「礼花・キラ・みらんの日」
1部 お芝居 華のお江戸は華盛り
*配役*
上方役者 「河内屋」
中村菊之丞*大川礼花花形
姉弟子*椿キラさん
妹弟子 お玉*椿みらんさん
江戸役者 市川右近*大川忍副座長
火消頭 新門辰五郎*椿裕二座長
若い衆*椿孝也花形
おこも協会副会長*美穂裕子リーダー
長屋の大家*夢路えみさん
*あらすじ*
プロローグ
中村菊之丞が女形で舞う「夢芝居」
幕間
中村菊之丞の着替えの間の繋ぎに舞台に出され、腹の虫が治まらない市川右近は菊之丞の弟子に当たり散らす。
1場:橋の袂
中村菊之丞の事が癪に障る市川右近は、上方役者と馬鹿にし、「これからは中村乞食と名乗るが良い。」と言うと菊之丞の額を割る。
「役者にとって顔は命」と怒る菊之丞だが、その場を去って行く市川右近。
上方では贔屓は居たが、江戸では贔屓の一人も居ない菊之丞は肩を落とす。
お腹が空き過ぎて、橋の袂で寝入っていたおこもが起き出す。
「あんさん、中村菊之丞さんかいな。三日前、一村座に行ったんや。みんな言うてたで。あんな良い男って。贔屓になろうと思ってたんや。」と言い小銭を差し出すおこも。
躊躇する中村菊之丞に、おこもは、「贔屓が好きな役者に花をする何があかんねん。」と言う。
涙ながらに有難く受け取り、これまでの経緯を話す中村菊之丞。
「これからもどうぞご贔屓に。」と言う菊之丞に、「当り前や。」と返すおこも。
「市川右近、舞台の上で見返さんなあかんな。」と言いその場を後にする菊之丞。
その様子を見ていた男が現れ、一両小判数枚をおこもの椀に入れる。
2場:長屋
帰って来た菊之丞の額の傷を見て、市川右近の仕業と確信した弟子たちは市川右近の元へ行こうとする。
それを止め、「浪花に帰ってもええんやで。」と言う菊之丞に、「死ぬのも生きるのも師匠と同じ。これからも一緒でっせ。」と答える弟子たち。
嬉し涙を流し、「心で泣いて顔で笑って、それが役者の道やで。」と諭す菊之丞。
大家がやって来る。
「長屋の皆で芝居を見に行くという事を伝えに来たんですよ。何か足りない物は有りませんか。」と言うと、一両を差し出し帰って行く大家。
おこも協会の総会長と名乗る男がやって来る。
「わしがあんたの贔屓をしてやろうと思とるんや。」と言うと、「近付のしるしに酒を持って来た。」と言い酒を注ぐおこも。
止める弟子を制止し飲み干す菊之丞。
「弟子にも飲ましてやれ。」と言われ、嫌々飲む弟子たち。
「梅南の前に落ちてたうどん。」を差し出すおこも。
止める弟子を制止し口にする菊之丞。
「弟子にも食わせたれ。」と言われ、嫌々口にする弟子たち。
「日の本一の役者にしたる。」と言い帰って行くおこも。
「あんな汚いおこもに馬鹿にされ、浪花に帰らせてもらいます。」と言う弟子たちに、「今から帰りなはれ。人はみかけやない。心や。心が大事なんや。初めて付いた贔屓が橋の下のおこもはんや。嬉しかった。」と言うとその場を離れる菊之丞。
戻って来た菊之丞は、「日の本一の役者になれる二人や。お父はん、二人の事は見守ってやっておくんなはれ。」と言うと匕首で腹を突こうとする。
慌ててそれを止め、「窓を開けたら一本も無かった幟が、三十やない五十も並んでるんです。」と言う弟子たち。
そこへ慌てふためきやって来た大家は、「今ここにおこもさんが来なかったかい。おこもさんじゃないんだよ。火消頭の新門辰五郎親方なんですよ。」と言う。
若い衆と新門辰五郎がやって来る。
「さっきは悪かったな。お前さんは偉いお方だ。この俺があんたの華を咲かせてやる。」と言い、祝儀の小判の雨を撒く新門辰五郎。
相撲ver.「稲川と新門」の役者ver.の新作。
プロローグの中村菊之丞の「夢芝居」の舞、考えた大川礼花花形、流石です。
私的には、匕首で腹を突こうとするなら、相撲ver.様に、「河内屋!」と声が掛かるまで江戸で頑張るって事の方が良かったなぁ。
ゲストさんや祭りや誕生日公演が有る中、台本を考えた大川礼花花形、文字にした椿キラさん、携わった座員さんたちは凄いの一言です。
口上挨拶
大川忍副座長
椿孝也花形