いやはや仕事に忙殺された3月4月でした。と言いつつ、まだまだ忙しさは続いていますが・・・。なかなかブログが更新できず、すみません。

 

そして、久々の更新が、こんな業界に石を投げるような内容の記事というのが、なんとも・・・。

 

ほんとは4月になるくらいで、日焼け止めの話やニキビの話や気候変動に関する話やらあれやこれやを書き連ねる予定が、何にもできないうちに、来週はゴールデンウィークということで、慌てて書いているのが日焼け止め。

 

何故なら、ゴールデンウィークというのは日焼けトラブルが最も多い時期だったりするからです。

 

以前にもちょっと書いたと思いますが、紫外線が最も強くなるのは「夏至」、つまり6月の終わり頃。ところが、この時期は日本は梅雨にあたるので、日照時間は少なめです。逆に、梅雨の晴れ間は気をつけないといけないのですが、7月に入ってたりすると、さすがに「夏だから」という理由で気をつける人が増えてきます。

 

しかし、夏至をピークに紫外線量が増えるということは、そこを境に考えると、5月の上旬は8月中旬並みの紫外線量だということ。暑さがないので、気にしない人が多いのですが、実際にはお天気がいい日が多いので、紫外線はかなり降り注ぎ、しかも、急に紫外線が増えるので肌が慣れていないという事情も加味されます。

 

うっかり日焼けしてしまった、程度ならまだなんとかなるのですが(この辺の緊急対応も、以前に書いた気がします。まだ書いてなかったら近いうちに)、紫外線により肌が炎症を起こしてしまったり、光アレルギー的なものになってしまったりという人が多いのがゴールデンウィーク。敏感肌用の化粧品を作っていた頃は、毎年相談電話を受けていました。

 

この時期に使う日焼け止めの注意点としては、まだ本格的ではないから、と軽めの日焼け止めを選びがちなのですが、その使い方で、ちゃんと日焼け止め効果が出ているのか、心配という点。前述の通り、5月の紫外線は、侮れない強度なので、それなりにしっかりガードしたいものですが、最近の日焼け止めは利便性や感触を上げるために、薄付きしてしまうものが多く、表示されているSPF値と実使用時のSPFの間に乖離があるものが増えているのです。

 

以前の日焼け止めは、日焼け止めの成分を大量に入れるために、伸びが悪く、白っぽくなりやすかったり、重い感触だったりというものばかりでした。伸びが重いクリームは、使いにくいという難点はありますが、実際に日焼けど防ぐという意味では、有用だったと言えるかもしれません。

 

SPFは日焼け止め効果を示す数値で、その測定方法は明確に規定されています。ですので、その数値そのものはかなり信用性が高いのですが、問題はその使用量。測定で使用される日焼け止め剤は、実際に使用するものよりかなり多く、厚塗りなのです。一方で、最近の日焼け止めは、非常に薄く伸ばすことができ、快適に使用できる反面、表示されているSPF値を実現されるほど塗られていません。

 

さて、ここからがピリッと辛い、今回の本題であり、こんなことを書いちゃう化粧品関係者は、まずほとんどいないと思いますが、それをやらかすのがこのブログということで。

 

「普通に」使った場合、SPFを実測した時の使用量に比べて、実際に肌の上で、日焼け止め効果はどのくらい出ているかという話を、研究のベテラン勢と話した時、こんな感じの数字が出てきていました。

 

・のびの重いクリームタイプ:75~50%くらい

・のびの良いクリームタイプ・重めのジェルタイプ:半分くらい

・軽いジェルタイプ・ローションタイプ:半分から30%程度。

・スプレータイプ:20~10%程度

 

この辺の話は、座談会的なものでは話題になるのですが、論文として公開書面化されたものは少ないと思います(ゼロではなかったはず・・・)

 

製品の種類や使用する人の使用方法にもよるので、多分個人差は大きいと思いますが、とにかく言いたいのは

 

最近広がりつつあるスプレータイプの日焼け止めは、気休め程度と思うべし

 

ということ。

 

そもそもスプレータイプは、日焼け止め剤を空中にばら撒いてしまうので、規定量を肌に塗布することはできません。よほどしっかり、集中してつけるくらいじゃないと、ほとんど効果はないと思ってください。

 

最近は、スプレー式もいろいろな製品が出ていて、以前は頭ごなしに否定していた資生堂も遂に出すようになってきています(そういえば、ノンシリコンシャンプーの時も、結構な勢いで否定キャンペーンしていた側だったのに、何事もなかったようにツバキを出してきましたねえ・・・)。

 

スプレー式の中では、比較的信用性が高いと言われるアネッサ

 

何もつけないよりは良いと思いますが、これだけで日焼けを防げるとは思わないほうがいいかなと思います。ただ、リタッチ用としては非常に便利だと思うので、他の日焼け止め製品との組み合わせが良いのかなと。

 

これから本格的に紫外線が厳しくなる時期に入ります。暑くないから、とりあえずこれで、とジェルやスプレーのタイプをさらっと纏っただけで出かける人が多いかと思いますが、それは大変危険です。本気で日焼け対策を考えるなら、日焼け止めの塗り方から注意して、しっかり対策されることをお勧めします。

 

ちなみに私には海外のリゾートで、どこのブランドとはいえませんがかなり大手のスプレー式の日焼け止めを、4日ほどで大缶を1本使い切る勢いで使って、こんがりいい色に焼けて帰ってきたという経験があります。さすがに顔とか手とか、見える部分は別のクリームタイプでしっかりガードしていたので、ほとんど焼けませんでしたが、体はびっくりするほど綺麗に焼けていました。炎症にならなかったので、ちょうど良かったともいえますが、こんな使い方(なにせ、肌から液が垂れるほどスプレーしていた)しても、これか、とショックを受けた記憶があります。SPF50+/PA++++の最高クラスだったのですが・・・

 

皆さんも、どうぞ気をつけて。楽しいゴールデンウィークをお過ごしになられますように。

花王の一押し。擦れに強いという、一昨年アリーで打ち出してきたコンセプトを、ビオレラインに突っ込んできたあたりに、さすがマーケティングの花王さんと思います。まあ、その分、アリーの変化がパッとしないけど・・・

 

個人的にもっとも気になっているのがコーセーのスポーツビューティーのスーパーハード。とにかく「落ちにくさ」を掲げている、最近めっきり少なくなったタイプ。数年前に復活した時は、業界内の評判はイマイチだったのですが、今年はCMにもかなり力が入っているし、どう改良されたか興味津々。と言いつつ、流通が追いついていないようで、ドラッグストアであんまり見かけないので、まだ試せていないという。多分、近いうちに楽天かアマゾンで買うと思います。その時は、感想含めて分析記事書きます。