劇団としての観劇は丸5ケ月空きました。

4ヶ月連続関西公演の始まりです。

劇団美川 美川龍士若座長・美川乱牙花形がゲスト出演。

 

 

1部 お芝居 稲川と新門

*配役*

関取 稲川次郎吉*大川忍副座長

兄弟子 杵山(キネヤマ)*大川礼花花形

弟弟子 挽臼(ヒキウス)*美穂裕子リーダー

 

火消頭 新門辰五郎*椿裕二座長

若い衆*椿孝也花形・椿キラさん・椿みらんさん・劇団美川 美川龍士若座長・美川乱牙花形

 

酔っぱらい*椿孝也花形・劇団美川 美川乱牙花形

おこも*椿みらんさん・劇団美川 美川龍士若座長

長屋の大家*夢路えみさん

 

 

*あらすじ*

1場:橋の袂

「足を踏んだ」と酔っぱらいたちに絡まれる稲川次郎吉。

酔っぱらいたちは関取の稲川だと分かると、「うちの殿様が贔屓にしている雷電関を負かせたな。牛馬の通る大道で三つ指ついて頭を下げて謝るか、相撲を取るか、どうするんだい。」と無理難題。

「ごんたら相手に相撲を取る事は出来やんせ。」と言い頭を下げる稲川に調子付いた二人は、「花をくれてやる。」と言っては唾を吐き、「俺は祝儀をくれてやる。」と言っては足蹴にする。

怒った稲川の様子に恐れをなして退散する酔っぱらいたち。

浪花から江戸にやって来た稲川次郎吉とその弟子たち。

十日間、一日足りも土つかずの稲川にはありとあらゆる罵詈罵倒。負けた江戸の力士にはわんさわんさと贔屓が付く。

「あれが天下の関取稲川か。向うを通るのは次郎吉よ。」と言われるまでは、決して浪花には帰らないと心に誓う稲川。

稲川は橋の袂で寝ていたおこもの足を踏んでしまう。

おこもは自分の足を踏んだのは関取の稲川と分かると、「わしら乞食はお前の贔屓や。いつも応援してるんやで。」と話す。

足を踏んだ詫びに金を手渡すと、「この江戸の土地に来て一度も、やっちゃ~稲川と掛け声掛からぬ有様。やっちゃ~稲川と掛け声掛けてはくだすんか。」と頼む稲川。

「やっちゃ~稲川。」「やっちゃ~稲川。」と叫ぶおこもたち。

稲川は、「初めて聞いたやっちゃ~稲川の掛け声。今の一言で、稲川次郎吉は天下の力士に成りやしたわい。」と言いその場を後にする。

その様子を見ていた男が現れ、おこもから着ぐるみ一式を金で買う。

 

2場:長屋

稽古をする杵山と挽臼。

そこへ、長屋の大家がやって来る。

「今度、長屋の皆を連れて見に行きますよ。何か足りない物はありませんか。」と言う大家に、「米味噌醤油何もかも…」と答える杵山と挽臼。

二人の様子に、「それは気が付かなくて。これで…」と、一両を差し出し帰って行く大家。

「内輪の恥を言うものじゃごんせんわい。」と二人に注意し部屋を出る稲川。

おこもから着ぐるみ一式を買い、着替えを済ませた男がやって来る。

「わしはなぁ、稲川の贔屓をしようとやって来た。」と言う男を追い返そうとする杵山と挽臼。

「褌担ぎに用は無い。稲川を呼べ。」と言う男を、奥の部屋から出て来た稲川が中へ通す。

「この江戸の土地を薄情な人間ばかりと思っているかもしれんが、わしら乞食はお前の贔屓じゃ。近付のしるしに酒を持って来た。」と言い酒を注ぐおこも。

止める杵山を制止し飲み干す稲川。

「弟子っ子共にも飲ましてやれ。」と言われ、嫌々飲む杵山と挽臼。

「ひと月前のうどんや。」と言い差し出すおこも。

止める杵山を制止し口にする稲川。

「弟子っ子共にも食わせてやれ。」と言われ、嫌々食べる杵山と挽臼。

おこもは、「乞食の寄合がある。」と言い帰って行く。

杵山と挽臼が荷物をまとめ出て行こうとする。

「今日と言う今日こそは愛想が尽きたてごんすわい。わしら二人を浪花に帰して下んせや。」と言う杵山と挽臼。

そんな二人に稲川は話す。

「無理もない。初めて付いた御贔屓衆が人様の門口に立つおこもと聞かされて、我と我が身に愛想が尽きやんしたわい。浪花の贅六相撲で終わるのは勿体無い。江戸で名ある力士になれよと言われた浪花の親方さんの言葉。ここで、わしが浪花に帰れば、浪花力士のけがれになる。わしの親方さんに会う事があれば、あれが天下の関取稲川か、向うを通るは次郎吉よと人様に言われる日が来るまで、決して浪花には帰らぬつもりじゃと伝えてくだんせ。」

稲川の言葉に杵山と挽臼は、「わしらが悪うごんした。わしら二人をいついつまでも、親方の側に置いて下んせや。」と泣いて詫びる。

「杵山。挽臼。」「親方さん。」と手に手を取り合う三人。

そこへ慌てふためきやって来た大家。

「今ここにおこもが来なかったかい。」と尋ねる大家に、稲川は、「来やしたが…。」と答える稲川。

「おこもさんじゃないんだよ。火消頭の新門辰五郎親方なんだよ。」と言う大家。

若い衆を従えてやって来た新門辰五郎。

「さっきは悪かったな。これから、この新門辰五郎がお前さんの贔屓をしたうえで、必ず、日の本一の相撲取りにしてやるぜ。」と言う新門辰五郎に、「ごっつぁんでごんす。」と喜ぶ稲川。

「目出てえ。目出てえな。」と言い小判の雨を撒く新門辰五郎。

 

 

口上挨拶

椿孝也花形

 

 

椿キラさん

 

 

椿みらんさん

 

 

劇団美川 美川龍士若座長

 

 

劇団美川 美川乱牙花形

 

 

この日より正式入団の椿拓海(ツバキタクミ)さん

待望の男子~♂

 

2へ続く…