こんにちは、Mです。
こちらを拝読し、非常に共感しました。
現役JWの精神疾患(疑い)率は非常に高いです。
そして、精神疾患を持つ方の組織依存も深い問題があると感じています。
絡み合うようにして、
共依存状態にすらあるJW組織と精神疾患を持つ信者の方々。
東中野大兄の皇子のブログ様の記事に
コメントもさせていただいたのですが、
改めて、現役JWの方の精神疾患と組織依存について
まとめて参りたいと思います。
精神疾患とJW
精神疾患を持つ方がJWに多い理由
JWに、精神疾患を持つ方や精神疾患が疑われる方が多くいらっしゃるのは
なぜでしょうか。
私がお会いしたことのあるJWの兄弟姉妹や
カウンセリングにいらしてくださった方々からお聴きしたお話の中の兄弟姉妹に疑われるのは、
主に次のような精神疾患です。
- うつ病
- 適応障害
- 不安障害
- 依存性パーソナリティ障害
- シゾイドパーソナリティ障害
- 強迫性パーソナリティ障害
- 自己愛性パーソナリティ障害
このうち、いくつかは宗教性の精神疾患とも言えると思います。
宗教性の精神疾患と患者固有の精神疾患
「宗教性の精神疾患」とは、
宗教の教義に従うことが精神疾患様の状態を引き起こし、
その状態が日常的に続く・・・という意味で使っています。
簡単に言えば
信者でいるうちは治らない、
信仰をやめれば治る種類の精神疾患ということです。
今回は、
宗教性の精神疾患ではなく
固有の精神疾患がある人と組織依存について、お話しします。
宗教性の精神疾患の場合は
宗教に依存することイコールその人の選択したその人の生き方なので
依存している状態が自然な状態です。
「宗教由来でない、固有の精神疾患を持つ人がJWには多い」
・・・たくさんのカウンセリング参加者さんから伺ってきました。
私の訪ねた会衆だけでなく、
日本のどの会衆でも精神疾患を持つ方がJWにいらっしゃる率は高いようです。
もともと精神疾患を持っている人や
精神疾患の疑いがあった人、
精神疾患になりやすい人が
JWに入信し、信仰し続ける理由は
主に「選民思想」と「世からの隔離」「世での挫折体験」の3点だと考えられます。
JWの「選民思想」
選民思想は、旧約聖書(ユダヤ教)の部分で強調されているといわれています。※1,2
「自分(たち)だけが選ばれた人間である」という考え方です。
この「選民思想」というのは
ある種の人たちには非常に魅力的に映ります。
選民思想が魅力的だと感じるのは次のような性質を持つ人です。
- 自信がない
- すぐに人と自分を比べてしまう
- 承認欲求(人から認められたい欲求)が強い
- 与えられているもので満足できない
- 自分の力だけでは現状を改善できないと感じている
すべて、劣等感や不全感ですね。
これらを満たすための方法は人それぞれです。
ただ、大抵の人はJWに入信はしません。
なぜ、選民思想に惹かれ入信してしまう人もいるのでしょうか。
精神疾患がありつつ熱心にJWの活動をしている方の、詳細な聞き取り調査は出来ていません。
ですから
まだ仮説段階ではありますが、
思うところを述べさせていただきます。
精神疾患のある人は
先ほどの5つの劣等感や不全感をなかなか拭い去れない状況にあります。
「自分は精神疾患がある」という事実がすでにデメリット感を抱かせますし
自信をつけようにも自信をつける可能性のある「何か」を見つけるのが難しいと感じてしまうでしょう。
「出来る」人と「出来ない」自分を常に比べてしまうでしょう。
それでも、あきらめたくない気持ちを持っている。
みんなから認められたくて、
その気持ちが強すぎて、周りがよく見えなくなって、
今あるものに満足したり感謝したりできなくなって、
とにかく何でもいいからなんとか今の最低の自分から逃れたいと思っている。
・・・別に、おかしいことではありません。
人間なら、そう感じてしまってもおかしくありません。
それでも、宗教に行かない人もいます。
『神を信じれば「選ばれた民」になれる』
・・・この教えに惹かれてしまうのは
現実世界で、周りに信じられる人がいないからだと思います。
