臨床心理士Mです。



JWを臨床心理学・精神医学の側面からいっしょに考えていきましょう。



今回は


「JWは、カルト宗教か否か?」


をテーマにしていきます。





カルト宗教とは

「カルト的な宗教」ときいて、
どんな宗教を思い浮かべますか?


徐々に洗脳していく・・・
はまったら抜け出せない・・・
狂信的な宗教・・・


「カルト」とは、
もとは「崇拝」「礼賛」を意味する言葉から派生した
宗教団体の一類型を指すための用語でしたが
現在では「反社会的な悪しき集団」といった意味で使われているようです。※1



JWは、
「反社会的な悪しき宗教集団」でしょうか?



結論から言えば、


「カルト的な面がある」 と、言えると思います。



皆さんはどう思いますか。



JWのカルト性について、
具体的に考えていきましょう。





カルトの定義

JWがカルト宗教なのかどうかを語る前に、
カルトの「定義」をしっかり調べていきましょう。


どんな点から
カルトかそうでないか見ていくのかを
はっきりさせてから始めましょう。



「カルト」「定義」で検索すると、
辞書では

宗教的崇拝。転じて、ある集団が示す熱烈な支持。

という意味があります。 ※1



宗教でいう「カルト」となると、
一般的には、
より社会的に害があって熱狂的な信者がいる・・・
というイメージですよね。


wikipediaでは、
ヨーロッパでは「セクト」という用語がカルトと同義で扱われることがあり、
「反セクト法」という法律もあるそうです。※2


そして、
「セクト」の項目では次のような記述があります。※3


セクトに反対する運動団体が、セクト指定の新たな判断基準を定め、
一定の成果を収めている。



ある宗教団体が「セクト」≒「カルト」に当てはまるかを判断する
基準項目は次のとおりです。


■信徒(会員)の精神的操作
■カリスマ性を持つグル・教祖・指導者や、その側近への権力集中
■ピラミッド型組織
■財産の接収
■唯一排他的な教義


これらの判断基準をかかげている反セクト団体は、
wikipediaの「セクト」のページで具体的に確認できます。


今回の本ブログの記事でも、
この基準項目にそって
エホバの証人(JW)のカルト性(セクト性)を見ていこうと思います。





カルト(セクト)の定義からJWを見る


■信徒(会員)の精神的操作

精神的操作をどう定義するかにもよりますが、
禁止事項がある(武道、国歌斉唱、冠婚葬祭、輸血など)のは
精神的操作にカウントされると思います。

楽園などのマイナーな教義についても
信じ込ませるという意味では精神的操作に入るのかもしれません。

また、
統治体への絶対視なども精神的操作に当たるかもしれませんね。



■カリスマ性を持つグル・教祖・指導者や、その側近への権力集中

ほかの新興宗教と違い、
JWはあまり指導者が前面に出てきていないようにも思いますが、
だからといって
権力集中がないのか?の問いにNOだというわけでもないと思います。

「統治体」が崇められている、ありがたく思われているという傾向は
あると思いますので
精神的・物理的(金銭的)な権力集中に
つながっている部分があるかもしれません。

この項目については、
もっと多くの情報を集めていきたいと思っています。



■ピラミッド型組織

「統治体」「長老」「奉仕の僕」といった地位がありますね。
階級的になっているようなので、
ピラミッド型組織と言えると思います。

内部にいる人は、
そんなふうに名前はついているけれども
けっして階級的ではないとおっしゃるかもしれませんが
カルトかどうか決めるのは
内部の人ではなく
外部の客観性を持った人であるべきだと思います。

客観的に見れば、
「統治体」「長老」「僕」などは
地位であり、階級だと感じられます。



■財産の接収

この項目も、
どこまでを財産の接収と捉えるかによりますね。

無茶な勧誘や販売はなさそうですが・・・


JWの出版物には
『来て,わたしの追随者になりなさい』というものがありますが
1章「わたしの追随者になりなさい― イエスはどんな意味で言われたか
財産についてのエピソードがありました。


イエスに誘われたのに全財産をなげうたなかった青年について
「心の問題」
「資産への愛着があまりにも強かった」
「そうしたものへの愛がキリストへの愛をはるかに上回っていた」
「欠けていたことは,イエスとエホバに対する心のこもった自己犠牲的な愛」
といった記述があります。

もちろん、前置きとして
「神に仕えるには無一文でなければならない,ということですか。そうではありません」
と書いてはあるものの、

この出版物の内容が無意識に強く残っていて、
「神に仕えるものとして自己犠牲的でなければならない」と思えば、
組織から「寄付が必要だ」と知らされたら
「寄付をしなければ!」と思って行動するかもしれません。

それは、「財産の接収」になるかならないか・・・
考えていきたいところです。



■唯一排他的な教義

おそらく、JWを信奉している人は
攻撃的でなく穏やかな組織だと思っておられるでしょうから
「唯一排他なんてとんでもない」と感じるかもしれません。

けれども、
エホバの証人の根源となる教義は
「エホバの証人にならなければハルマゲドンで滅ぼされる」
というものではなかったでしょうか。

残念ながら、それだけでも唯一排他的だといえると思います。


唯一排他的な部分に関しては、
このブログの【JWへの個人的な疑問】シリーズでも書きましたので
よろしければご覧くださいませ。

エホバの証人の「奉仕」を断ってしまったら・・・?
JWに批判的な情報を見ないことは「つまびらかにたずねる」に反するのでは?






日本政府のカルトへの取り組みに一言
 ~まとめにかえて~


今回の記事を書くにあたり、
日本の政府による「カルト」の定義があれば
そちらを参考にしたかったのですが
具体的な項目等はないようでした。


結構驚きました。


なんだかのんきな話ですよね、
過去には某地下鉄事件もあったりしたのに。


カルト宗教を取り締まる・・・まではいかなくても
国から何か具体的なアナウンスをすることで
カルト宗教の被害に遭う人を減らせるとも思います。


もちろん、これはJWについて言っているのではありません。
そして、どの宗教団体に向けて言っているのでもありません。


今、日本では
犯罪的な行為をしている宗教集団はない(と思う)からです。


詐欺まがいな方法でお金をぼったくる、
暴力的な虐待行為がある、
などなど。


公的機関というのは
犯罪にならないと
なかなか腰を上げてくれない面があります。


でも、犯罪が起こってからでは、遅い。


だからこそ、
犯罪未満でも、
当事者とその周りの人に迷惑をかけるような宗教団体は、
カルト認定されても良いのでは、と思うのです。


現状、
犯罪的な行為にかかわらない限り、
その宗教団体が
「カルトか否か」≒「生活に害をなすものか否か」、
そこを判断するのは
当事者とその家族にしか出来ないことのように思います。


当事者と家族にとってわかりやすく助けになるような、
カルト宗教・カルト団体の判断基準を
日本政府が出してくれるといいなあと思いました。




【引用・参考サイト】
※1
「カルト」goo辞書(国語)
※2
「カルト」(wikipedia)
※3
「セクト」(wikipedia)

【JWとカルトについて考察しているサイト】
エホバの証人は破壊的カルト集団と呼ぶにふさわしい団体でしょうか?


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