守屋said
雑誌の取材が終わり、LINEを確認すると理佐からのメッセージが。
《友香が倒れた》
それを見るなり理佐に電話。
プルルルルル…
ガチャ
渡邉『はい』
守屋「理佐?友香は?」
渡邉『あー、さっきレッスン終わったら急に倒れちゃってさ』
守屋「それで?大丈夫なの?」
渡邉『うん、今は部屋で寝てるよ』
守屋「そっか、よかった」
渡邉『でさ、今私友香の部屋にいるんだけど今から来れる?』
守屋「え、まあ仕事は入ってないけど」
渡邉『じゃあさ、代わりに友香のことお願いできないかな?私これから仕事入っててそろそろ行かなきゃいけないんだよね』
守屋「分かった、すぐ行く」
すぐ行く、と言っても車移動だから結構な時間がかかる。
結局着いたのは一時間後だった。
移動中の車の中で「ごめん、もう行くね」って理佐からLINEが来てた。
コンコンッ
守屋「友香?入るよ?」
ガチャ
寝てるとは思うけど一応断って部屋に入る。
寝室のドアを開けると、冷えピタを貼った友香が寝ていて。
呼吸は落ち着いてるし大したこと無さそうで一安心。
菅井「ん…」
守屋「友香?」
菅井「…あかねん?」
守屋「ごめん、起こしちゃった?」
菅井「ううん…大丈夫…」
眠いのか、まだ体調が良くないのか分からないけどいつもより呂律が回っていない。
守屋「倒れたって?」
菅井「…倒れたっていうか…目眩がしてふらついただけ…」
あ、目そらした。
守屋「本当に?」
菅井「…立てなくなって理佐におぶってもらった…」
守屋「ほらー」
菅井「ごめん…」
守屋「で、今は?どう?」
菅井「大丈_」
守屋「正直に」
この質問の答えに「大丈夫」って返ってくることは分かってた。
性格上ね?
菅井「…頭痛が少し…」
守屋「あとは?」
菅井「…寒い…」
守屋「そっか、これから熱上がってくるっぽいね」
菅井「…うん」
寝室を出て、部屋を探索。
とりあえず必要な物を揃えよう。
毛布は何枚もいらないだろうから一枚。
次に冷蔵庫。
守屋「あれ」
レトルトのお粥とゼリーとスポドリが入ってる。
理佐が買ってきてくれたのかも。
まだご飯の時間じゃないからゼリーだけ持って友香のところに戻る。
守屋「友…」
菅井「すー…すー…すー…」
寝てる…
危ない危ない。
起こすところだった。
守屋「…」
床に座って寝顔を眺める。
友香の顔こんなにまじまじと見るの久しぶりかも…
…やっぱり隈が濃くなってるんだよなぁ…
無理しすぎだよ…
今日、夕飯食べてないし薬も飲んでない。
明日は無理かな…
菅井said
翌日。
菅井「んー…っ」
朝起きてすぐに感じた頭痛。
一日寝たら良くなってるかなーなんて思ってたのに。
菅井「全然なってないじゃん…」
そういえば、今日目覚まし鳴った?
菅井「あ!?」
時計を見ると起きようと思っていた時間を大幅にオーバーしていた。
菅井「ヤバい!」
このままじゃ集合時間に間に合わない!
とりあえず着替えようと立ち上がるが、目眩がしてすぐに倒れ込んでしまった。
身体は重いし頭痛がしてすぐに動けなかった。
ガチャ
守屋「友香!?」
え?
菅井「あかねん?」
守屋「大丈夫?」
あかねんはすぐに身体を抱き上げてベットに寝かせてくれた。
でも今はそんな事してる場合じゃないの!
目眩が残る中、上半身を起こす。
守屋「友香!?まだ寝てなきゃ!」
慌ててあかねんが駆け寄って上半身に制する。
菅井「あかねん、時間が!」
守屋「時間?」
菅井「集合時間まであと十分しか…」
服着替えて、洗顔して、今日の段取りの確認と、あとは_
守屋「友香落ち着いて!今日の仕事は全部キャンセルになったから!」
菅井「え…」
守屋「だから今日友香はオフ」
キャンセル…?
私が体調崩したから?
菅井「そ…っか…ごめん…」
守屋「え、なんで謝るの?」
菅井「だって…キャプテンなのに…私…」
守屋「友香…」
菅井「ごめんね?あかねん…」
守屋「友香…!」
菅井「私…皆に迷惑_」
守屋「友香!!」
菅井「!?」
あかねんが私の両肩をがっしり掴んで目線を同じにする。
守屋「迷惑なんてかかってないから!」
菅井「でも、今…」
守屋「皆心配してたんだから友香が無理してるんじゃないかって」
菅井「私?別に無理してた訳じゃ_」
守屋「少なくとも私達からは無理してるように見えた」
本当に無理してた訳じゃない。
キャプテンとしてしなきゃいけなかったことをしてただけ。
守屋「友香はキャプテンに縛られてるんだよ」
菅井「え?」
守屋「最近の友香の口からはキャプテンだからって言葉がよく出てくる」
菅井「でも本当にキャプテンだから…」
守屋「駄目だよ!」
なぜかあかねんの目が見れなくて俯いていると、身体が暖かい何かに包まれる。
あかねんが、抱き締めてくれている。
守屋「友香はキャプテンの前にメンバーなんだから!もっと皆を頼ってよ!」
目の前が涙で滲む。
皆に迷惑をかけないようにと思ってやっていたことが、逆に皆に心配をかけていた。
そう思うだけで申し訳ない気持ちだった。
菅井「ありがとう、あかねん」
守屋「うん!今日はしっかり休んでね?」
菅井「うん、行ってらっしゃい」
守屋「行ってきます」
________________________________________________________いつも読んでくださってありがとうございます!
ゆっかねん小説です。
「自覚はしていないのに、知らず知らずに様々な方向からのストレスが溜まっていく」これを自覚したことがある方はいますか?
私の周りの人では唯一、心配性の人が「同感」と言ってくれました。(笑)
私は元々ストレスを感じていませんでした。
というか、感じにくい人だったみたいです。
しかしあるとき、強いショックを受けた出来事がきっかけで、それまで受けていたストレス全てが一気にのしかかってきました。
そんなとき人がいてくれた方がいい人、一人になりたい人など人によって違うと思います。
なので、一概に「こうしたら良い」などと言うことはできませんが…
最後は何と締め括ったら良いのか分からなくなってしまいました。
暗い話になってしまい申し訳ないです。
それでは、次回も是非読んでください!
これからもよろしくお願いします!