周りに信じられる人がいないと
強い孤独感を抱きますし、
精神疾患があったり自信がなかったりすると
孤独感を癒すために活発に行動することも出来ないと思い込んでしまいます。
そんなとき。
周りに誰も助けてくれる人がいなくて、
絶望めいた気持ちでいたとき。
「決まりごとを守れば特別意識さえ与えてくれる」
そんな神と、神を信じる仲間達が現れた。。。
・・・心の隙間にぴったりくるのではないでしょうか。
劣等感や不全感に基づく深い孤独に対して、
選民思想は響きやすいのだと思います。
そして、
劣等感や不全感、深い孤独は
精神疾患とも密接に結びついています。
JWによる「世からの隔離」
精神疾患を持つ方、あるいは精神疾患の疑いのある方は
すごく真面目な人が多いです。
JWは、教理的に決まりごとが非常に多く、
生活面を縛りますよね。
精神疾患に罹りやすい人、すごく真面目な人は、
決まりごとをしっかり守ろうとする性格です。
ですが、決まりごとを守ろうとすることと
実際に決まりごとを守ることには隔たりがあります。
思想と行動の違いです。
・・・これ、よくJWの方もおっしゃいますね。
信仰は思うだけじゃダメ、実践を伴ってこそ本当の信仰、みたいな。
でも、すごく真面目で精神疾患にかかりやすい人にとっては
この、JWの「縛り」が
精神的な発症を招いてしまうほどの
強迫観念になってしまう可能性が高いのです。
性格的に「遊び」がないから
逃げ場がなくなって精神的に参ってしまう人もいるでしょう。
何事も自分で決められず、決まりごとがあるほうが生きるのがラク、
でも無意識的には自分で決めたいという気持ちを持っている矛盾が
精神的な症状を発生させることもあります。
また、
JWは世の中を「勧善懲罰」っぽい見方をします。
エホバの証人はパーフェクト、
世はサタン!
的な考え方です。
ある種の精神疾患を持つ方は、
「ゼロか百か思考」の持ち主でもあります。
完璧主義で、グレーゾーンは苦手。
はっきりした世界が好き。
敵か味方かがすぐわかる。
そんな思考を持つ人たちにも、
JWの勧善懲悪的世界観はハマりやすいです。
世での「挫折体験」
世での挫折体験も、かなり大きな入信理由・信仰継続理由になるでしょう。
挫折と言うほどの大きな出来事でなくても、
例えば
友だちが出来づらい、
仕事がうまくいかない、
家庭がうまくいっていない、
・・・些細な、でも毎日のようにぶちあたる問題・課題。
そんな「プチ挫折」の積み重ねが
大きな劣等感となることもあります。
精神疾患にかかりやすい方は、
このようなプチ挫折をすごく大きな問題として捉えがちです。
プチ挫折を大きな問題と感じてしまうと、
どんどんネガティブ思考になっていきます。
また、自己愛的にもなりやすいです。
そうすると、
「現実生活から離れられるものなら離れたい」という気持ちや
「周りのやつらは自分をわかってくれない」という気持ちを
生んでしまうことがあります。
そんな考え方を持つ人なら、
JWに染まりやすいですね。
自分を苦しめている「世」をサタン、悪いものと考える世界。
思い切って「世」ではない、JWの世界で暮らしたくなるとしてもおかしくありません。
信者のJW組織への依存
JW特有の「選民思想」の魅力に取りつかれ
「世との隔離」「挫折体験」によってJWの世界に入った
精神疾患にかかった/かかりやすい人たち。
JWの活動を続けるうちに
精神的な病気を発症してしまったり
その病気が治りづらくなったり
重くなってしまったりした信者の方は、
どんどん組織に依存していく傾向があります。
先ほど、精神疾患を持つ方、精神的な病気になりやすい方は
すごく真面目な性格だと申し上げました。
その性格が、
JWへの入信動機や信仰の継続のためのモチベーションになります。
精神疾患を持つ方、精神的な病気になりやすい方は
もうひとつ、特徴的な性質を持っています。
それは、「依存心が強い」という性質。
その性質が、組織依存のスパイラルへ導かせてしまうのです。
依存心の強さが招く組織崇拝
