430 カウンセリングへの依存 | 読むカウンセリング

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親からの虐待、両親の蒸発、いじめ、不登校、対人恐怖症、うつ、母の死は私のせいという罪の意識から解き放たれた心理カウンセラーが、自ら体験した心の癒し方をお伝えします。

初めての方へ

この物語は
トラウマ(心の傷)に関するカウンセリング
テーマにした架空のお話です。
まずは、プロローグからお読みくださいね。


――


430 カウンセリングへの依存


ノートには妻と別れる可能性についても
メモが残してあった。

カウンセリングが上手くいくことで
お互いの関係性が大きく変わるかもしれないと
カウンセラーから言われたからだ。

その言葉の下には
心の揺れ→多幸感と書かれていた。

カウンセリングを受けることで
一時的に幸福に包まれたような状態に
なることがある。

それは苦しかった人にとっては
最も望んでいた状態である。

ただ、それは
地に足がついていないような状態でもあり
人によっては多幸感に依存してしまう
こともあるということだった。

僕の場合で言えば
苦しみを避けるために仕事に依存し

心と体を壊して
カウンセリングに依存をするような状態に
なる可能性があるということだ。

確かにカウンセリングを受けていた時は
とにかく幸せを感じていたと切実に思った。

自分と向き合う苦しい作業よりも
自分を忘れさせてくれる何かを
いつも求めていたのかもしれない。

それが問題の解決にならないことは
分かっていても
苦しい自分に耐えられないと
感じる日の方が多かった。

カウンセラーは幸せには2種類あると言った。

求めていたものが満たされる幸せ。
もう一つは気にならなくなる幸せ。

僕はこの話を聞いた時
絶対にこの幸せを手に入れたいと思った。

二つの幸せの違いはシンプルだった。

満たされる幸せの背景には
満たされていない状態があり

気にならなくなる幸せの背景には
満たされている状態がある。

満たされている状態に辿り着くには
欲望と欲求の違いについて
理解しなければならない。

カウンセリングノートには
そのことが詳しく書かれていた。