189 4歳の僕に、してあげられること | 読むカウンセリング

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親からの虐待、両親の蒸発、いじめ、不登校、対人恐怖症、うつ、母の死は私のせいという罪の意識から解き放たれた心理カウンセラーが、自ら体験した心の癒し方をお伝えします。

初めての方へ

この物語は
トラウマ(心の傷)に関するカウンセリング
テーマにした架空のお話です。
まずは、プロローグからお読みくださいね。


――


189 4歳の僕に、してあげられること


「お母さんに叩かれた後の
 4歳のあなたはどんなふうに
 見えますか」

「正座をした状態て
 背中を丸めて頭を抱えています」

「4歳のあなたに、35歳のあなたが
 何をしてあげられると思いますか」

「そばに行って、もう大丈夫だよと
 抱きしめてあげられると思います」

「それでは、イメージの中で
 それを実行してみてください」

僕はカウンセラーに言われた通り
イメージの中で4歳の自分に近づいた。

4歳の僕はうずくまったまま
頭を抱えて震えている。

もう大丈夫だよと声を掛けたが
体がビクッと反応しただけで
うづくまったままだった。

僕は優しく4歳の自分の
背中を撫でた。
震えが手のひらに伝わってくる。

悲しくて可哀想で
目を閉じたまま涙が溢れた。

4歳の自分が驚き
ごめんなさい、もうしませんと叫んだ。

僕は、怯えている彼を見て
これまでの自分が
どれほど彼の存在を
無視してきたのかを知った。

今まで気づいてあげられなくて
本当にごめんね。
許してね。

ずっと一人ぼっちで寂しくて
本当に怖かったよね。
これからはずっと一緒にいるからね。

心を込めて彼にそう伝えた。

その時、4歳の僕は
こわいよー!ひとりにしないでー!
と泣き叫びながら
イメージの中でしがみついてきた。

僕は彼を抱きかかえて
頭を優しく撫でた。

その瞬間、僕はまた一つ
自分が失ってしまっていた
大切なものを
取り戻せたような気がした。