臨床心理士Mです。
【JWへの疑問】シリーズ、
まずは、私が最も強く感じた疑問を書いていきたいと思います。
それは、
「JWの『奉仕』を断ってしまったら、
楽園には行けない」
ということです。
研究生のときも、
本気で楽園(というかJWの組織の教え)を信じていたわけではないけれど、
正直すごくショックでした。
いろんな意味で、衝撃を受けました。
*
「奉仕を断ったら楽園に行けない」
・・・そのことをハッキリ知ったのは、
かなり勉強を進めてからのことでした。
JWの方と、楽園のことを話しているときでした。
以下、
そのときのJWの方とのやりとりを
思い出して書いてみます。
*
私「ハルマゲドンのとき、エホバを信じていなかったらダメなんですか」
JW「はい・・・楽園へは行けませんね」
私「そうなんだ・・・今の私のように、勉強中でも?」
JW「今、Mさんが死んじゃえば、ダメです」
私「え?!」
(このときすでに「なんでそんなことサラッと言えちゃうの?」と怖くなっていました)
JW「聖書に触れる機会がまったくなかった人には
ハルマゲドン後の千年の間に
学ぶ機会が与えられるんですけど、
一度でも聖書に触れてそれで拒否してしまった人は、
千年の機会は与えられないんです」
私「じゃあ、私の夫もダメですね?」
・・・私の夫は以前、JWの人と聖書の勉強をしていたのです。
JW「聖書をまた学び始めれば、大丈夫ですよ^^」
私「うーん、そうですか・・・」
・・・私の夫は、
「只で聖書を学べるのなら勉強したい」という微妙な動機で
学んでいました^^;
まあ、私も同じようなものですが^^;;
そして、夫は「もうエホバはいいやー」と言っています(滝汗)
JW「でも、まだわかりませんよね?
また学ぼうとするかも・・・」
私「・・・でももう一度学ばなければ楽園へは行けないし、
もし私が今後バプテスマを受けて
エホバのおめがねにかなって楽園へ行ったとしても、
夫がバプテスマを受けていなければ
楽園で夫といっしょには居られないわけですね」
JW「そうですね・・・」
私「うーん、だとすると私にとっては楽園は意味ないです。
夫もいないし、
両親も親戚もみんないない世界で
ひとりで永遠に過ごすなんてつらすぎます」
・・・このとき、私はすごくむなしくなっていました。
身内はゼロ、たったひとりでの楽園。
もちろん、聖書を学ぶのは楽園だけが動機ではありませんでしたが、
このときは非常に自己中心的になっていて
何のために、神や聖書にありがたみを感じていたんだろう、
ばかばかしい・・・とまで思っていました。
JW「でも、楽園ではエホバによって『完全』にしてもらえるので
つらさは感じないはずですよ」
そういわれて、私は次のように思いました。
夫も家族もいなくて、つらさを感じなくなるのって
それってそもそも人間としてどうなの?
というかそんなふうに『この世』でのありがたかったことを
まるっきり忘れて楽園でぬくぬく過ごすなんて
『完全』であるとは思えないし
そんなふうになることを神が喜ぶはずない・・・
・・・強い強い拒否感のようなものが浮かんできましたが、
どうも確信が持てなかったので黙っていました。
今思うと少々、洗脳状態にあったのかもしれません。
私「今、勉強中でもダメなんですね・・・
私、結構がんばって聖書学んでると思うんですけど、
神はスルーされちゃうんでしょうか。
それに、失礼ながら
エホバの証人の方の中には
あまり尊敬できない人もいます。
そして、エホバの証人でなくても
素晴らしい人格で尊敬できる人もいます。
前者には、楽園で永遠に生きる可能性があって
後者にはない・・・っていうのは
なんだかおかしいような気もします」
JW「わかります。
私も、今の会衆の中には
『普通の人間関係だったら絶対友だちになってないだろうな』
って人もいますから(笑)」
私は心の中で思いました。
さらに、楽園への魅力が減ってしまった・・・
あの、会衆の人たちだけがいる世界。
いくら完全になったからって、
あの人たちと毎日、永遠に生きるのは
私にとってはあまり魅力のない世界。
さらに、思いました。
JWの方も、
なぜ「普通なら友だちになんてなってない人たち」と永遠に過ごす楽園に
魅力を感じられるのだろうか。
そんなふうに思っていると、
JWさんが言いました。
JW「Mさんの尊敬しているエホバの証人でない人が、
一度も、奉仕にあってなければ大丈夫なんですけどね・・・」
私「どういうこと?」
JW「一度でも奉仕を断っちゃうと、
もうダメなんですよ」
私「え?!
