椿裕二座長・三代目大川竜之助座長、「兄弟祭り」に行って来ました。

 

1部 お芝居 ある男の詩 忠治流転笠

*配役*

国定忠治*三代目大川竜之助座長

日光円蔵*椿裕二座長

 

十六夜の月太郎*大川礼花花形

同郷の女*美穂裕子リーダー

 

筑波の藤兵衛一家

兄貴分 佐太郎*大川忍副座長

弟分 新吉*椿孝也花形

 

角兵衛獅子の姉妹

姉*椿キラさん

妹 お千代*椿みらんさん

 

乞食総元締め*大川忍副座長

乞食*夢路えみさん・椿孝也花形

 

 

*あらすじ*

1幕1場:街道

月太郎を追ってやって来た佐太郎と新吉だが、見付ける事が出来ず他を捜しに行く。

「やくざになる。」と言う月太郎と月太郎の両親に面倒を見てほしいと頼まれたと言って付いて来た同郷の女がやって来る。

そこへ、戻って来た佐太郎と新吉が月太郎を見付ける。

「三ヶ月前、てめえがいかさまと叫んだ為、うちの賭場が潰れてしまったんだ。」と月太郎に斬り掛かろうとするところへ、「日光円蔵。」と名乗る男が割って入る。

佐太郎から訳を聞く円蔵。

「筑波の藤兵衛どんの所には必ず俺の方から足を向けて挨拶に行きます。それで今日は黙って引いてくれませんか。」と言う円蔵の言葉に帰って行く佐太郎と新吉。

「やくざには不似合いだ。故郷に帰って百姓でもするが良いんじゃないか。」と言う円蔵に、「あっしを若いもんの端に加えてもらえませんかね。」と頼む月太郎。

「俺は昔から、自分の若い者は持たない。」と断る円蔵に、月太郎と同郷の女も、「月さんを若いもんの端に加えてやって下さい。」と頼む。

円蔵は、「一つだけ条件がある。人一人斬れ。国定忠治だ。近頃、この界隈のこじき仲間の一人が俺が国定忠治と名乗っている男が居てな。その語り者・偽物の忠治を斬れと言ってるんだ。」と言うと茶店へ向かう三人。

角兵衛獅子の姉妹がやって来る。

足が痛いと言う妹お千代の為に休んでいるところへ、乞食たちがやって来る。

乞食の縄張りを荒らし握り飯三つを貰ったと、乞食たちに足蹴にされる男。

それを見ていた角兵衛獅子の姉が助けに入り、小銭を差し出す。

「乞食に物をやる時はぽーんと放らんかい。」と言われ、投げ銭する角兵衛獅子の姉。

「お有難うごぜえやす。」と小銭を拾い帰って行く乞食たち。

助けてくれた角兵衛獅子の姉妹の故郷が上州と聞き懐かしむ男。

「私たちの親方さんになってよ。前の宿場で、親方さんは酒を飲みすぎて血を吐いて死んでしまったんだ。」と話す姉妹。

男が咳き込んでいるところへ、円蔵と月太郎がやって来る。

男に斬り掛かろうとする月太郎。

円蔵の顔を見て、「円蔵、円蔵じゃないか。助けてくれ。」と言う男に、「お前さんみたいな汚い野郎に円蔵呼ばわりされる事はない。」と言う円蔵。

「俺だ!忠治だ!」と言う男こそ、成れの果ての国定忠治だった。

「お前さんが忠治と名乗るなら、三木文蔵を覚えているか。一年前、忠治だと名乗り、忠治の身代わりににっこり笑い死んで行った。忠治に守り刀としてくれてやった小松五郎義兼はどうしなすった。」と聞く円蔵に、「重たくて杖にもならず、腹が減って握り飯三つに替えちまった。」と答える忠治。

その言葉に、円蔵は月太郎に、「斬れ!」と言う。

「忠治親分と言えば俺たち百姓の生き神様。今からあっしは忠治親分に付かさせてもらいます。」と言う月太郎。

刀を振り上げた円蔵を、「あのおじさんはあたいたちの親方だ。親方を斬らないで下さい。」と泣いて止める角兵衛獅子の姉妹。

刀を収め、「この男はお前さんたちの親方さんなんだな。」と尋ねると円蔵に頷く姉妹。

「角兵衛獅子の親方さんだってな。勘弁しな。俺からの祝儀だ。」と一両を投げ銭する円蔵。

「円蔵、おめえ、この忠治に投げ銭したな!」と怒りに震える忠治に、円蔵は、「角兵衛獅子の親方だろ。有難うございますと受け取れよ。受け取らなきゃ、嘘を吐いた事になるあの姉妹も、そこの小僧も斬るぞ。」と言う。

忠治の事を思う月太郎が無理矢理拾わす。

手にした一両を投げ返そうとする忠治に、「受け取って下さい。」と泣いて頼む月太郎と角兵衛獅子の姉妹。

「お有難うごぜえます。」と頭を下げる忠治。

「昔の夢なんて思うんじゃない。これからは、角兵衛獅子の親方として、いつまでも生きておくんねせえよ。」と言い、そっと財布を手渡す円蔵。

何もかも承知での円蔵の言動に気付き、角兵衛獅子の姉妹に導かれ上州に帰って行く忠治。

三人を見送る円蔵と月太郎と月太郎と同郷の女。

「あっし、やくざになるのは諦めます。」と言う月太郎に、円蔵は、「やくざってみじめなもんだよ。帰って百姓になれ。」と言う。

月太郎と同郷の女は一緒に故郷へ帰って行く。

「文蔵、親分生きてたぞ。みんな死ぬな。命が有れば、いつか会える時が来る。百姓の英雄国定忠治は死んだ。だが、俺たちの親分国定忠治は心の中で生きる。」と言い、涙ながらに忠治の後姿に頭を垂れ去って行く円蔵。

 

 

何度観ても泣かされます。

 

 

口上挨拶

大川忍副座長

 

 

美穂裕子リーダー

 

 

椿孝也花形

 

②へ続く…