私と同じ年のその女。
とても可愛らしく、学生時代からいつも真ん中にいる女。
一度の離婚を経験し、同級生と結婚。
数年前、自営業のご主人が不慮の事故で他界。
彼女は悲劇のヒロインになった。
ご主人が社長を努めていた事業。
『私はできない…』
貴方の好きなように…と義父母の気持ち。
彼女は私たちがどんなに一生懸命働いても一生手にすることはないであろう金銭を夫の死と引き換えに手に入れた。
1年も経たないうちに義父母と同居していた家を出、彼女と二人の子どもが住む土地を購入、家を新築。
同時にマンションを建て賃貸収入を得ることを生業とした。
そんななか、息子と同級生の娘さんが卵巣ガンに。
彼女はまた悲劇のヒロインに。
辛い治療に耐え、娘さんは元気に。
彼女は自分を着飾り、両手に抱えきれないほどのブランド物のショッピングをしに新幹線で出掛けたり、エステに通ったり、ゴルフをしたり…。
彼女の周りからはだんだん友達が去っていった。
何か寂しさを感じる。