩れ落ちる現象です。
突然起こるため、被害が人命に及びやすいのが特徴です。



 平成11年6月呉市警固屋(けごや)で発生したがけ崩れ
 提供:広島県砂防室

地すべりとは
 地下水などの影響によって斜面がゆっくりと下方に移動する現象です。
広い範囲にわたって大量の土砂が移動するため、被害が大きくなります。



 昭和60年7月長野県地附山(じづきやま)で発生した地すべり
 出典:長野県

なぜ日本では「土砂災害」が多いの?
http://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/sand/west/page1/index03.html
 わが国は、四季折々の季節の変化に富み、山や緑、川や海など豊かな自然に恵まれた国です。しかしその一方で、この美しい自然は、時として私たちに災害をもたらす厳しい自然へと姿を変えます。
 わが国は、国土の約70%が山地で占められており、大変険しい地形となっています。そのため、川は、もろくて崩れやすい岩や土から出来ている山々を深く削りながら、山の上から海までの短い距離を一気に流れ下ります。
 また、世界全体の1割を超える活火山が分布し、大きな地震にも見舞われるなど、地球全体で見れば大変せまい地域のもかかわらず、大きな自然のエネルギーが集中しています
 このような地形や地質などの条件に加えて、梅雨(つゆ)や台風などによりたびたび大雨が降るため、わが国では土砂災害や洪水などの自然災害が発生しやすいのです。
 さらには、山を背後に抱えたせまい平地が多くの人々の暮らす場となっており、特に都市部では山を切り開いて開発され、がけのすぐそばや谷の出口にまで住宅地が形成されている例が多く見られます。
 このことも、わが国で土砂災害が多いひとつの大きな要因となっており、土砂災害のおそれのある箇所は増え続けています。

世界の川と日本の川の流れの比較
諸外国と比べて急こう配の日本の河川

世界の都市と日本の都市の年降水量の比較
世界主要国の年間降水量

山裾まで開発が進む住宅地(広島市安佐南区)


崩壊した山の斜面(広島市安佐南区)


広島県に「土砂災害」が多いのはなぜ?
http://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/sand/west/page1/index04.html
雨に弱いマサ土
 広島県の山地は、主に広島花こう岩といわれている岩石から出来ています。広島花こう岩は、長い間、雨や風にさらされると『マサ土』と呼ばれる砂のような土に変化していきます。この『マサ土』が、水を含むと非常にもろくて崩れやすい性質を持っています。このため、斜面の表面を『マサ土』が広くおおう広島県では、土石流やがけ崩れなどの土砂災害が起こりやすいのです。

筒を人の手で簡単に押し込める程もろいマサ土


マサ土が水によって削られた状況


広島市周辺の地質分布
広島市周辺の地質分布

マサ土地域の災害発生状況



山に迫る住宅地
 人口が集中する広島市周辺では、山を切り開いて斜面の直下や谷の出口付近まで住宅が開発されてきました。
 山に住宅が開発されてきたことにより、土石流やがけ崩れなどの被害を受けるおそれのある箇所が増えてきました。


宅地化の変遷 山裾まで宅地開発が進んでいるのがわかります(広島市佐伯区)
宅地化の変遷
※この写真は、国土地理院長の承認を得て、同院撮影の空中写真を複製したものです。
 (承認番号 平13中複 第217号)


各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域
(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/river/sabo/link_dosya_kiken.html


都市化域での豪雨土砂災害
-広島の土砂災害から学ぶ-

広島大学 福岡捷二
http://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/web_j/kyodo/kyodo12/12s-2/pdfile/fukuoka.pdf


大地のパワー!ザ・地すべり&がけ崩れ-災害と対策-

http://youtu.be/bShSbzFtGko


防災は自助、共助、公助が基本と言われるが・・
自助・共助の力

自助+共助+公助


公助の中心となるべき災害予防予算の低さはどいうことだ?


平成25年版 防災白書 より
防災関係予算額の推移


平成 26 年度予算決定概要
(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/common/001023013.pdf
平成26年度予算の基本方針

公助 自助


主張
大型開発の“膨張”
またバラマキを繰り返すのか

(しんぶん赤旗)2014年1月10日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-10/2014011001_05_1.html
 安倍晋三政権が大型開発事業の推進・復活の動きを本格化させています。消費税率を17年ぶりに引き上げる2014年度予算案は、公共事業費を2年連続で増加させ道路、港湾、空港などの建設・整備の予算を大きく上積みしました。“国は財政危機で、社会保障に回すお金がない”と国民に消費税増税を迫っておきながら、大企業やゼネコンのもうけのために不要不急の大型開発に巨額な税金をバラまくことは、まったくスジが通りません。

「強靱化」の始動

 一昨年末に政権復帰した安倍政権の2度目の予算となる14年度予算案で、公共事業費は13年度比12・9%増の5兆9千億円余となり、軍事費と並び優遇されました。

 中身も大型公共事業への大盤振る舞いの数々です。「1メートル1億円」といわれる東京外郭環状道路(外環道)を含む三大都市圏環状道路などの整備に1681億円も計上しました。船が来ないなど行き詰まりが明らかな「国際コンテナ港湾」(京浜港と阪神港)の機能強化には、昨年より46億円も増額して446億円も投じます。

