2019年、2回目の「西国三十三所」を満願し、新たな札所巡礼を探していた。

新西国~、花の寺~、河内~・・・調べると様々な札所巡りが出てきたが、

どれも、これだ!と思うものでなかった。

 

近郊の山々を走り、行く先々に神社仏閣がある。

そのような場所は好んでお参りする方だ。

お寺の案内板なども熱心に読んでいた。

(頭には残ってないが・・・)

 

案内板で、よく目にするのが「弘法大師(空海)」と「役行者(役小角)」、この二人。

二人とも歴史の教科書にも登場する超有名人だ。

 

以前より山岳宗教(修験道)に興味があった。

自分の知らない精神世界や日本人が古来より持っている感覚に心惹かれていた。

 

まぁ、最近はそんな事もすっかり忘れていたが、

山を走るようになり、寺や行場で役行者の存在を思い出さされた。

 

夜、一人でヘッドライトを点けて走っていると、

行灯の灯りで走れるか?

草履で走れるか?

綿や麻の質素な衣料、簡単な地図・・・・

古の山を想像すると、日本狼、熊、野犬、山賊・・・など、それこそ死と隣合わせだ。

 

生駒山や金剛山から大峯奥駆道・熊野古道を創設・修行した修験者・役行者。

僕は役行者の足跡をたどっているだけじゃないか…。

 

そんな想いもあって、夜一人で山を走っていると、新たに役行者に親しみを覚えた。

 

 

で、調べていると、【役行者霊蹟札所】を見つけた。

平成13年に河内長野市助役を勤めた下休場由晴氏が手がけた新しい札所。

この人、他に様々な札所を創設している。

どんな人物なのか、ちょっと気になるなぁ。

 

先週の日曜日、妻と一緒に生駒にある「宝山寺」に行ってきた。

 

生駒信貴山スカイライン(有料)を使わずに、生駒駅方面から車で登る。

一度、生駒ケーブルに乗ってみたいと思っているが、

生駒駅前の有料駐車場に停める必要性?がない。

上に無料の駐車場があるからねぇ。

八幡市の石清水八幡宮と一緒。

石清水は、年始の参拝者でケーブルの維持費がまかなわれるって都市伝説が

あるけど、生駒も同じかな?


生駒信貴山スカイライン入口の無料駐車場に車を停める。


目の前に、「観光生駒」のアーケード。

おぉ!これこれ。
生駒新地と呼ばれる所だ。
妻は、そのような場所と気づかなかった。
僕も事前知識がなければ分からなかったかもしれない。

大正から昭和初期まで大いに栄え、最盛期には料理旅館100軒以上、ダンスホールでは18.9才の若い女性が100名以上踊っていたらしい。

今でも10軒ぐらい営業してるのかな?

その痕跡は簡単に見つけることができる。
しかし、知らなかったら、どこぞの寂れた温泉街みたいな雰囲気だ。
廃業した施設が多数ある。
絶滅寸前…。
(真新しい蕎麦屋やアジアンテイストな店もある。中がどのようになっているか大いに気になる)

門前町を過ぎると、
宝山寺だ。
多くの参拝者。
お寺の無料駐車場には車がいっぱいだ。

人の流れが変わり、ケーブルや門前町はスルーされる…。しょうがない。


役行者が修行した般若窟は立入禁止。
しかし、たくさんの仏様神様がおられる。

現世利益、商売繁盛、夫婦和合、良縁祈願など庶民的なご利益が多くの人々を惹き付けるようだ。

【役行者霊蹟札所】の奉納経(御朱印帳)を購入し、ご朱印を頂いた。

事前に用意してあるご朱印に日付けを記入、御朱印帳に挟むタイプだ。
やるなぁ~(笑)

奥の院まで歩く。

生駒の街から矢田丘陵、その向こうに奈良市、また、その向こうに山々が望めた。

役行者が見た風景とはまったく違うけど、
その時代の景色を想像できたような気がした。

奥の院から、岩屋の滝に向かった。
途中、生駒山頂に続く道があった。
宝山寺から生駒山頂へ、生駒山を縦走して信貴山に下り、法隆寺から矢田丘陵を縦走して宝山寺まで、ぐるっと一周するコースも面白そうだ。
梅屋敷駅…利用者数が気になる。