昼の部より続き…

 

1部 お芝居 三日月暴れ笠

*配役*

三日月源太*椿裕二座長

母*美穂裕子リーダー

妹 お花*椿キラさん

花の許婚 六助*椿孝也花形

 

やくざ一家

親分*劇団美川 美川慶二座長

子分*大川礼花花形・椿みらんさん

 

清瀬又十郎*大川忍副座長

女房 早苗*夢路えみさん

 

野良犬*りくちゃん

 

 

*あらすじ*

1場:やくざ一家

金まで出して、盲目の清瀬又十郎と女房の早苗、赤子の又八を世話している一家の親分。

親分には魂胆が有った。

「あっしに乗り換える気は有りませんか。」と言い寄る親分にきっぱり断る早苗。

早苗を手籠めにしようとしているところへ、又八を抱き外出していた清瀬又十郎が帰って来る。

「村外れにある目無し地蔵に、三七 二十一日、願掛けに行くと目が明くと聞いたんですよ。」と言う親分の言葉に、早苗も付いて行くと言う。

そこで、「女嫌いで子供好きのお地蔵さん。」と言い含め、早苗を残し、赤子と一緒に向かわせる親分。

そして、小遣い銭の無い子分たちに、「清瀬の旦那を斬って来れば一両ずつ渡す。」と言う。

一両欲しさに、一旦は又十郎の後を追おうとする子分たちだったが、歯が立つ相手じゃないとそそくさと戻って来る。

女物の襦袢姿の源太が三日振りに帰って来る。

襦袢姿の訳を話す源太に、金儲けの話をする親分。

「目無し地蔵に願掛けに行ってる清瀬の旦那と子供を斬って来い。一人五両、二人で十両。前金で五両、後金五両は仕事が済んだら渡す。」と言う話を引き受けると、親分の着物と刀を借り、目無し地蔵に向かう源太。

 

2場:目無し地蔵

「両目とは申さぬ。片目だけでも明けて下さらぬか。」と願掛けする又十郎。

源太がやって来る。

「その目、俺が明けてやる。親分に二人を斬って来いと頼まれてな。」と言う源太に、「この子だけは助けて下さらんか。」と頼む又十郎。

「すっぱりとあの世に送ってやるよ。」と刀を振り上げる源太。

何も知らず笑う又八の顔を見て刀を下ろし、「命は助けてやる。真っ直ぐにこの道を行くと、桑名の渡し場がある。おかみさんが来るのを待っていなさい。」と言うと前金に貰った五両を手渡す源太。

そのまま帰ると自分の命が危ないと思ったところへ野良犬の声が…

その野良犬を斬り刀に血を付ける源太。

そこへ、現れた男がはっとして、「源太の兄貴だったよな。」と呟くが、源太は顔を隠しその場を後にする。

 

3場:源太の実家前

目無し地蔵で源太を目撃した男はお花の許婚の六助だった。

その六助がやって来る。

六助との再会を喜び、母を呼ぶお花。

「源太の兄貴、帰っちゃいませんか。」と尋ねる六助に、「源太は死んだものと諦めているんじゃ。」と答える母。

暫くして、その源太が戻って来る。

一旦は再会を喜びはするものの、「やくざな倅を持った覚えは有りやせんのじゃ。旅に出た源太はそれで良いかもしれないが、残された者は…可哀想なのは妹の花じゃ。花の姿を見る度に源太が憎いと言うもののなぁ、考えると言えば源太の事ばかり。家の辺りをうろうろされたなら難儀が掛かる。」と言う母に十年前の経緯を話す源太。

十年前、友達の弥八と博打へ行き十両を手にするが、弥八にその金を貸してくれと言われ、それを断わった源太を草刈鎌で襲った弥八。揉み合っているうちに、弥八の腹を突いてしまい旅に出た源太だった。

現れた花が、「兄ちゃんが帰って来た事で、お嫁に行けないなら行かなくても良いの。源太兄ちゃんを家へ入れて頂戴。」と言うも、母は首を横に振る。

捕物騒ぎで役人がやって来る。

観念した源太が、「世間を騒がせた三日月源太」と名乗ると、「源太殿、お久しぶりでござった。」と頭を下げる役人。

目も治り、南町奉行筆頭与力に出世していたのは、以前、源太が助けた清瀬又十郎だった。

「見逃せばお上に義理が立たず、捕まえればそなたに恩義が立たず。義理と恩義の板挟み。」と苦悩するが、「十手お縄を返上したそのうえで、腹を切っても、弁護の労を取らせて頂きます。」言う又十郎。

家の中から現れた母と妹のお花、そして六助。

六助に母とお花の事を託し、「もう、生きて会う事は出来ない。今度会う時は白木の位牌で帰って参ります。」と言い引かれて行く源太。

 

 

二度と会う事が無いかもしれない母兄妹の別れにホロリ。

 

 

口上挨拶

椿孝也花形

 

 

大川礼花花形

 

 

椿キラさん

 

 

椿みらんさん

 

2へ続く…