夜更かしで紹介されてる『あだ名』なんて、まだまだ序の口。私はもっと可哀想な人を知っている。
彼の姉の名前はトモミ。
小学生の時にトモミのモミを取ってケツモミと少しの間、男の子に呼ばれていた。時を同じくして弟がスポーツ少年団に入った。彼は夏の合宿の準備で先輩の家に集まった。中心的存在の先輩が彼に名前を訪ねた。彼は持ち前の明るさで名前を答えたが、その時、お調子者の先輩が「こいつの姉ちゃんケツモミって言うさ。」じゃぁこいつは「チンモミだ!」と中心的存在の先輩が間髪いれずに命名…それ以来、彼のあだ名は「チンモミ」
彼は小学校3年から19歳まで「チンモミ」または「チンモ」と呼ばれ続けた。時が時ならイジメ、モラハラである。
ずっと嫌だった。後輩たちの前でも「チンモミ!」試合に行った他校のグランドでも遠くから「チンモミ!」好きな娘の前でも「チンモミ!」
救いだったのは女子がそのあだ名に誰も触れなかった事と高校に入った時は地元の先輩が「チンモ」と短くした事だった。これなら少しはマシ…
彼のあだ名がなぜこんなにも長く愛され親しまれたか。それは1つ上の怖い先輩が小、中、高、就職先まで同じだったからだ。
19歳の時、地元先輩との飲み会で思い切ってその先輩に「チンモ」撤回を求めた。飲み会の最後、蛍の光が流れる閉店間際のトイレで吐き続けてる彼に、そのコワモテの先輩が始めて名前を呼んでくれた。今でも忘れない。
チンモミの呪縛から解き放たれた瞬間だった。
それ以降、彼を「チンモミ」と呼ぶ者はいない。
私は救われた。
今思えば悪い事ばかりではなかった。そのあだ名であったが為に、ヤンキー高校サッカー部では怖い先輩達に誰よりも早く親しまれた。
「あだ名」
良くも悪くも本人の意思とは関わらず名付けられる愛称
まさしくその通り…