エホバの証人の方が家に来てくれて、
忙しくてごめんなさい・・・ってしちゃっただけでも、
もう断ったことになっちゃうんですか?」
・・・このことは初めて知りました。
JW「はい・・・」
私「そうすると、
その人はもう楽園の可能性はない・・・」
JW「はい・・・」
私「でもその人は、
ただ忙しかっただけかもしれませんよね、
もしかしたら、
せっかく来てくれたのに申し訳ないな、 って
思ってるかもしれないのに、ですよね。
一度訪問を断ったせいで、
自分が楽園に行けなくなる、なんて知らないわけですよね」
JW「はい・・・」
もし自分が奉仕活動をしていたら、
自分の訪問のせいでその家の人が楽園に行けない可能性があるのなら、
奉仕活動なんておそろしくて出来ないと感じるに違いない。
そんな、自分の行動ひとつで
見ず知らずの人の今後が決まってしまうという思想を
なぜ『善いもの』なんて思えるのだろうか。
・・・私は驚きと怒りと悲しみと、
いろんな感情に包まれてしまい
黙りこくってしまいました。
すると、JWの方が言いました。
JW「Mさんはすごく真剣に考えてらっしゃるんですね^^
私ももっと真剣にエホバに祈らないといけないなぁと思いました^^」
いや、当たり前でしょう・・・
貴女が、麻痺してしまっているだけなのでは・・・
ていうか、そういうまとめ方になっちゃうんですか・・・
そう思いましたが、
このJWの方はとても優しく親切でしたから、
そのとき私が思ったことを率直に言うのを
躊躇してしまいました。
このことがあってから、JWについて
「冊子を使って聖書を学ぶのは危険なのでは?」
「やはり、『組織』を信仰しているだけなのでは?」
と思いました。
上記の一連の会話は
衝撃的でしたし、
負の感情が大きく喚起されましたが
このブログを立ち上げる最も大きな動機になりました。
今、JWの中にいる人だけでなく
JWから抜けようとしている人、
JWから抜けて自由になった人とも
交流するきっかけになったと思えば
このときの負の感情も
昇華できるというものです。
ちなみに、
このやりとりの後に
帰宅してから
夫に話しました。
※夫は、「聖書の勉強は自由にすれば良い」というスタンスで、
聖書そのものに対しては良いイメージを持っています。
けれどもJWと一緒に学ぶ機会はもうないと言い切っています。
私「おかしいと思う。
奉仕を断ったらその人は楽園に行けないとか。ありえない。
もしも私なら
土下座して謝りながらの奉仕になると思う。
『すみません!あなたが断ったら楽園に行けないんです!』みたいな。
そしたら通報されるかもだし
そもそも『楽園に行きたいと思いませんか』ってうたい文句で
いろんな人の家に行くのに、
断られたら『失礼しました』だけなのってありえない。
『このままだとあなたもう楽園に行けませんよ』って
ちゃんと言うべきなんじゃないの?」
・・・私は憤りまくりました。
正直、情けなかったです。
いくらJWの人が親切で優しい人だからといって
直接言ったことはオブラートどころか分厚い羽毛布団にくるんだレベルで。
結局、家で愚痴こぼしてるだけかと。
そう思いながらも、
ついつい愚痴りまくってしまいました。
言い訳になりますが、
なんだかそれほどまでに、悲しかったのです。
そして、夫にどう受け取られるかわからず不安もありましたが
一番の疑問を聴いてもらうことにしました。
私「エホバの証人じゃなくても
清く正しく、人として立派に生きている人はたくさんいる。
私も、それなりにしっかり生きてるほうだと思うし、
あなたもそうだと思う。
でも、神は
『バプテスマ受けてないよね、はい消えたー』
って、ばっさり切り捨てちゃうのかな?
人の特質を、その人自身も知らない特質すらも
わかっているはずの神なのに・・・
それでも、神なのかな?」
・・・すると、夫は言いました。
夫「うーん、
神様だから、
そのあたりはちゃんと考えててくれてるんじゃない?
人間の解釈だけで
決まるもんじゃないと思うけどな」
それを聴いて、
目からうろこが落ちました。
心の澱が一気になくなっていくのを感じました。
JWの人が語る「神」よりも
「世の人」である夫の語る「神」のほうが
こんなにもしっくり来ました。
そして、
「そうだよ、神様ってそういう存在だよね」
とものすごく納得しました。
さらに、
洗脳状態のようになっていた自分にも気づきました。
知らない間に、
JWの「組織的な教え」がしみついてしまっていたようでした。
ある特定の考え方に頻繁に触れていると、
どうしても習慣的に
その考え方に基づいて
感じ、考え、行動するようになってきてしまうものなのだ・・・
と、実感しました。
今だから言えることですが、
心理に携わる者としては
ラッキーな体験だったと思います。
危険は伴いましたが
「洗脳」って本当にあるんだなと感じました。
ニュートラルな立場で聖書や神について考えられる私へと
戻ってくることができて良かったです^^;
JWに頼らず、神様の存在について
個人的に、かつ心理学的に
調べていこう、と強く思ったのも、このときでした。
同時に、
JWについても
適度な距離をとりつつ
もっと知っていこうと思いました。
そして、もしブログで伝えられることがあるなら
伝えるようにしていってみよう、と思いましたし
JWのことで悩んでいる人がいるなら、
その人に届くように発信していきたい、
と思いました。
*
お読みいただきありがとうございました。
今回の記事は
JWに関する個人的な疑問になりますので、
主観的な部分や
用語などで間違っている部分、
会話上の齟齬で誤解してしまった部分などが
あるかもしれません。
もしお気づきの点があったときには
恐れ入りますがご一報いただければ幸いです。
すぐに訂正致します。
また、記事を書きながら
当時のネガティブな感情を思い出してしまい
勢いづいて書いてしまった部分もあるので^^;
お見苦しい部分があるかもしれません、重ねて申し訳ありません。。
ご感想等、どうぞご自由にお寄せください。
メールやメッセージで連絡いただければ光栄です。
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