「藤原と申しますが、チェロの調整をお願いしたいのでお伺いしてもよろしいですか・・・。との電話。
いらしたのは藤原真理さんでした。
2日後に花巻で賢治が愛用していたチェロを使用してのコンサートがあるとのこと。
普段は記念館のガラスケースの中に大切におさめられているチェロ。一晩かけなんとか、弾ける状態にできました。
翌日いらした時 「写真撮ってもいいですか?」とお伺いしたら 「あ、どうぞ、どうぞ。」といいながら賢治の「星めぐりのうた」を弾いているところ。
宮沢賢治のチェロにかくれたエピソード
f字孔からのぞくとラベルに筆で書いたらしい、「K.M」のイニシャルがありました。もし賢治自身が書いたのであれば、想像すると興味深いものがあります。
(ご本人が書いた物らしいということが分かっているようです。)
f字孔の細いすき間から筆をさしこんで文字を書くということ、不可能なことでは ありませんがかなり神経は使う作業になると思います。
しかし、あの宮沢賢治さんの風貌から、こどものように 自分の愛器に イニシャルを入れようとしている姿は、容易に想像できます。