我が家付近は豪雨予報で大雨、劇場の最寄駅に着いた時は新しい長傘の柄がしなる程の暴風雨、そんな悪天候の中、「美穂裕子祭り」に行って来ました。

美穂裕子リーダーの集客力は暴風雨なんて関係無し!

多くのお客様で賑わう中、開演致しました。

 

 

1部 お芝居 戻り橋

*配役*

世直し小僧小次郎(時次郎)*椿裕二座長

 

あま酒屋老母*美穂裕子リーダー

倅 清吉*大川忍副座長

 

通りすがりの親子

母*夢路えみさん

兄*椿キラさん

妹*椿みらんさん

 

役人*夢路えみさん・椿孝也花形・椿キラさん・椿みらんさん

 

 

*あらすじ*

1幕1場:戻り橋袂 あま酒屋屋台前

「今、世情を騒がしている世直し小僧がここら辺りに出て…」と見回りに来た倅の清吉に気を付ける様に言われ、屋台を閉めようとする老母。

そこへ、役人に追われやって来た男とぶつかる。

男は屋台を見てあま酒を頼み、「このあま酒、生姜が沢山入ってますね。こんな旨えあま酒は初めてだよ。こんな所で商売するより、浅草寺辺りで商売すれば…」と言う。

「戻り橋を離れる事が出来ない訳が有りましてね。」と言う老母に、「俺もこの戻り橋には曰く因縁が有る。」と言い、老母に訳を尋ねる男。

「若い頃、大工の家に嫁ぎ、玉の様な男の子にも恵まれ、幸せでございました。連れ合いに悪い友達が出来、いつのまにか飲む打つ買うの三道楽。家まで取られる有り様。その連れ合いもぽっくり亡くなり、子供が五つの頃、やっとの思いで辿り着いたのがこの戻り橋の袂。持っていたお金も使い果たし、子供を道連れに死のうとしたのですが、子供を道連れにしてはならないと、この橋の袂に残し、飛び込もうとしたところをあるお役人様に止められました。ここへ戻って来たら、子供の姿はどこにも有りませんでした。縁有って、そのお役人様と一緒になり、男の子が生まれました。今では後を継いで役人になってくれたんです。あの子に会いたい。その夢を捨て切れずここに残っている婆でございます。」と話し、「元気で生きていればお客さんと同じ位。連れ合いの名前は時蔵で、その時をとって時次郎と名付けたんです。」言う老母。

男は顔色が変わり持っていたお椀を落す。

「俺にも少なからず曰く因縁の有る戻り橋。」の訳を話す男。

「実はこの戻り橋の袂に捨てられた捨て子なんです。四つの時だったかな。おっかちゃんに連れて来られたんだ。食べ物を買いに行ったおっかちゃんを待っていたら、一人のおじちゃんがやって来て何も言わずに向こうへ行き、またおじちゃんがやって来て、声をかけて来たんだ。お前は捨て子だ。おっかちゃんは帰って来ないと言われ、そのおじちゃんの家に連れ帰られたんだ。俺が九つの時、そろそろおじちゃんの仕事を手伝えよと。その仕事は泥棒。失敗すると家にも入れて貰えず…」と話す男。

そこへ、仲の良い母子が通り掛かる。

「おっかちゃん、買って欲しい物が有るんだ。」と甘える兄妹。

「世直し小僧は俺なんですよ。悪い奴から金を取り、貧乏な家へ投げ入れる。おばさんが置き去りにした子が俺みたいな泥棒になってたらどうしますか。役人の倅さんの手前、知らない顔をしますか。それとも抱きしめてやりますか。」と尋ねる男。

「私ならこの手でしっかり抱きしめてやりたい。この私が悪かったと両手をついて謝ります。」と泣き崩れる老母。

老母を腰掛けさせ、肩を揉み、「これ、預かっていてほしい。」と財布を差し出す男。

「またここに甘酒を飲みに来た時はそこから引いてくれたら良い。もし、世直し小僧が死んだと聞いた時には、おばさんの好きな物を一つ買って下さい。」と言う男に、「一日も早く足を洗い、真っ当な人生を歩んで下さい。」と言う老女。

そこへ、役人たちがやって来る。

捕り物の最中、役人の一人に刃を向ける男に、「待って下さい。この子は私の…」と泣いて止める老母。

その言葉に自らお縄になる男。

下駄を差し出し、手拭で男の足を拭き履かせる老母。

「おっかぁ、あま酒は有るかい。」と尋ねる清吉に、老母は、「あま酒は無いんだ。」と答える。

「水で構わない。」と言う清吉に、「水なら自分で飲んで来ないか。」と言う老母。

「おいら、手がふさがっているじゃないか。」と言う清吉に、老母は水を持って来る。

「おいらじゃないんだ。飲ませてやりてえんだろ。」と言う清吉に、老母は、「清吉、有難う。」と言うと、取り縄を引き、男に水を飲ませる。

「旨かった。あま酒も最期の水も。もう、自分を責めるのは止めろ。」と言う男に、「時次郎。」と呼びかける老母。

「世直し小僧小次郎ってんだ。」と言うと、清吉に引かれて行く男。

引かれて行く男の後姿に、」何度も、「時次郎。」と呼ぶと、手渡された財布を手に、戻り橋の袂に頭を垂れる老母。

 

 

やっと出会えた母と倅。

置き去りにした倅は盗人で、義弟は役人。

やっぱり、最後は泣けてきます。

 

 

口上挨拶

大川忍副座長

 

 

椿みらんさん

 

 

椿キラさん

 

 

体験入団生 海斗さん

 

 

椿孝也花形

 

 

大川礼花花形

 

 

②へ続く…