“空の価格破壊”第2ステージへ LCC各社路線拡充急ぐ | pooh-blog

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“空の価格破壊”第2ステージへ

LCC各社路線拡充急ぐ
 格安航空会社(LCC)が、運航便数の拡充や拠点空港の新設を目指すなど攻勢を強めている。お盆期間中の利用状況が好調で、期間中の搭乗率は軒並み大手を上回った。10月からは、LCC2社が国際線で新規路線を開設する予定で、“空の価格破壊”をめぐる競争は第2ステージに入ることになります。

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 日本航空系のLCC「ジェットスター・ジャパン」は10月28日、関西空港を成田に続く第2の拠点とし、関西空港を拠点とする全日本空輸系のLCC「ピーチ・アビエーション」の牙城に挑む。
 ジェットスターの関西発着の国内線は成田便1路線だけだが、今月24日から新千歳便と福岡便を就航させたほか、10月28日からは那覇便を加え計4路線に増やす。パイロットや地上職員らも採用する方針で、鈴木みゆき社長は「関西は活気にあふれている」と強調、国内線の便数や路線の開拓にも意欲を示す。
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 一方、迎え撃つピーチは、札幌、福岡、長崎、鹿児島の4路線から、10月18日から那覇便を加え5路線とする。2013年2月までに1日当たりの国内線の便数を現在より約1.5倍に増やす。

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 一方、成田を拠点とする全日空系のLCC「エアアジア・ジャパン」は、第2の拠点として中部空港を計画。また、岩片和行社長は第3拠点について「北九州空港も候補の一つ」と拠点拡充に前向きで、九州地区にも拠点空港を広げる構想を描く。
 LCC3社がネットワークの拡充を急ぐ背景には、お盆期間中の好調な利用実績がある。8月10~19日にLCC3社を利用した人は8万2503人。搭乗率はピーチが94.3%と最も高かったほか、エアアジアの91.2%、ジェットスターの89.5%で、日航や全日空の70%台を上回っている。
 「利用客の2~3割は飛行機の初体験者」(ピーチの井上慎一CEO)「手ごろな値段と安全性が整えば、LCCを試していただける」(鈴木社長)と、夏休みの顧客獲得競争の結果に手応えを感じている。
 さらにLCCは、国際線就航にも乗り出す。エアアジア・ジャパンが10月から、仁川、釜山便を開設するほか、ピーチがソウル、香港便に続き、同月から新たに台北便を就航する。
 一方、予備機を持たず、航空機を有効活用してコストを削減するLCCでは、大手に比べて欠航するリスクが高い。搭乗手続きの遅れや整備の不備などで遅れが重なれば、後続便で欠航を余儀なくされるからだ。
 エアアジアは1日、本来なら第1便の出発前に行う記念式典を出発後にずらしたほか、機体への記念放水も省略した。ジェットスターが7月3日の就航初日に搭乗手続きなどの遅れが響き、新千歳発成田行きの最終便を欠航した事態を踏まえたものだ。
 成田では地元自治体との取り決めにより午後11時から翌朝6時まで離着陸ができないため、ジェットスターは新千歳で立ち往生した乗客の宿泊費を負担するなど思わぬ出費を強いられた。トラブルは、エアアジアでも今月12日に那覇発成田行きの便が成田に着陸が不可能なことから羽田に着陸した事態が発生。両社は運航ダイヤを修正した。
 政府は、日本再生戦略の中で、国内外の航空旅客輸送に占めるLCCのシェアを2020年度までに2~3割に高める目標を掲げる。LCC3社の拡大戦略は、その目標達成へ向けて、ますます加速しそうだ。