臨床心理士Mです。



今回は、

「JWに入信しやすい人とそうでない人」

について、

臨床心理学的に考えていきたいと思います。






新興宗教に入信しやすい人とは

宗教には、救いを求めて入る入信する人が多いです。


信者さんたちの背景にはさまざまな困難があります。


寂しさ、病い、貧困、孤独、家庭内不和・・・


それらの困難から、
逃れたいとか救われたいとか
思って入信する人が多いと思います。


特に、新興宗教は
「入信によるメリット」を宣伝します。


街角の黒い看板の
「信じる者は救われる」
ではないですけれども
(これは全く新興宗教ではないですが^^;)

何らかの「救われたい」という願望を持っている人が
その願望を「叶えられる」と信じて入信します。



ここで、注意しておきたいのが、
救われたいという願望の中には
「依存」という大きなテーマが隠れている・・・ということです。


依存心の強い人は、
現実世界で
誰にも頼れないから、
あるいは現状を何とか変えてくれる人がいないから、
宗教に頼る・・・という図式が出来上がりやすいです。



一方、
救済願望などの願いは
付加的なもので
自分自身や人間関係に自信を持つために
入信する人もいます。


また、日々の生活がつまらないので
刺激を求めて入信する人もいます。


こういった「救い」は二の次でも良いタイプの信者さんの入信理由は
現実世界に不満があるから・・・
というものだと思います。


さらに、
知人や友人に誘われて断りきれずに入信した、
という人もいるでしょう。




新興宗教に入信する理由をおおまかにまとめると・・・

■救われたいから
■頼れる何かがほしいから
■現状を何とかしてほしいから
■今の自分を変えたいから
■新しい人間関係を築きたいから
■今の自分を肯定したいから
■生活にハリがほしいから
■知人や友人に誘われたから

・・・このようになるかと思います。



次に、
「入信しやすさ」について、
エホバの証人に限って考えていきましょう。





「エホバの証人」の教理と「入信しやすさ」

JWは、比較的入信しやすい宗教団体だと思います。


なぜなら、
敷居が低いからです。


他の新興宗教と比べると、
信者との出会いから入信までの流れにおいて
「うわ、無理」と感じさせる要素が少ないです。



JWは、
高い壷を買わされることもなく
入会金的なお金をたかられることもなく
パッと見、きちんとした人が勧誘に来て
ただ、聖書を勉強するだけ。


健全な宗教、と感じられる人も少なくないと思います。



教理においても、

基本的には
「聖書に書いてあることを守りましょう」
というものです。


子ども時代には、
学校生活で苦痛を伴うことが多い教理ですが、

大人になってしまうと、
意外と受け容れやすい人もいると思います。
むしろ、JWの教理に共感する人もいるでしょう。



JWの教理に共感しやすい人とは?

JWの教理は、
「世の人」とのまじわりを禁ずるものが非常に多いです。

嘘をついてはいけない、
誕生日を祝ってはいけない、
バカ騒ぎしてはいけない・・・


一般的な観点からも、
嘘や乱痴気騒ぎはいかがなものかと思いますが、
クリスマスや誕生日のお祝いや
冠婚葬祭をしないとなると
人付き合い・親戚づきあいがうまくいかなくなることもあります。


ですから、
そもそも人付き合いや親戚づきあいが苦手な人は
JWの教理に共感しやすい面があるでしょう。

共感しやすいというか、
もっとハッキリ言ってしまうと、

JWの教理を受け容れたほうが、自分の生き方に都合が良い

・・・ということになるでしょう。


しかも、
JWの教理は、
クリスマスや誕生日のお祝い、冠婚葬祭といった
「世の人の習慣的行為や人間関係」を見下し、否定しています。


自分の苦手とする習慣的行為や人間関係をしないで済むことに加え、
「神様がそう望んでいるから」という素晴らしい言い訳も使うことが出来、
さらに、
他の大多数の人が苦労し頑張ろうとしている習慣的行為や人間関係を
見下すことや否定することすら出来る。


・・・そんな生き方を可能にするJWの教理は、
プライドが高くて傷つくのが怖いタイプの人には
非常に魅力的な教理だと思います。



ちなみに、
先ほど
「JWの教理は・・・『世の人の習慣的行為や人間関係』を見下し、否定しています。」
・・・と、あえて言い切らせていただきましたが、
そんなことはない、と思うJWの方もいらっしゃるでしょう。

でも「世はサタンに惑わされている」とか
「世のものとまじわらないようにしよう」という教理を信じている限り、
世の人の習慣的行為や人間関係』を見下し、否定していることに変わりないと思います。

「世」と関わりたくないなら関わりたくないで構わないんです。
ただ、「『世』は悪い。自分たちのほうが正しい」という信念は
そりゃあちょっと違うだろう!何様だ! という疑念と憤りを感じずにはいられません。



