初めての方へ
この物語は
トラウマ(心の傷)に関するカウンセリングを
テーマにした架空のお話です。
トラウマ(心の傷)に関するカウンセリングを
テーマにした架空のお話です。
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406 明かりを消せ
「正直な所、よく分かりません。
先が見えずに暗闇の中にいるような気さえ
します」
「暗闇の中ですか・・・」
カウンセラーはしばらく黙っていた後
静かに話し始めた。
「こんな話があります。
昔、ある漁師が漁をするために数人で
沖に出ました。
その時、運悪く潮に流され
挙句に日も暮れてきたのです。
海の真ん中で辺りは暗闇に包まれ
どちらの方向に船を進めていいのか
分からなくなってしまったのです。
漁師たちは港に返るために
必死になって明かりを灯し
周りを照らしたのです。
その時、一人の漁師がこう言ったのです。
『明かりを消せ』
周りの漁師は驚きました。
この人は何を言っているんだと。
漁師はさらに語気を強めて言いました。
『明かりを消せ!』
周りの漁師たちは気圧されて
しぶしぶ明かりを消しました。
辺りは真っ暗です。
漁師たちは暗闇におののきながらも
じっと耐えていました。
こんなことに意味があるのだろうかと
思い始めた頃
暗闇に目が慣れてきました。
すると微かに明かりが見えてきたのです。
それは遠くに見えた港町の明かりでした。
その明かりを頼りに
漁師は無事に港に帰ることができた
という話です」
「つまり先生は、外側に明かりを求めず
暗闇の中にじっとしていろという
ことが言いたいのですか」
「外側に光を求めようとすることは
内側にある導きに気づいていない時に
起こります。
私はあなたの内側が
あなたを導いていけると信じているのです」