初日公演に行って来ました。

1部:お芝居、2部:ショーの構成でした。

 

1部 お芝居 恋の辻占

*配役*

宇太郎*松丸家小弁太座長

女房 お美代*松丸家美寿々さん

 

代貸 坂下の時次郎*咲田せいじろう副座長

子分*松丸家こももさん

 

勘兵衛親分*咲田せいじろう副座長

子分 三次*松丸家ちょうちょさん

 

村人 田吾作*松丸家ちょうちょさん

村人 吾作*松丸家こももさん

 

 

*あらすじ*

1場:茶店前

宇太郎は堅気になり、草鞋を脱いだ一家の親分の娘 お美代と所帯を持ち、茶店を営んでいた。

宇太郎の留守中に、代貸の坂下の時次郎がやって来る。

「この時次郎、そう長くはございません。男同士で四方山話でも…」と、宇太郎に時次郎の家まで訪ねてくれるよう、お美代に言付け帰って行く。

時次郎の様子に心配するお美代。

宇太郎が帰って来る。

そこへ田吾作と吾作がやって来て、「俺たち、今から、女郎を買いに行くんだ。良い女に当たるかどうか辻占を買ったんだが、俺たちは字が読めないから読んでほしい。宇太郎さんの分も買ってきた。」と言う。

読んで聞かせた宇太郎を、「一緒に行こう。」と誘う二人。

茶店から現れたお美代は二人を一喝し追い返す。

叔父貴分の勘兵衛親分が宇太郎に話が有るとやって来る。

「兄貴が死んだその折の賭場縄張りの事だ。」と言う勘兵衛親分に、宇太郎が時次郎に話をする事でその場を収めるが…

「おめえ、いつ討つんだ。親分の仇をいつ討つんだ。」と切り出す勘兵衛に、「仇が分からなければ、仇の討ちようが有りません。」と答える宇太郎。

「仇が分かったその時は仇は討つんだな。」と念押しする勘兵衛親分。

お茶を持って現れたお美代は親の仇を討つ事に反対するが、「仇を知っているんだ。兄貴の死体の側に落ちていた証拠の品がある。若い野郎を使いに出す。待ってろ。」と言い帰って行く勘兵衛親分。

宇太郎は、「願望叶わず。待ち人来たらず。」と書いてあった田吾作と吾作から貰った辻占を破り捨てる。

「今更、仇討ちなんてよしておくれよ。私の事はもう良いんだ。お前さんが私の側で一生達者で居てくれたらそれが幸せなんだよ。」と言うお美代の言葉に、「その為にはここを離れなきゃいけない。俺の在所の駿州は三保の松原清見潟に行かないか。」と言う宇太郎。

身支度に戻ろうとしたお美代は宇太郎が大切にしていた御守袋を見つけ、宇太郎に手渡し茶店の中へ入って行く。

三次が証拠の品を持ってくる。

それは時次郎の煙草入れだった。

時次郎が親分の仇だと信じられない宇太郎に、「欲に目がくらんだんじゃないか。お美代とは以前は良い仲だったらしいな。」と言い去って行く三次。

「これで何もかも辻褄が合う。あの坂下の時次郎、許さない!」と刀を持ち出す宇太郎。

「時次郎さんはそんな人じゃない。」と必死で止めるお美代を振り切り、時次郎の許へ走る宇太郎。

 

2場:時次郎の家

病に伏せている時次郎の許へやって来た宇太郎。

灯りが点いていない中、時次郎に向かって煙草入れを投げる。

表で、二人の様子を盗み聞きする三次。

「これは俺の煙草入れだ。」と言う時次郎に斬り掛かる宇太郎。

驚いた時次郎が、「この煙草入れ、誰から貰った。」と尋ねると、「勘兵衛の叔父貴だ。」と答える宇太郎。

「この煙草入れ、親分を斬っていないと言う証にはなっても、斬ったと言う証にはならねえ。あの日、親分が忘れた紙入れを賭場に取りに帰り戻ってみると、親分が斬られていた。襲い掛かってくる奴に一太刀浴びせ手応えがあった。親分の通夜に、絶対、顔を出さないといけない奴が現れなかった。勘兵衛の叔父貴だよ。俺に付けられた額の傷で来るに来れなかった。親分は俺にもしもの事があったら、賭場縄張りは貧しい人の為に使ってやってくれ。駿州からの流れ者勘兵衛だけは信用するんじゃないぞと言われていたんだ。」と言う時次郎に、宇太郎は、「何で今まで俺に言ってくれなかった。」と尋ねる。

「俺はまだお嬢さんに惚れているんだ。言って、宇太郎さんにもしもの事があれば、泣きを見るのはお嬢さん。お嬢さんだけは泣かしちゃならねえ。」と答える時次郎。

「俺を斬ってくれ。」と言う時次郎に、「斬れねえ。」と言う宇太郎。

「病で死にたくないんだ。」と言い、時次郎は自ら腹を突く。

 

3場:地蔵前

時次郎の家に様子を見に行っていた三次が戻って来る。

「宇太郎は斬ったか。」と尋ねる勘兵衛親分に、「ばっさり斬りやした。」と答える三次。

ほくそ笑んだ勘兵衛親分は子分たちを連れ、祝酒を飲みに行こうとする。

「勘兵衛、待てえ。よくも騙しに掛けやがったな。その額の傷が動かぬ証拠だ。」と言うと子分たちと斬り合いになる宇太郎。

地蔵前に落ちていた御守袋を見付けた勘兵衛親分の表情が変わる。

刀を向ける宇太郎に、「俺を斬っちゃならねえんだ。女房は大事にしてやれ。子が出来たら大事にしてやれ。」と言い自ら腹を突く。

宇太郎が止めを刺そうとするのを止めると、勘兵衛親分の傍らの御守袋を見付けるお美代。

「お前さんと同じ御守袋だよ。」と言われ、「それじゃ、勘兵衛の叔父貴が俺の…」と驚く宇太郎。

「お父つぁんと呼んでおくれよ。」と言うお美代に、「呼べねえ。それじゃ、義理がすまねえお人がいる。」と答える宇太郎。

「私の事は良いんだ。お願いだから、お父つぁんと呼んでおくれ。」と言い、御守袋二つを宇太郎に手渡すお美代。

「お父つぁん!!」と泣き叫ぶ宇太郎。

 

 

時次郎のお美代への叶わぬ思いに泣けてきます。

平日のこの日、小学校組の出演は無く、大人5人でのお芝居でした。

咲田せいじろう副座長・松丸家こももさん・松丸家ちょうちょさんは2役で、同じ2役でも、副座長に至っては、時次郎→勘兵衛→時次郎→勘兵衛で、その都度、仕度が変わり大変だろうなと…

 

 

口上挨拶

松丸家小弁太座長

 

 

松丸家美寿々さん

 

②へ続く…