チェリストの藤原真理さん | 松本ヴァイオリン工房のブログ

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東北の岩手-盛岡にある弦楽器専門の工房。バイオリン・ビオラ・チェロの販売、製作、修理、調整を承ります。コントラバスの修理も。秋田や青森、仙台の方もどうぞ!

「藤原と申しますが、チェロの調整をお願いしたいのでお伺いしてもよろしいですか・・・。との電話。
いらしたのは藤原真理さんでした。


2日後に花巻で賢治が愛用していたチェロを使用してのコンサートがあるとのこと。

普段は記念館のガラスケースの中に大切におさめられているチェロ。一晩かけなんとか、弾ける状態にできました。

翌日いらした時 「写真撮ってもいいですか?」とお伺いしたら 「あ、どうぞ、どうぞ。」といいながら賢治の「星めぐりのうた」を弾いているところ。

宮沢賢治のチェロにかくれたエピソード

f字孔からのぞくとラベルに筆で書いたらしい、K.M」のイニシャルがありました。もし賢治自身が書いたのであれば、想像すると興味深いものがあります。 

 (ご本人が書いた物らしいということが分かっているようです。)

f字孔の細いすき間から筆をさしこんで文字を書くということ、不可能なことでは ありませんがかなり神経は使う作業になると思います。

しかし、あの宮沢賢治さんの風貌から、こどものように 自分の愛器に イニシャルを入れようとしている姿は、容易に想像できます。