35 ねこが教えてくれたこと⑮
みゃーこの問題行動が収まって
しばらくした頃
今度はメルが問題を起こし始めました。
家に来てから半年ほど経って
血小板の数値が正常値に近づき始めると
ぐったりしていた状態から一転して
とても活発に動き回るようになったのです。
特に問題だったのは食欲でした。
何から何まで食べようとし
挙句の果てにトイレ材まで食べて
吐くほどの勢いでした。
おまけにみゃーこのエサも
奪って食べようとするので
さすがにこのままではいけないと思い
私はメルを強く叱るようになっていました。
くわえたものを口から引き離そうとすると
ウーッと言って噛みつくこともあり
あまりに行いが悪いときは
メルを叩くこともありました。
そんな私の姿を妻が見て
以前と同じように言ったのです。
「ねこに何をしているの」
「ちゃんと教えてあげないと・・・」
「ねこを叩いたって
ねこには分からないと思うよ」
私は妻の言葉に
一瞬固まってしまいました。
確かにそうかもしれない・・・
私は何をしていたんだろう・・・
叩いて教えることが
当たり前と思っていたけど
よく考えてみれば
なんてひどいことをしていたんだろう。
食事が取れず
生死の世界を彷徨ったこの子にとって
食べることに執着するのは
とても自然なことのはずなのに。
私が食事の与え方を工夫すれば
いいだけのことなのに。
何で私はメルを叩いたんだろう・・・