精神疾患のある人、精神疾患の疑いがある人は、
依存心が強いだけでなく
依存心の抱き方が少々歪んでいることが多いです。
特に、
依存性パーソナリティ障害や不安障害の方によく見られるのが
依存する対象の価値を高める傾向です。
それこそ、「神」と崇め奉ります。
依存的な妻が依存対象の夫を褒めまくったり、
「夫のすることに間違いなんてあるわけない、すばらしい人だ」と
思い込みたがったりするのもこのような心理が働いています。
JWの信者の方は
崇め奉る神はすでにいますが
神と自分の仲介役に組織があります。
心理的には、身近な存在のほうが依存しやすいので
組織に対して神と同様の地位を自分の中で与えてしまいます。
そんなすばらしい存在の組織は
間違いなんてするわけないし
組織の言うことはすべて正しい。
すばらしい組織から離れるなんて出来ない!したくない!と感じてしまうのです。
組織を批判する人に対しては
「すばらしい組織のことがわからないアナタ、かわいそう」と
哀れむことでしょう。
組織から離れさせようとする人に対しては
全力で拒絶するでしょう。
先述の「宗教性の精神疾患」を
さらに複雑にこじらせてしまったような感じになってしまいます。
精神疾患を持つ方にとって
依存対象は、なくてはならない存在なのです。
依存心の高まりが招く悪循環
不思議なもので、
依存心というのは依存対象がいるとどんどんどんどん高まっていきます。
常に依存対象を身近に感じていられないと不安で仕方なくなりますし
依存対象の言ったことはすべて聞き入れないと
依存対象に見捨てられる!と思い込みます。
不安にならないために、
見捨てられないために、
神と組織に依存し続けるのです。
精神疾患を持つ信者さんは
JWの組織に依存し続けないと生きられないレベルで生活しています。
「JW依存症」…組織にとっては都合が良い
そんなわけですから
JWの組織としては
理由はどうあれ組織に依存しまくってくれたほうが都合が良いでしょう。
精神疾患があり、依存心が病的なまでに高まってしまった人は
依存対象を機嫌よくさせておくことに全力で努めます。
疑いなく言うことを信じてくれて、
寄付を募ればすぐに行動してくれる。
組織にとっては
「ミツグ君」「尽くす女」のようなものです。
自分の言うとおりに動いてくれる依存的な人がそばにいると
自分もその人に対して依存的になります。
共依存状態です。
組織と、精神疾患のある方の関係では
見事に共依存状態が完成します。
まとめにかえて
~人の心と、宗教の存在理由~
宗教の存在理由とは何でしょう。
いろんな理由があると思います。
私は、「人の心を救うため」という理由がかなり大きいのではないかと思います。
気持ちの安定や慈悲深い心を持つために入信した宗教で、
信者の方々の願いとは逆の現象が起きてしまったら
とても悲しいことです。
宗教に入信したせいで、
気持ちが不安定になったり
慈悲深さとは逆の心を持ったり(人を傷つけたり自己中心的になったり)。
さらに、精神を患ったりもともと持っていた精神疾患が悪化してしまったり。
・・・そんなことになったら、
何のために信じたのか。
何のためにその宗教が存在するのか。
わからなくなってしまいますね。
昔はわかりませんが、
今のエホバの証人では
組織の存在理由を今一度確認してほしくなるほど、
信者の方々の精神疾患(疑い)率が高いように思います。
*
信者の方が「苦しい共依存」から少しでも抜け出せるように、
そのひとなりの、組織との適度な関係性を見出していけるように、
これからもお手伝いしていきたいと思います。
【参考サイト】
※2 選民としてのユダヤ人(ヘブライ聖書における選民性)(wikipedia)
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M@臨床心理士
project.m★zoho.com(★→@)
JWカウンセリング
学習コーチング
生き方コンサルティング
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