寺神戸さんのバロックヴァイオリンは、すでにモダン仕様に変えられていたものを、逆にもう一度バロック仕様に戻すという過程を経た楽器なのだそうです。
そんなお話を伺ううちに、楽器の修理、仕様の変更についても改めていろいろ考えさせれました。「つい最近、元ニューヨークフィルのコンサートマスターが使っていたという200年以上も前のヴァイオリンの修復作業を終えたばかりでした。」ということを書いておりましたが、その時の「修理の証拠写真」を数枚撮ってあったことを思い出しました。普通はあまり見られない作業なのでこの機会に少しだけ載せます。
A線、D線用のペグ穴がひび割れしていたので穴埋め・補強パッチの修理を施したところ。
(G、Eのペグ穴は、穴埋め処理のみ)
この作業のあとに、新規に穴をあけて、peg(糸巻き)をとりつけます。
下の写真:
魂柱付近が大きく割れていたので「ポストパッチ」という修理を施すために割れ付近を彫りこんでいくとなんとその奥に「虫い」を発見したところ。これはやっかいな修理です。