11より続き

 

口上挨拶

椿裕二座長

 

 

 

2部 お芝居 actress(アクトレス/女優)

*配役*

劇団大川

太夫元*美穂裕子リーダー

座長 大川忍*大川忍副座長

副座長 椿裕二*椿裕二座長

花形 大川礼花*大川礼花花形

座員*椿孝也花形・夢路えみさん・椿キラさん・椿みらんさん

 

 

*あらすじ*

1場:楽屋

座長の怪我で、記念興行の国定忠治役に抜擢された花形。

花形と座員たちが稽古をしているところへ、副座長がやって来る。

「お前みたいな三流役者に忠治なんか出来る訳ないやろう。座長が怪我で出れないなら、忠治役は俺やろ。止めろ止めろ。」と憤慨し楽屋を出て行く副座長。

 

2場:太夫元の部屋

病がちの太夫元の様子を伺いにやって来た座長に、「記念興行の忠治は代役に礼花にさせようと思てんのや。副座長には山形屋をやってもらおうと思てるんや。あの礼花は私の娘なんや。」と打ち明ける太夫元。

座長が部屋を出た後、副座長がやって来る。

「記念興行の忠治は花形に決めたんや。あんたには山形屋をやってもらう。」と言う太夫元に、「座長が怪我したんなら、副座長の俺がするのが当然やろ。今日こう限り、劇団を辞めさせてもらいます。」とうそぶく副座長。

にべも無く、引き止めない太夫元に部屋を出ようとした副座長は、部屋の外で、二人の話を聞いていた花形に、「まっ、頑張って。」と嫌味を言いその場を後にする。

部屋に入って来た花形は、「今度の記念興行の忠治は私じゃない方が良いんじゃないでしょうか。」と申し出るが、太夫元は、「私が決めたんやから、あんたは一生懸命頑張れば良いやないか。」と言う。

そして、「礼花、あんた、私の娘と違うか。」と言う太夫元の言葉に頷く花形。

「やっぱりな。これから何かあったら頼ってくれてええねんで。」と言う太夫元に、「はい。」と答える花形。

「あんたにと思って、ずっと貯めてたんや。」とお金を差し出す太夫元に、「劇団の為に使って下さい。」と固辞する花形。

「何か有った時まで預かっておく。今度の記念興行、頑張ってや。一生懸命頑張って、日本一の女優になるんやで。」と言う太夫元の言葉を聞き部屋を出る花形。

「必ず払いますから。」と言い電話を切り、太夫元の部屋に戻って来る副座長。

「やくざから借金が有りますんや。お客さんが、忠治をすると、まとまったお金を付けてやると言ってるんです。」と言う副座長に、「あかんもんはあかんのや。」と断る太夫元。

「お金貸して下さい。」と頼むも、それも断られ、側にあった腰紐で太夫元を絞殺する副座長。

太夫元にお茶を持って来たえみがその様子を目撃する。

えみに財布を投げ付け、「この事、誰にも言うなよ。」と脅し、「おーい!人殺しやぞ!」と騒ぎ出すと、その場を後にする副座長。

座長をはじめ座員たちが駆け付けてくる。

花形は傍らの副座長のライターを見つける。

そして、変わり果てた太夫元の姿に「お母さん!」と泣き崩れる。

 

3場:取り調べ室

座員それぞれのアリバイが取り調べられる。

椿裕二副座長:「俺じゃないですよ。犯人を早く見付けて下さい。」と言いほくそ笑み、煙草に火を点けようとしてライターが無い事に気付く。

殺された太夫元の側で見つけた副座長のライターを握りしめる花形。

 

4場:楽屋

記念興行のその日、国定忠治の化粧を始める花形。

「あんたが私と同じ道を歩んでくれるなんて、夢にも思わんかった。誰にも負けへん日本一の女優になるんやで。お母さん、心から心から応援してるからな。頑張るんやで。」と言う太夫元の声がする。

化粧衣装を整えた花形に刀を差し出すえみ。

「今日まで苦しかったですよね。でも、終わりますから。」と告げると、えみから受け取った刀を本身の刀に持ち替える花形。

そして、胸元のライターを取りだし眺め、再び、胸元へ忍ばせ舞台へ向かう。

 

5場:記念興行の舞台

忠治が山形屋を斬る場面で、花形は本身の刀で副座長を斬り殺す。

幕は閉まり、「何て馬鹿な事をした。」と問う座長に、「すいませんでした。私、どうしても許せなかったんです。日頃から、皆の事を馬鹿にして、そんな副座長が許せなかったんです。」と言う花形の言葉を遮り、「副座長が師匠を殺すのを見たんです。花形はその事を知って、師匠の仇を取ったんです。」と真実を話すえみ。

「どんな理由があろうと、罪は罪だ。自首して来い。」と諭す座長。

「はい、すいませんでした。皆さん、本当に申し訳有りませんでした。もっともっと、みんなと舞台に立ちたかった。」と言い、座員一人一人に声を掛ける花形。

忠治の芝居の一場面の如く、「さっ!親分!」と刀を差し出す座員。

「加賀の住人小松五郎義兼が鍛えし業物、万年溜の雪水に洗い清め、俺には生涯手前ぇと言う強い仲間(本来は味方)があったのだ。」とその刀をかざした花形はライターを胸にその場を後にする。

 

6場:ラストステージの舞台

太夫元が亡くなり、花形が居なくなるも、皆で力を合わせ公演を続けていた劇団大川。

ラストショーの関東春雨傘を踊り終えた座員たち。

客席に向かって、「おい、そこで何やってる。早く上がって来い。お前の帰る場所は此処じゃないか。礼花!」と叫ぶ座長。

そこには7年間の刑期を終えた花形の姿があった。

「私がそこに帰えれば、皆の迷惑になるんじゃないですか。本当にすいませんでした。」と手をつき詫びる花形。

「お前、師匠の娘なんだろ。これからは、お前に、劇団大川を引っ張ってもらわないとな。」と言う座長に、「迷惑かけたのに、また戻って良いのですか。」と問う花形。

「花形、お帰りなさい。」と声を掛ける座員たち。

「こてからも頑張ります。」と応える花形に、忠治の芝居の一場面、「さっ!親分!」と刀を差し出す座長。

「加賀の住人小松五郎義兼が鍛えし業物、万年溜の雪水に洗い清め、俺には生涯手前ぇと言う強い仲間(本来は味方)があったのだ。」とその刀をかざす花形と笑顔の座員たち。

 

 

何と!前回観たのは2022年3月。

その時は、美穂裕子リーダー・大川礼花花形・椿孝也花形の御三方には肩書は有りませんでした。

月日の流れの早さに驚きます。

 

目の前に鏡があるかの如く忠治の舞台化粧をする大川礼花花形。

一番の見所です。

楽屋に現れた副座長役の椿裕二座長の演技指導には大笑いしました笑

 

13へ続く