会社帰りのターミナル駅の人並みを歩く。
男性も女性も、毅然として早足で歩いている。周囲の景観には、ほとんど目も向けない。まるで、鎧を着た勇者のように、逞しく歩いている。
何から身を守っているのだろう。何に警戒しているのだろう。何を急いでいるのだろう。何で余裕がないのだろう。
個人をいくら武装しても、属している家庭や社会の流れに飲み込まれているのに。
そして、属しているその家庭や社会は、さらに大きな社会に包囲されているのに。誰かが誰かを取り囲んで、コントロールしようとしているのに。まるで、ロシアの伝統人形のマトリョーシュカのように、次から次に、「その上の意」に囚われているのに。
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でも、だからこそ埋没しないように、個を磨くのだろう。
それが、個のプライドで、人間の尊厳だろう。
日本人は、とりわけその力が強いような気がする。日本列島の底から湧き出る豊かな「地熱」が、国民にエネルギーを与えているのかもしれない。そんな気がする。