 国民の命と安全を守るために緊急を要する「防災・減災」対策の伸び率の低さと比べると、対照的な手厚さです。しかも「防災」対策には、国民の批判を浴びて民主党政権時に一時凍結された八ツ場(やんば)ダム(群馬県)の本体工事費を5年ぶりに復活させる費用まで紛れ込ませています。

 “公共事業費削減の流れを断ち切れ”と要求してきた日本建設業連合会がただちに歓迎表明したように、安倍政権の姿勢は大企業・ゼネコンの期待に応えたものです。

 14年度予算案での大型開発推進・復活の動きは、“序の口”にすぎません。「大企業の国際競争力の強化」を第一に掲げる安倍政権は、大型開発事業を「成長戦略」の大きな柱と位置づけ、「産業インフラの整備」などを大々的にすすめる構えです。昨年12月の臨時国会で成立した国土強靱(きょうじん)化法は、それを強力に推進する仕組みです。

 国土強靱化法はもともと政権復帰前の自民党が「10年間で200兆円の公共投資」を実行すると打ち出したものですが、あまりに露骨な大型開発推進の内容に国民の批判が高まったため、「防災・減災等に資する」などを法律名に書き足したものです。しかし、「国際競争力の向上に資する」ことが理念に明記されるなど当初の自民党構想と本質は変わっていません

 同法にもとづき内閣に「国土強靱化推進本部」(本部長・安倍首相)が設置され、5月にも「基本計画」を閣議決定する方針です。政府が音頭をとる「国土強靱化」が呼び水となり、過去にムダと批判され凍結された海峡横断道路計画が復活する動きなどが表面化しています。国の財政をますます危機的にするムダと浪費の拡大を繰り返すのは絶対に許されません。

きめ細かな施策こそ

 「強靱化」という大風呂敷を広げ、乱開発をすすめることは防災そのものにも逆行します。

 老朽インフラの修復・整備こそ急がれます。自然災害から国民の生命や財産を守るため、建物やライフラインの耐震化、住宅密集地の解消、液状化対策など地域と住民に密着したきめ細かな施策を最優先にすべきです。そこにこそ政治の役割が求められます。



東京新聞【社説】施政方針演説 弱者切り捨てでは困る
2013年3月1日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013030102000137.html

 安倍晋三首相による施政方針演説は「自立」に貫かれた。その大事さは理解するが、自立したくてもかなわない弱者にこそ手を差し伸べるのが政治の姿である。基本を忘れてもらっては困る。
 この国会二度目の首相演説である。冒頭、福沢諭吉の「学問のすゝめ」から「一身独立して一国独立する」を引き、「誰かに寄り掛かる心を捨て、それぞれの持ち場で自らの運命を切り開く意志を持たない限り、私たちの未来は開けない」と訴えた。
 長期の経済低迷と巨額の財政赤字、本格的な少子高齢化社会の到来、東日本大震災と福島第一原発事故による甚大な被害、周辺諸国の日本領域への挑戦など、日本が直面する課題は多く、深刻だ。
 それらを克服するにはどうすればよいのか。自立して懸命に生きる人同士が苦楽を共にして助け合う。被災地での支え合いに感銘を受けた首相は、そうした姿こそが「強い日本」復活の原動力になると訴えたかったのだろう。
 自立心を持つことも、支え合って生きていくことも大事なことである。それ自体に異存はない。
 ただ危惧するのは自立を強調するあまり、自立できない人が置き去りにされてしまうことだ。苦楽を共にできない人が支え合いの輪の外に置かれてしまうことだ。
 首相も演説で「どんなに意欲を持っていても、病気や加齢などで思い通りにならない方々がいる」と指摘した。頑張りたくてもかなわない、立場の弱い人々を支えるのが、政治本来の役割である。そのことを忘れてほしくはない。
 社会保障と税の「一体」改革は消費税増税だけが決まり、社会保障制度改革は後回しだ。有識者の国民会議は始動したが、議論の遅れも指摘される。社会保障制度は今のままで、消費税増税だけが強行される事態は見たくない。政治の覚悟が問われる場面だ。
 社会保障の在り方について、首相は「自助・自立を第一に、共助と公助を組み合わせ、弱い立場の人にはしっかりと援助の手を差し伸べる」と主張し、民主党は先の党大会で決めた新しい綱領に「個人の自立を尊重しつつ、同時に弱い立場に置かれた人々とともに歩む」と明記した。
 ニュアンスの違いはあろうが、個人の自立を重んじ、弱者を支えることでは同じではないか。ならば、社会保障のあるべき姿の議論を急ぎ、夏の参院選前に結論を出し、堂々と国民に問うべきだ。それが政治の責任でもある。