澪紀said

澪紀「…」

返事が来ない。

既読すらつかないし、寝ちゃったのかな…

澪紀「いや…」

まだ六時過ぎだし、さすがに早いよね。

咲「はい、お待ちどうさまー」

澪紀「うわー、美味しそー」

目の前に置かれた料理の数々。

全てお姉ちゃんの手作りだ。

澪紀「いただきます」

咲「はーい」



咲「どうかしたの?」

澪紀「え?」

咲「そわそわしてる、心配事?」

お姉ちゃんは人をよく見てる。

何度もそれに助けられてきた。

澪紀「んー…」

咲「話せない事だったら別にいいの」

曖昧に答えていたからか、勘違いさせてしまったようだった。

澪紀「違うの、真春のことでちょっと…」

咲「真春?」

澪紀「うん、今日ね一緒に帰る約束してたんだけど、先に帰って来たみたいなんだよね」

咲「連絡は?」

澪紀「来てた、体調が悪いから帰るって」

咲「そう、良くなってないのね…」

妙に納得したような反応。

確かに体調も心配だけど、今ばかりはそうじゃない。

澪紀「さっき送ったメッセージの返信が来なくて」

咲「…いつ送ったの?」

澪紀「んー、四時くらい?」

咲「…遅いね」

真春はいつもならすぐに返信してくれる。 

今まで遅くなったことといえば、スマホが手元にないか体調が悪くて寝てるか。

心配性の真春がスマホをどこかに置き忘れることなんて滅多にないし、そんなときは大体体調が悪い。

澪紀「…」

咲「後で訪ねてきたら?」

澪紀「いや、やめとく、もう遅い時間だし明日聞いてみる」

咲「うん、それがいいね」

心配だとはいえ、この時間に押しかけるのはさすがに迷惑だ。

明日聞けばいい、そう思って今日はもう寝ることにした。



真春said

真春「いったっ…」

目覚めは最悪だった。

腹部の痛みで目が覚めたのは昨日な一昨日と同じだが、心なしか痛みが鈍い気がする。


綾乃『テスト明けすぐに試合があること分かってるでしょ?サボられると困るんだよね』

        『はあ…雰囲気悪っ』


深保『テストは"大丈夫よね"?』

深保『それならいいの、"頑張ってね"』


真春「っ…」

ふと思い浮かんだ、綾乃先輩とお母さんの言葉。


そうだ…私は迷惑ばかり…

もうこれ以上は…駄目だ。

一人で、やらなきゃ…

痛みなんか、気にしてる暇なんかない。

病院なんて、行っている暇はないんだ_



澪紀「真春、おはよう」

朝、いつも通り待ち合わせ場所に澪紀はいた。

昨日のこと、謝らないと。

真春「おはよう、あ、昨日はごめん」

澪紀「いいよ、それより体調は?"大丈夫だった"?」



真春「うん…"大丈夫だった"よ」

澪紀「そっか、よかった」


"大丈夫?"なんて、聞かないでほしかったな…



京果「真春ちゃん、おはよう」

真春「おはよう」

京果「これ、面白かったよ!ありがとう!」

真春「ううん、良かった」

京果「テスト終わったらまたおすすめ教えてね」

真春「もちろん」

京果「最後の最後で主人公の親友が_」

教室に着いて京果から受け取った本。

それは私が貸したもの。

京果は友達の中で唯一の小説好き。

お互いに本をおすすめし合って、感想を言い合う。

小説が好きな人は他にもいるけど、京果と話すと新たな発見があることが多い、気がしてる。



昼休み。

弁当の中身を減らそうと箸を動かすが、なかなか減らない。

真春「っ…」

澪紀「真春?どうしたの?」

胃から込み上げてくるものがあり、咄嗟に口を押さえた。

真春「…っ」

澪紀「…保健室行こう」









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いつも読んでくださってありがとうございます!
なかなか文章がまとまらず申し訳ないです。
読みにくいと思いますがよろしくお願いします。
それでは、次回も是非読んでください!
これからもよろしくお願いします!