日頃、娘と出かけることも滅多にありませんが、お互いの勤務先シフトを照らし合わせ、久々に神戸に出かけました。
神戸に行った時に寄る、行きつけの美容室に、是非とも娘に合わせたいスタイリストさんがおられ、やっと念願叶って一緒に出かけたのですが…
私のシャンプーと娘のヘッドスパの予約は
、二人共彼女を指名していたのですが、数
日前にお店から連絡が入り、11月末で退職された…とのことでした。
3月末と聞いていたのですが、急遽故郷熊本に帰られたとのことでした。
25歳の彼女は熊本益城町の出身で、地震で故郷が打ちのめされました。
懐かしい愛着のある町が壊れ、ご両親や友人、不自由な生活をされている地域の方々
のことをどんな思いで心痛めておられたことでしょう…
遠く離れた神戸で、仕事は遅くまで頑張って研鑽されていましたが、一人部屋に帰られると、故郷のことはずっと気にされていたのではないかと察します。
地震発生直後から何度かは、帰省されていたようですが…
やはり現状を目の当たりにすると、故郷を思う気持ちは一層強くなられたかもしれません。
間もなくここを退職して熊本に帰ります。
向こうでは市内の美容室に勤めます…と前回に聞いてはおりましたが、彼女の笑顔を見るのも、その日が本当に最後となってしまいました。
出会いは4年程前ですか…
初めてお店に入り、彼女と出会った第一印象は、「今時こんな人がいるんや~!?」、
「何て癒される声と笑顔なんやろ~」
でしたね。
まだ修行中なので、カットやそれ以上の施術はされていませんでしたが、スタッフの技術向上の研鑽は日夜されていたようです。
ある時期には、新人の関西地区の美容シャンプー部門で優勝されたことも…
それからはほとんど彼女にシャンプーはしていただいていました。
日頃は、レジで接客業務に携わっている関係上、不特定多数の老若男女のお客様と接しています。
レジから見えるものは、いろんな方の表情や癖です。
感じの良い応対を心がけてはおりますが、
相手の受けとめ方は千差万別ですね…
常連さまは割と多いお店ですので、何度も見てたら自然に顔は覚えます。
これまで私が培ってきた応対の中で、挨拶やアイコンタクトで、笑顔で返していただけるお客さまが数十名はおられますが、やはり「
ニコッ」と笑われたら、こちらも「ほわっ
」てなりますね…
彼女の笑顔は癒やしでもありますが、それ以上に涙が出てくるくらいのオーラなんですよね…
今の世知辛い世の中では、ちょっとしたことでも、すぐに腹を立てたり、争ったり、
言葉を凶器として使い人を傷つけ、貶める人間の顔をした輩が多いです。
そんな中にあっても、
「今時こんな可愛い、素直な優しい笑顔を見せてくれる人がいるんや…」
と思ってしまう…そんな人でしたね…
店長さんも言われていました。
「彼女は僕たちスタッフの中にあっても、
癒やしの存在です。あの表情や声…全身から醸し出す雰囲気は、作ってできるものではないですね…」
と言われていましたね。
娘もどちらかと言えば癒し系の顔で、他人には優しい言葉かけをしていますが、私にはきつい口調が多いです。
そんな娘に彼女の存在を話しすると、「出会ってみたいな…」と言いましたので、今回初めて一緒に出かけた訳です。
残念ながら、急遽先月末で退職されたと事前に聞いてはいましたが、娘も気持ち良かった…と言ってくれたので、まぁ、母娘でたまに出かけるのもいいかな…
店長さんから、「彼女から手紙を預かっています…」と言われ、私に向けての色々と優しい文面に触れ、嬉しかったですね。
神戸で日夜修行された技術や、社会性を元に、故郷熊本での活躍を祈っています。
彼女なら、痛みを知ったたくさんの方々を持ち前の笑顔で幸せな気持ちにしてくれることでしょう…
短いお付き合いでしたが、又この度の『ご縁』に感謝です…