246 灰色の霧が晴れていく | 読むカウンセリング

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親からの虐待、両親の蒸発、いじめ、不登校、対人恐怖症、うつ、母の死は私のせいという罪の意識から解き放たれた心理カウンセラーが、自ら体験した心の癒し方をお伝えします。

初めての方へ

この物語は
トラウマ(心の傷)に関するカウンセリング
テーマにした架空のお話です。
まずは、プロローグからお読みくださいね。


――


246 灰色の霧が晴れていく


「僕は迷惑な存在だから
 人と一緒にいられる資格がない。

 一緒にいるためには
 その人の役に
 立たなければいけない。

 役に立てないのなら
 苦しんでいなければならない。

 これが、僕が自分にかけた
 呪いなんですね・・・」

カウンセラーは静かに頷いた。

「苦しまなければならないと
 自らが思うとき
 
 人は、優しさや温もり
 喜びを受け取れなくなります。

 人生を思い通りに生きようとすると
 悪いことをしているような
 気持ちになってしまうんです」

「罪悪感ですね」
僕は思わず声を上げた。

「そうです。
 そのままの状態の自分では
 いられなくなるのです。

 本来であれば、悲しみや怒り
 怖れや痛みと向き合い
 心の傷を癒すために必要な時間が

 罪悪感や
 変わらなければという焦りで
 埋め尽くされていくのです」

そうか・・・

だから僕はずっと
落ち込み続けていたのか・・・

だから僕は妻の優しさを
素直に受け取ることが
できなかったのか・・・


ジーンと心地よいしびれが
体中に広がっていく。

そうだったんだ・・・

僕は僕のままでよかったんだ。
悲しくても、怒っても、怖がっても
落ち込んでも・・・

罪悪感を感じることもなく
焦りを感じることもなく
ただ、そのままの自分で
よかったんだ・・・


僕の人生を取り巻いていた
灰色の霧が
スーッと晴れていくのを感じた。