平手said

平手「……情けない…」

ふと、呟いた。

渡邉「…」

私が寝てるベットの側には理佐がいて、汗を拭いてくれている。

咳も鼻水も無かったから風邪じゃない、と思ってた。

怠かっただけ。

思った通り風邪じゃなかった。

あったのは、熱。

渡邉「本当に気づかなかったの?熱」

平手「気づかなかった…」

気づいてたら休んでた…はず。

渡邉「怠かったなら熱計ればよかったのに」

平手「あ、そっか…」

渡邉「え…?」

その考えには至らなかった。

至らなかった結果がこれだ。

病院。

レッスンで撮った振り付け動画を見ている最中、急に視界が反転して。

すぐに体を起こそうとしたのに目眩がして。

結局理佐に担がれてスタッフさんの車で病院へ。

まあ結果的に大したことなかった?けど、少しの脱水と寝不足があるってことで点滴をすることになった。

点滴を始めて小一時間寝たんだけどそれでもまだ半分以上残ってる。

まだかかるのかー…

平手「理佐レッスン戻らないの?」

渡邉「今日はもう切り上げたって、さっき友香から連絡来てた」

平手「そっか…」

渡邉「あと、明日一日安静にだって」

平手「え…レッスン_」

渡邉「安静」

平手「はい…」



平手「…ん?」

渡邉「あ、起きた」

気づいたら、寝ていたらしい。

平手「どこ…?」

渡邉「病院」

平手「ああ…」

渡邉「今丁度点滴終わったとこ、もう帰っていいって」

左腕を見ると針が刺さっていたところに、ガーゼを貼られていた。

平手「理佐…」

渡邉「ん?」

平手「おぶって」

渡邉「…いいけど、辛い?」

平手「眠い」

渡邉「…」



渡邉「軽」

平手「重いよ」

渡邉「軽い」

なんだかんだ言って、結局おぶってくれる。

って言ってもマネージャーの車までなんだけど。

渡邉「寝る?」

平手「寝ない」

渡邉「眠いんじゃないの」

平手「眠い」

渡邉「なにそれ」

車に乗り込むと理佐に寄りかかってなんとなく空中を眺める。

渡邉「あ、友香からLINE来てる」

平手「なんて?」

渡邉「てち、どう?って」

平手「ピンピンしてる_」

渡邉「けど明日は安静に、まだ熱完全には下がってないでしょ」

平手「…もう」

このままレッスン出る宣言をしようと思ってたのに。

無駄な足掻きだったらしい。

平手「理佐」

渡邉「ん?」

平手「今日部屋行っていい?」

渡邉「いいけど」

平手「一緒に寝たい」

渡邉「分かった」

この、甘やかしてくれるときの優しい顔。

安心する。








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いつも読んでくださってありがとうございます!
    CPリクエスト2の発熱のてちりさ小説でした。
この書き方で大丈夫ですかね?
なんか物足りないと感じる方がいらっしゃいましたらコメントいただければ嬉しいです。
それでは、次回も是非読んでください!
これからもよろしくお願いします!