米航空宇宙局(NASA)は米国時間1月10日、宇宙での太陽光発電のライフサイクルコストや温室効果ガスの排出量に関する報告書を公開した。  

 

NASAの技術・政策・戦略局(Office of Technology, Policy, and Strategy:OTPS)がまとめた報告書(PDF)では、宇宙空間で電力を発電し、マイクロ波で地球に送信する「宇宙太陽光発電(Space-Based Solar Power:SBSP)」として、2つのアーキテクチャが検討されている。  

 

1つは1kw時あたり0.61ドル、もう一つは1kw時1.59ドルで発電できるというものだった。地上での風力発電や水力発電、太陽光発電は1kw時あたり0.02~0.05ドルで発電できる。  

 

報告書によれば、SBSPシステムの建設と立ち上げによって生成される温室効果ガスの量は、米国の電力網の平均よりははるかに少ないものの、地上の再生可能エネルギーと同等であることも明らかになった。  

 

報告書の執筆者の1人であるErica Rodgers氏は、「これらの宇宙ベースの太陽光発電の設計は、高価であることがわかった。地上における再生可能エネルギーを導入する場合より12~80倍もの費用がかかる」と語っている。