・・・失礼しました。閑話休題。
続いて、JWの会衆という観点から
入信しやすさについて考えていきたいと思います。





「エホバの証人」の会衆と「入信しやすさ」

入信して、信者としての生き方を続けるためには
同じ信者との交流がとても重要になってきます。


どれだけ魅力的な教理の宗教だとしても
信者の性格や対応があまりにひどいものだったら
信仰を続け交流していくのは困難になりますよね。


エホバの証人の会衆の方たちは、
基本的には、
「エホバに喜ばれる生き方をしよう」と努力しておられるので
性格や性質が「善い」人の集まりになっているとは思います。


ただ、どの社会でも同じですが
いろんな性格・性質の人がいます。


例えば・・・

おごり高ぶりを、神は喜ばないはずなのに、
人の成長を喜ばず自分だけが中心でいたい人、

精神疾患を抱えているのかもしれないが、
仲間にいやがらせや意地悪をしてしまう人、

小さなコミュニティの中で生きてきたために
ちょっとしたアクシデントやトラブルに非常に弱い人、


・・・あなたの仲間の会衆にもいらっしゃることでしょう。


このような人たちと
信仰をともにして生きていくのは
正直、なかなか骨が折れます。



ただし、
善い会衆に恵まれれば
仲間との集まりは居心地よさを大きく感じるでしょう。


一度、
「この場所だけが、自分を受け容れてくれる」
と感じてしまうと
その快感を忘れられず
その場所・環境から抜け出しづらくなるものです。


特に、
自分に自信のない人や
人間関係でよい思いをすることが少なかった人は
JWの会衆に居心地よさを感じてしまうと
なかなか抜けることが出来ない傾向があるように思います。





エホバの証人に入信しやすい人の特徴


ここまで考えてきた内容から、
「エホバの証人に入信しやすい人の特徴」を
リスト化してみたいと思います。



エホバの証人に入信しやすい人の特徴

■現状に不満を抱いている
■現実世界に居場所のなさを感じている
■誰にも受け容れてもらえないと感じている
■人間関係を築くのが苦手である
■親戚づきあいが苦手である
■人間関係がうまくいかないと思っている
■自分に自信がない
■自分に都合の良いものに飛びつくクセがある
■プライドが高い
■傷つきやすく、傷つくことを恐れる



いかがでしょうか。
ご自分に、
JWの知り合いに、
当てはまるものはありますか。

次に、お読みいただいている皆さんへ、
僭越ながら、
皆さんの立場別にメッセージをお送りします。





入信しようかどうしようか、迷っている方へ

リストの項目に当てはまるものが多ければ多いほど、
入信しやすいと思います。

ですが、入信するしないはあなた自身が決められることです。
「信教の自由」で保護されています。

ただし、
現実逃避が目的で入信してしまうと
あなたの精神的成長がストップしてしまう恐れもあります。

そこだけ、後悔しないかどうか
考えてみる価値はあると思います。

応援しています^^





JWをやめようかどうしようか迷っている方へ


がんばってこられましたね、

JW1世の方は、
きっとさまざまな悩みや困難を抱えてJWに入ったものの
JWの教理や人間関係に疑問を感じて
新たな迷いが生じたことと思います。

疑問や迷いを持つことは決して悪いことではないと思います。
自分の人生を決めるのは自分です。
ゆっくり考えてください。


JW2世の方でここを見てくださっている方は、
きっと疑問や迷いのオンパレードの人生だったことでしょう。

この記事をご覧になって、
「入信しやすいも何も、物心つく前からJW三昧にさせられてたよ!」
とお思いのことと思います。

焦る必要はありません。
ゆっくり、疑問と迷いと向き合って解消していってください。


JWをやめて、JWでいうところの「世」で生きるのは
宗教的な「暗黙の保護」が消えている分、
生きづらさを感じるかもしれません。

けれども、
自分で考えて自分で行動を選択する自由に満ちています。
責任を伴う自由は、
あなたを強くし、成長させてくれます。

おそらくJWをやめたほうが、
「ひとりの人間である」という事実を、実感できることでしょう。

「人間としての自分」を感じてから、
新たに信仰について考えてみても遅くはないのではないでしょうか。

応援しています^^





現役JWの皆さんへ

・・・リストの項目に当てはまるものがあっても、いいんです。
これらの項目、全部に当てはまってもいいんです。
そして、JWとして生き方を続けてもいいんです。


ただ、
もしあなたの信仰を心配している人がいるとしたら、
もしあなたが自分の生き方を「本当にこれでいいのか」と思っているなら、
もし教理に疑問があるのに不満にフタをしているとしたら、
もし信者同士の付き合いにつらい思いをしているとしたら、


今一度、
生き方について考えてみませんか。

自分を騙しながら生きることは
きっとあなたの信じる神も喜ばないのではないでしょうか。

応援しています^^



***



以上、「エホバの証人に入信しやすい人」について
考えてまいりました。

ご覧いただきありがとうございました。


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