いったいどのくらい寝たんだろう。朝の回診で沢山の医師や看護師達がやってきた。
ベットの足元についてあるテーブルには朝ごはんらしきものが置いてある。もうろうてして考えてみる。
昨晩ここに運ばれたのが6時頃で後から駆けつけただろう上の娘とその旦那、付き添って来てくれた下の娘達がかえったのが7時過ぎだ。
今は9時過ぎ。おおよそ14時間は寝たという事だ。
ここは大部屋みたいだ。しかも脳外科の部屋だ。そうだ!処置してくれたのは脳外科の医師だった。
ベットのまわりがぐるりとカーテンで囲まれているからよくわからないでいると昨晩の医師がカーテンの隙間から顔だけ出し「念のためMRIを撮った結果脳も首も全く異常がないよ。良かったね、10時過ぎると料金がかかるから急いで退院した方がいいね」とにっこりした。

これって何?
だってわたしはまだ耳はおかしいし、めまいはするし、悪寒も、そして何と言ってもまだまだ痛いんだ!!!!!

しかしこれで良くならなかったらまた外来で来なさいと30日分の薬を処方され退院させられた。
その時は本当にさせられたという言葉どおりの気持ちだった。
「良かったねって何?30日後って何?」
娘達に連絡して、ふかふかな雲の上を歩いているような感覚でロビーまで歩いた記憶がある。

こんなヤブ医者に様はない!
さっさと帰ってやろうじゃないか!

怒りの感情がでてきたのは少しは元気になった証拠だったのかもしれない。