順不同になりましたが…
1部 お芝居 どんでん返し
*配役*
一座
座頭*澤村黒龍若手リーダー
座員 音吉*歌瑠多座長
座員 お千代*劇団大川 大川礼花花形
長崎屋
女主*いろはさん
一番番頭*澤村妃星さん
目明し親方 佐平次*澤村玄武総座長
*あらすじ*
1場:芝居小屋楽屋口前
表向きは役者だが、巾着切りの音吉が楽屋口へと逃げる。
追い掛けて来た佐平次だが、いつも同じ場所で見失っていた。
座頭に尋ねるも、「知らない。」と言う連れない返事。
佐平次は座頭に、長崎屋の一人娘の話をする。
「十三年前、五歳の頃に神隠しに合い行方知れず。手掛かりは右耳の後に有る小豆代のほくろ。手掛かりを見つけた人には五両。娘を見つけた人には十両の礼金。」と。
その話を聞いていた音吉はほくそ笑む。
同じく、話を聞いていたお千代が現れる。
「同じ穴の狢」と言い、お千代をその娘に仕立ようと算段する音吉。
2場:長崎屋
目の見えない女主に仕える一番番頭。
「お嬢様の事で話が有る。」と音吉がやって来る。
「十八年程前、親父と一緒に祭り見物に行ったんですよ。握っていた手を離して、親父が走って行ったんです。親父が行った先には女の子が一人で居たんです。周りに訊くも手掛かりは無く、一緒に連れ帰りました。親父は去年、この世を去りました。この土地の役人の話を聞き、ひょっとすればと思い、ここへやって来ました。」と経緯を話す音吉に、「会わせて下さい。」と言う女主。
呼ばれて現れたお千代の右耳の後のほくろを見付ける一番番頭。
お千代を置いて帰ろうとする音吉に、「この長崎屋で、娘と共に暮らしてくれませんか。」と頼む女主。
「喜んで。」と答える音吉。
3場:長崎屋座敷
佐平次がやって来る。
娘のおみつが見つかり、「千の蔵より子は宝です。」と喜ぶ女主。
「お茶でも。」と誘われ、その場を離れる女主と佐平次。
音吉とお千代がやって来る。
「一緒に暮らしていたら、他人とは思えないんだよ。手を引いてくれないかい。奥様の悲しい顔を見たくないのよ。」とと頼むお千代に、同じ気持ちだった音吉は、「この家から手を引いてやろう。いつもの所で、暮れ六つに落ち合おう。」と答え仕度にその場を離れる。
分け前をを貰いに座頭がやって来る。
長崎屋から手を引くつもりのお千代が断ると、「分け前を出すか、お前が巾着切りと話すか。」と無理難題。
思い余って座頭を刺すお千代。
そこへやって来た音吉。
「この場の事は俺が一切責任を取ろう。俺は旅に出る。お前はここに残って、奥様に親孝行してくれないか。」と言う音吉に、「分かったよ。」と答えるお千代。
長崎屋の娘 おみつに成りすましたお千代と手代になった音吉の前に現れた女主と佐平次。
巾着切りと目明しと、お互い気が付くが、「千の蔵より子は宝。良い言葉だ。これより先、奥様に親孝行して下さい。」と二人を見逃す佐平次。
4場:街道
おみつを捜して女主と佐平次がやって来る。
現れた音吉とお千代に縄を掛けようとする佐平次を止める女主。
「私は長崎屋のお嬢様じゃありません。しがない旅役者です。」と言うおちよに、「あなたがしてくれた親孝行、あなたは本当の娘ですよ。」言う女主。
そこへ、慌てふためき、一番番頭がやって来る。
「蔵の物が全て盗まれました。」と話す一番番頭と一緒に戻って行く女主。
全て、音吉とお千代の仕業だった。
死んだはずの座頭が分け前を取りに現れる。
佐平次もまた分け前を取りに現れる。
盗んだ千両箱を二人に取りに行かせる音吉。
「俺たちは何処かへ行って、役者は辞めます。」と手を取り合ってその場を後にする音吉とお千代。
残った座頭と佐平次が千両箱の中を見ると、中身は小石だらけ。
「お千代、上手く行ったな。」とほくそ笑む音吉。
歌瑠多座長オリジナルのお芝居との事。
長崎屋の女主と一番番頭以外は皆悪!だったと言うお話でした。
口上挨拶
澤村玄武総座長
澤村あげはさん