「座長・キラの日」に行って来ました。

三河家諒さんがゲスト出演。

 

1部 お芝居 新・佐渡情話

*配役*

作兵衛*椿裕二座長

倅 甚太郎*大川忍副座長

甚太郎の嫁 お光*椿キラさん

作兵衛の妹 加津*三河家諒さん

吾作*大川礼花花形

女掏り お島*美穂裕子リーダー

六*椿孝也花形

おけさ祭り踊り手*大川礼花花形・椿孝也花形・夢路えみさん・椿みらんさん

 

*あらすじ*

1場:居酒屋

居酒屋を営む作兵衛と倅の嫁のお光は三年前に出て行った切、便りひとつも寄こさない甚太郎の帰りを待ち続けていた。

「長兵衛の倅の長作さんがお光を嫁にしたいとそう言うとる。」と加津が縁談話を持ってやって来る。

「お光は甚太郎の嫁。」と断ると加津を追い帰す作兵衛。

おけさ祭り見物に六がやって来る。

六に甚太郎の行方を当たってもらっていた作兵衛。

「新潟のある女中から聞いた噂話だが、やくざ姿の男が甚太郎さんじゃないかと噂していました。」話す六。

六が作兵衛の妹の加津が営む旅籠亀屋に向かうと、「甚太郎がやくざなんかにはなるはずない。」と呟く作兵衛。

吾作がやって来る。

「柏崎に帰ろうと思っています。受け取ってほしい物が有るんです。」と言いお光に着物を手渡す吾作。

「それに着替えてもらえますか。」と言われ着替えを終えたお光を見るや否や、吾作は、「おその。おその。」とお光に触れる。

「お光ちゃんに触れてしまいました。許して下さい。」と詫びる吾作に、「泣いている様だが、この着物に何かいわれが有るだが。」と尋ねるお光。

「三年前の事、おそのと言う女房が居たのです。女中の火の不始末で帰らぬ人になってしまったんです。自暴自棄になり、佐渡へ行きおけさの宵祭りを見たなら気も晴れるだろうと、三年前、ここへやって来ました。そこで、おそのに瓜割らずのお光ちゃんを見て驚きました。私と一緒に柏崎に来ては頂けませんか。」と訳を話し求婚する吾作。

「出来ねえ。出来ねえ。おらには亭主が居るだがな。女は一度嫁いだ場所が死に場所だ。ここから出て行く訳にはいかねえ。」と心惹かれながらも断るお光に、吾作は、「また来年、佐渡にわたって来ます。」と言い居酒屋を後にする。

お光が涙を流しているところへ作兵衛が現れる。

「世話になったお人だ。父っ様の代わりに、多度津が浜に行って来い。」と言う作兵衛の言葉に、嬉しさを隠せず吾作の後を追うお光。

 

2場:多度津が浜

吾作の後を追って来たお光。

「吾作さん、見送りに来ただよ。また来年も来てくんろ。」と言うお光に、「御亭主の甚太郎さんが死んだと分かったならどうしますか。」と尋ねる吾作。

「出来ねえ。おらには出来ねえ。」と答えるお光に、「来年佐渡に渡って来ます。その時までお元気で。さよなら。」と立ち去る吾作。

「おらも吾作さんが好きだ。儘にならねえ世の中だな。」と涙するお光。

お光と吾作の様子を見ていた作兵衛と加津は涙ながらに帰って行く。

そして、その様子を見ていた男が居た。

男の財布を掏るお島。

おけさ祭りに来るも懐が寂しく掏りをしたと訳を話すお島に一両を差し出し、「だんまりでお前さんにくれてやるよ。その代わり頼みたい事が有るんだ。」と耳打ちする男。

お島はその話を引き受ける。

 

3場:居酒屋

多度津が浜での様子を見ていた男がやって来る。

その男こそ、行方知れずの甚太郎だった。

甚太郎が生きて帰って来た事を喜び、お光を呼び、「三年前に出て行った甚太郎だ。」と言う作兵衛。

「甚太郎さん生きてただ。おら嬉しい。」と泣きすがるお光に、甚太郎は、「ここには財産もねえ。出て行け!」と言う。

「三年三月待っただよ。」と言うお光に、「誰が待ってくれと頼んだ。気安く女房面するな。俺には恋女房が出来た。」と言うとお島を呼ぶ甚太郎。

「お光、分かったなら早く出て行け!」と言う甚太郎に、「光はこの三年間、ずっとお前の帰りを待っていた。そりゃあ、あんまり酷い仕打ちじゃねえか。」と割って入る作兵衛だが、「俺が奥に行っている間に、何処にでも好きな所へ出て失せろ。」と聞く耳持たず部屋を出る甚太郎。

「柏崎へ行く船は出ていねえ。これさ持って、吾作さんと一緒に柏崎へ行け。吾作さんと幸せになれ。」と吾作から貰った着物を差し出す作兵衛に、「父っ様、おらが居なくて寂しくねえだか。」と尋ねるお光。

「寂しくねえ…寂しいに決まっとるじゃが。自分の幸せ考えて早く吾作さんの許へ行け。」と言う作兵衛。

吾作から貰った着物に忍ばせてあったお金がぱらぱらと落ちてる。

拾い集めたお金をお光に差し出す作兵衛に、「父っ様、許してくんろ。」と言い涙ながらに吾作の許へ向かうお光。

「光、有難うな。父つぁんはお前のお陰で幸せだったぞ。」とお光の後姿に深々と頭を下げる作兵衛。

甚太郎が現れる。

甚太郎をなじる作兵衛に、「気立てが良くて良い女房だからこそ、俺は離縁したんだ。」と言い胸の内を明かす甚太郎。

三年前、代官の次男坊がお光に横恋慕。

争っているうちに、刀を奪い次男坊の右腕を斬り落とし、「生きていれば必ず会える時が来る。」と旅へ。

途中、嵐の中、名前も何も覚えていない記憶喪失に。

助けてくれた親分の許で世話になり、再び嵐の時に全てを思い出す。

「親、女房が居るなら直ぐ帰ってやれ。」と言う親分に、お光に持たせた着物に忍ばせていたお金まで貰い多度津が浜まで戻って来た時、お光と吾作の二人の様子を見て猿芝居を思い付いたと言う甚太郎。

「お光の幸せを祈ってやるのが男の取るべき道じゃないのか。」と話す甚太郎に、「今日は年に一度のおけさ祭り。それに混じって光を見送ってやれ。光を見送ったら真っ直ぐ帰って来い。」と言う作兵衛。

おけさ祭りの踊り手が居酒屋の前を通り過ぎて行く。

 

4場:多度津が浜

おけさ祭りの着物に着替えた甚太郎がやって来る。

お光を捜すもなかなか見付けられず、諦めかけていたところに見付ける事が出来た甚太郎は、「お光、今まで有難う。今度こそ幸せになれよ。」と遠くに見えるお光に語りかける。

 

 

それぞれがそれぞれを思いやる気持ちが切な過ぎて泣けてきます。

 

 

口上挨拶

大川忍副座長

 

 

大川礼花花形

 

 

椿みらんさん

 

2へ続く…