「美穂&礼花の日」に行って来ました。
1部 お芝居 女の一生
*配役*
竹下清吉*椿裕二座長
清吉の女房 芸者 小糸*美穂裕子リーダー
清吉と小糸の娘 ゆき*椿キラさん
清吉の弟 清二*大川忍副座長
芸者 お竜*大川礼花花形
白木屋の旦那/巡査*椿孝也花形(2役)
竹下家奉公人 おしわ(座長が命名)*夢路えみさん
竹下家奉公人 お竹*椿みらんさん
*あらすじ*
1場:料亭前
目界の清吉が赤子のゆきを抱いてやって来る。
女房の小糸を呼び出し、「今、先生に目を診てもらったが、私の目は見える事はないだろうって。だが、唐の国の手術と言うものをすれば、見えるようになるかもしれない。それには五十円と言う大金が必要なんだ。」と告げる清吉。
丁度、座敷に来ている贔屓の白木屋の旦那に、五十円を用立てて貰えるよう頼もうと座敷へ向かう小糸。
戻って来た小糸は、「出先で持ち合わせがないから、取り敢えず三十円、残りの二十円は明日にでも用立ててくれると…」と言い清吉に手渡す。
残りのお金を明日届ける証として、髪に挿していていた簪を清吉に託し座敷へ戻って行く小糸。
清吉は目が見えない振りをして小糸を騙し、芸者仲間のお竜と良い仲になっていた。
料亭から出て来た白木屋の旦那に話しかけながら、持っていた短刀で白木屋の旦那を刺し、清吉が手に持っていた小糸の簪を白木屋の旦那の胸に突き刺すと、清吉と一緒にその場から逃げ去るお竜。
座敷を終え料亭から出て来た小糸は、変わり果てた姿の白木屋の旦那の胸に刺さっている簪を見て驚く。
それは、清吉に託した小糸の簪だった。
2場:十年経過後の竹下家
清吉はお竜と一緒になり、竹下商事会社の社長に納まっていた。
しつけと称して、継母のお竜や奉公人たちに苛められる日々のゆき。
ゆきが一人で掃除をしているところに清二が現れ、買って来たおやつを手渡す。
ゆきがおやつを食べていると、奉公人たちがやって来る。
清二がゆきを庇うのが気に入らないおしわは騒ぎ立てて清吉を呼ぶと、「申し訳ございませんがお暇を頂きます。」と言う。
奉公人たちに辞められると困る清吉は清二を叱ると、小屋へ戻るよう言い付ける。
事有る毎に苛められ、ゆきが一人泣いているところへ、小糸がやって来る。
「この辺りに、竹下清吉と言う人のお家があると聞いてここまでやって来たんだけれども。」と言う小糸に、ゆきは、「竹下清吉は私のお父さんです。おばちゃん、誰。」と尋ねる。
「あなた、もしかしてゆきちゃんなの。」と問う小糸に頷くゆき。
「私、あなたのお母さんなの。」と名乗る小糸。
「ゆき。」「お母さん。」、涙し抱き合う二人。
そこへやって来たおしわに、「竹下清吉を呼んで頂けます。」と言う小糸。
「誰ですか。」と問うおしわに、小糸は、「竹下清吉の妻です。」と答える。
「旦那様!」と叫ぶお竹の声に現れた清吉とお竜。
清吉の横に鎮座するお竜にいぶかる小糸。
「私、竹下清吉の妻なんですけど。」と勝ち誇った様に言うお竜。
「あなた、目は治ったんですか。」と尋ねる小糸に、「私は生まれてこの方、目を患った事は一度もありませんけど。」と答え、「あぁ思い出した。十年前、白木屋の旦那を殺した小糸。」と言う清吉。
「私は人を殺してなんかいません。私の話を聞いて下さい。あの時、本当の事を話そうと思いましたが、白木屋の旦那の胸に私があなたに渡した簪が刺さっていたんです。あなたが何かこの事に関わっているかもしれないと、何も言わなかったのです。あなたに会いたい、ゆきに会いたいと十年耐えてきたんです。一言で構いません。優しい言葉のひとつを掛けて頂けませんか。」と言う小糸に、「出て行ってくれ!」と言い放つ清吉。
小糸は、「もう二度とお二人の前には姿を現しません。」と言うと、ゆきに、「ねぇ、ゆき、お母さんと一緒に付いて来てくれる。」と尋ねる。
こくんと頷くゆき。
「ゆきは私の娘だ。一人で出て行け。」と言う清吉に、「この子は私が産んだ子です。例え十年離れていても、顔を見ればこの子がどんな思いで暮らしているか分かります。」と言い、ゆきを連れて出て行こうとする小糸。
怒った清吉に足蹴にされた小糸は気を失う。
気を取り戻した小糸は出刃包丁を持ち出し、「許さない。死ね。」とお竜を刺し殺す。
清吉がその出刃包丁で小糸に斬り掛かろうとするところへ、清二が割って入る。
「十五年前の事覚えていますか。親の意見も聞かず、飲む打つ買うの三道楽。博打に手を出し、喧嘩沙汰になり、腕を落とされるところを通りがかり、兄さんの代わりに腕を落された。その事をとやかく言ってる分けじゃない。」と言う清二に、「その後、お前の面倒は見てきた。片腕をくれてやる。落とせ!」と開き直る清吉。
口で言っても分からない清吉の腕を落とそうと短刀を振り上げる清二。
「どんなに悪い人でも、ゆきのお父さんなの。」と泣いて止めるゆき。
そして、「おじちゃんだけがゆきに優しくしてくれたんだよ。もう、お母さんを苛めないで。お願い。」と清吉に話すゆき。
「ここで殺しがあったと聞いた。」と巡査がやって来る。
「誰がやった。」と問う巡査に、「私がやりました。」と答える清二。
小糸は、「私がやりました。」と言うと、清二に、「この時代、調べれば、誰がやったかは直ぐに分かるんです。ひとつ、清二さんにお願いがあります。ゆきの事だけは守ってやって下さい。お願いします。」と頼む。
頷く清二。
「申し訳ございません。あなたの大事な方を手に掛けてしまいました。この身を以って、一生償って参ります。」と詫びると、「ここにお金が有るんです。監獄の中でこつこつ貯めたお金なんです。ゆきの為に使って下さい。」とお金を清吉に差し出す小糸。
「お母さん、折角帰って来たけれど、大事な用事が出来ちゃって、また遠い所に行かなくちゃいけないの。必ず帰って来るから、お母さんの帰りを待っていてくれるわね。」と言う小糸に、「一日も早く、ゆきの所へ帰って来てね。」と答えるゆき。
「ゆき。」「お母さん。」
「元気で居て頂戴ね。」「お母さん。」抱き合う二人。
小糸の下駄を揃える清二。
小糸を連行しようとする巡査に、「十年前、白木屋の旦那を殺したのはお竜。」と打ち明け、「小糸、すまない。」と涙ながらに詫びる清吉。
そして、「一日も早く、ゆきの許へ必ず帰って来てくれ。それまで、ゆきは必ず俺が守る。」と言う清吉。
「必ずここへ帰って来ます。それまで、ゆきの事お願いします。」と言い巡査に連行される小糸。
このお芝居、ラスト、連行されるのは清吉or清二or小糸の3パターン有ります。
椿裕二座長の気分次第?で変わるラストですが、やっぱり小糸でしょ。
口上挨拶
大川忍副座長
大川礼花花形
椿孝也花形
椿みらんさん
2へ続く…