小説の前にここで少しお話を。

皆さん、先日の記事《興味本位アンケート》へのコメントありがとうございました!

私と同じように「48グループから好きになった」という方から「欅坂46が一番最初に好きになった」という方までいらっしゃり、

とても興味深かったです。

私事ですが、時々好き(だった)CPのマイブームがくるときがあるんですが、分かる方いらっしゃいますかね?(笑)

(最近さやゆーり→さやみるブームが来てました
分か…ります?(笑))



あかねんとゆいぽんのCPの名前ってあるんですかね?

あったらテーマに登録したいので教えていただけると幸いです。



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原田said

原田「ここがこうで…ん?いや、違う…」

大学に合格して、やっと戻ってこれた。

皆に会えるのは嬉しい。

皆と仕事できるのも嬉しい。

休んでた分の曲のダンスの振りを覚えるのも楽しい…のに。

それと同時に感じる、虚しさ。

皆がこの曲の振り入れをしたとき、どんな会話を交わしていたのか。

どんなことを話し合って、どう改善したのか。

より良くするためにどんな努力をしたのか。

その思い出に、私は加わることはない。

皆がその時期の思い出を懐かしそうに話す度、私は一時的に空気になる。

どう頑張っても全ては共有することができないその期間は、私にとって、とても大きい。

原田「あーもう…」

レッスンや歌番組の映像を観ながら、振りを確認しているが、どうにも上手くいかない。

原田「ここって、どんな…」

誰かに聞いてみようと、スマホの電源をいれる。

原田「…いや、」

もう少し、一人で考えよう。

皆は他の仕事で忙しいはず。

そんな疲れてるときに人にダンスを教えるなんて、自分ならやりたくない。

踊ろう。

とりあえず振りを全て覚えることが優先だ。



レッスンや仕事を終えてから毎日夜遅くまで一人で振り入れ。

フルバージョンに加えて音楽番組で披露するときのショートバージョン。

レッスンがあった日は、レッスンの復習も。

そうすると、就寝時間は深夜の三時を余裕で過ぎる。

そんな生活を続けること一ヶ月。

原田「っふー…」

なんだか最近調子が良くない。

映像が頭に入ってこないし、身体が言うことを聞かないこともしばしば。

なんだかイライラするし、そのうち仕事にも支障をきたしそうで怖い。

でも、これはやらなきゃいけないこと。

皆と足並みを揃えなきゃ。

原田「あっ、もー…もう一回…」

駄目だ。

もっと集中しなきゃ_



原田「ん…?」

渡邉「あ、起きた」

原田「理佐…?」

目を覚ますと、なぜか理佐がいた。

むしろ、理佐の部屋に私がいた。

というか寝ていた。

頭の奥がズキズキと痛んで、思わず顔を顰める。

原田「?…??」

渡邉「水、飲む?」

原田「飲みたい…」

渡邉「ちょっと待って、ストロー持ってくる」

なんで?

今まで練習を…

渡邉「はい」

原田「ありがと…」

長めのストローを挿したペットボトルを受け取って、ひといきに飲んだ。

思っているより喉が渇いていたらしい。

理佐はベッド脇に座り、私は理佐の方向を見るように横になった。

渡邉「まったく、最近夜遅くまで自主練してるって聞いたから行ってみれば」

原田「面目ない…」

倒れていた、らしい。

揺すってみたら反応があったし熱はなかったから、マネージャーに報告の上、ひとまず病院には行かずに連れて帰ってきたと。

渡邉「とにかく、明日一日休むこと」

原田「えっでも_」

渡邉「明日レッスンだけでしょ、今日の分の確認だけって言ってたから新しく覚えることもないし」

原田「でも_」

渡邉「これ、スタッフさんからの指示だから」

原田「うっ…」

なんとなく納得できずにいると、理佐が私の頭を優しく撫で始めた。

渡邉「練習、付き合うからさ」

原田「えっ、いやそんないい_」

渡邉「一人で消化しようとして倒れたらそれこそ本末転倒でしょ」

原田「うっ…」

それがまさにその状態。

ぐうの音も出ない。

渡邉「ほら、今日はもう寝るよ」

原田「理佐は…?」

渡邉「ここにいるから」

原田「うん…」

どれだけ強がっていても、身体は正直。

日々の仕事と自主練で蓄積していた疲労と、頭に触れている理佐の手の安心感のおかげで、眠りにつくのにそんなに時間はかからなかった。



原田「…!」

目が覚めた。

視界が真っ暗なのは、今が夜だからだろう。

原田「…っはぁ…」

汗が吹き出していて、動悸がすごい。

今だ続いているズキズキとした頭痛。

何か、恐ろしい夢を見ていた気がする。

内容を思い出そうとするけど、思い出せない。

毛布の中に潜り込むように仰向けから横向きになる。

渡邉「…葵?」

なんとか落ち着こうと深呼吸を繰り返していると、

後ろから声をかけられた。

原田「…り、理佐」

どうして理佐が、と思った瞬間、ここは理佐の部屋であることを思い出した。

一人ではない。

近くに人が、理佐がいる。

それだけで、なんとなく気が楽になった気がした。

渡邉「どうしたの?」

原田「いや、なんでも…」

若干眠そうな声からして、起こしてしまったらしい。

渡邉「本当に?」

原田「ちょっと、怖い夢見た…」

渡邉「そう…忘れよ、そんなの」

原田「…」 

渡邉「寝よ、おいで」

原田「でも汗が…」

渡邉「いいから、ほら」

やや強引に引き寄せられた理佐の腕の中は暖かくて、またすぐに眠気が来た。

不思議と恐怖はもうなくなっていた。



渡邉「ごめんね、分かってあげられなくて…」

原田「…ありがと…」

眠りに落ちる直前、理佐の言葉に自然と出た言葉だった。










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いつも読んでくださってありがとうございます!
    リクエスト一作目、wjs15428さん、名も無き小市民さんリクエストのりさあおでした。
やっぱりりさあおといえば、姉妹感ですかね?
姉妹感出すことができたでしょうか?
ご感想、お待ちしております。
それでは、次回も是非読んでください!
これからもよろしくお願いします!