日曜日、7月に世界文化遺産登録された国立西洋美術館へ。
ル・コルビュジエの建築作品として17作まとめての登録。
(東アジアではコチラが唯一)
石を敷きつめた建物↑の他…
庭の彫刻もやはり撮りたくなる。
カレーの市民(オーギュスト・ロダン)
考える人(オーギュスト・ロダン)
弓をひくヘラクレス(プルーデル,エミール-アントワーヌ)
地獄の門(オーギュスト・ロダン)
そもそも「考える人」は「地獄の門」の一部分。
門の両脇にも…
アダム(オーギュスト・ロダン)
エヴァ(オーギュスト・ロダン)
松方コレクションとは、明治・大正時代に財を成した松方幸次郎氏が収集したもの。
日本の若い画家に本物の西洋美術を見せたいとの想いから。
(詳しくはサイトへ)
(作品詳細はコチラで検索できます)
そして今回の目的は…
企画展「クラーナハ展 500年後の誘惑」 (2017年1月15日まで)
入り口に続々と団体さんが到着していたから焦ったけど、常設展へ行かれるのかな。
企画展は比較的空いていました。
※以下、文字色を変えた部分だけでも、なんとなく伝わる(?)ようにしてみました。
美術記事ご面倒な方は、そこだけでも流し見してみて下さい(笑)
クラーナハ(1472~1553年)は、ドイツ・ルネッサンスを代表するドイツ人画家。
宮廷画家でもあり、大型工房で絵画大量生産など事業家としても大成功。
(息子も同名の為、作品説明文には「クラーナハ(父)と記載されている」)
芸術家って破天荒も多いけど、中にはこういうやり手な方もいらっしゃる。
だから、というわけではないでしょうが…
クラーナハが描く人物って、だいたい「したたかそう」なのです(笑)
6つにテーマ分けされたうちの1つ、-誘惑する絵-は特に。
(写真は玄関ですが、↓この絵)
「ヘラクレスとオンファレ」
英雄ヘラクレスが女官達に囲まれデレデレ顔で糸つむぎ(女の仕事)。
(庭の勇ましい像とはだいぶ違う、笑。写真ではちょうどヘラクレス見えてません…)
女官達は静かに穏やかに、しかし企みを秘めた目。
パンフレットにも使われている「ホロフェルネスの首を持つユディト」の冷たい目!
「洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ」もゾクゾクする。
首は断面まで描かれています。
他にも、したたかに妖しく男性に寄りそう女性達。
対して、デレ~んとしてしまってる男性達。
これらは絵そのものが魅了するものであるし、戒めでもあるそう。
個人的には、女が強くしたたかでないと生き残れない時代を垣間見た気分…。
展示は、肖像画・聖書の場面・神話の場面などなど約90点。
なにしろ目の表現が凄い。(あと口角かな)
顔自体は表情があまり無いのに、です。
肌感は独特で、のっぺりと言うか、蝋人形とまではいかないけど不思議な感じ。
(布ではなく板に描いている作品が多いから?)
しかしとても立体感が有り、不思議の国のアリスの世界みたいに絵から出てきそう。
細部の描き込みが恐ろしく繊細。
(なので、描かれている服飾・宝飾類も楽しめます。)
繊細だけど、描くスピードも恐ろしく速かったのだそう。超人だ…。
女性の裸体などは、あえて?バランスが悪く、それがかえって不思議なエロに。
キューピットや天使も多く登場して可愛らしいけど、ほぼ笑顔無しで目が怖い。
天使って顔ではない~(笑)
しかし急に、キリストの目は優しそう(少し寂しそう?)だったりするのです。
(ルターの宗教改革にも大いに関わりました)
観ていくうちに、惑わされたかのように惹かれていきました。
企画展の題名通り。
クラーナハの作品を真似てみる画家はたくさん居たようで…
ピカソが真似て描いた絵もありました。
構図が同じなだけで、全然ピカソだったけど(笑)
(他の画家は、もっと真似てみた感ありました。)
世界10か国以上からのクラーナハ作品達。
突っ込みどころと妖しい魅力で、想像以上に楽しめました!
ぜひ生で引力を感じてみてください♪
↓よろしければお願いします ブログランキング参加中
↑できればコチラも ブログ村
芹沢友綺
写真・文の転載禁止
…………………………………………………
コメントのお返事より先に、
時間予約投稿で記事が更新される場合があります。
ご了承くださいませ