鹿島劇団 雷鉄命さんが21日までゲスト出演

 

1部 お芝居 三日の娑婆

*配役*

渡し守 新兵衛*咲田せいじろう副座長

兄 新吉*松丸家小弁太座長

妹 おとき*松丸家ちょうちょさん

十手持ち 熊五郎*鹿島劇団 雷鉄命さん

 

目明し 音吉*松丸家こももさん

女房 お葉*松丸家美寿々さん

 

 

*あらすじ*

1場:渡し場

人相書きを持った十手持ちの熊五郎がやって来る。

「江戸の小伝馬町の牢屋が火事で丸焼けになり、罪人が三日の猶予で解き放たれた。」と話し、その人相書きを貼りに行く。

渡し守として働いている新兵衛にお葉とおときが弁当を届けにやって来る。

江戸の小伝馬町の牢屋が火事で丸焼けになったと聞き、心配顔のお葉に、「新吉は二年前に亡くなっているんだ。」と話す新兵衛。

音吉がやって来る。

音吉とお葉、お葉の亡くなった亭主新吉の父 新兵衛、妹 おときの四人は一つ屋根の下、仲良く暮らしていた。

新兵衛が一人になった時に、「父つぁん。」と声を掛ける新吉。

五年前、仲居として働いていたお葉を手籠めにしようとした侍を出刃包丁で突き、小伝馬送りになった新吉。

小伝馬で一緒だったと言う隣村の与吉が訪ねて来て、新吉は二年前に亡くなったと聞いていた新兵衛は驚く。

新吉と言う名前の男がもう一人いて、体の弱いもう一人の新吉がぽっくりと亡くなり、与吉の思い違いと話す新吉。

新吉は小伝馬の牢屋の火事での三日間の期限付きのお解き放しで、皆に会いたさに戻って来たのだった。

「お葉は達者か。」と尋ねる新吉に、「お葉さんはお前の思う様にはならないんじゃ。」と答える新兵衛。

亭主の新吉が亡くなり、悲観して川に身を投げて死のうとしたお葉を助けたのが目明しの音吉だった。

やがて、二人は夫婦になり、新兵衛とおときの面倒も見る音吉。

経緯を話し、「お葉さんの事は諦めろ。」と言う新兵衛。

しかし、新吉は、「五年間辛抱してきたんだ。どうか、お葉にひと目だけでも会わせてくれ。垣根越しでも構わない。後ろ姿だけでも…」と必死で頼む。

新兵衛は、「音吉さんに顔向け出来ない事だけはしてくれるなよ。」と念押しする。

そこへ、音吉がやって来る。

新吉を、「わしの遠い親戚の御方で怪しい者ではございません。」と話す新兵衛。

新吉の出立に、「そんな形ではお解き放し者と間違って迷惑をするでしょう。」と忠告しその場を離れる音吉。

新兵衛から住いを聞いた新吉はお葉の許へ向かう。

 

 

2場:音吉たちの家

おときがひとりで居るところに現れた新吉。

死んだ筈の新吉を見て驚き、「今更、何で来たのよ。あんたなんか知らないよ。」と突き放すおとき。

そこへ、音吉の寝酒を買い戻って来たお葉。

お葉もまた新吉を見て驚く。

新吉に話しが有ると言い、おときを外へ出すお葉。

詫びるお葉に、「父つぁんから、話はみんな聞いているんだ。面合わせるつもりは無かったんだ。こんな事になってしまって…」と言う新吉。

「新さん、生きてて本当に良かった。」と言い新吉と二人涙するお葉。

お葉への思いを抑える事が出来ず迫る新吉に、「お前さんと変な事になったら、皆に迷惑が掛かってしまう。そんな事になるなら、ここで殺して下さい。」と泣くお葉。

「この世で一緒になれぬのなら…」とお葉の首を絞めようとする新吉。

おときから話を聞いた新兵衛が駆けつける。

新吉を諭し、「小伝馬町に帰れ。」言うと、裸足の新吉に草鞋を履かせてやる新兵衛。

戻って行こうとする新吉に、新兵衛は、「今からでは刻限に間に合わないかもしれない。早馬早駕籠を。」と財布を持たせる。

「俺には父つぁんの情けの草鞋が有る。」と言うと、手土産代わりにとその財布を新兵衛に戻し、「代わりに貰いたい物があるんだ。おめえもその歳だ。おめえの生きてるうちに体の温もりを抱かせちゃ貰えないか。」と頼む新吉。

「俺の温もりを抱いて行くか。」

「抱かせてくれるか。」

抱き合う新兵衛と新吉。

「父つぁん、お葉、達者でな。」と言い新吉が出て行こうとした時、音吉が帰って来る。

新吉をお縄にしようとする音吉に手を付き頭を下げる新兵衛とお葉。

「父つぁんの遠い親戚とやら、今じゃ、親子四人、幸せに暮らしている。波風立たせないでくれ。親の気持ちが分ったなら、小伝馬町にお帰りなさいよ。」と言うと、刻限に間に合わないかもしれない新吉に、「目明しの用で遅くなったと言えば、多少の容赦があるかも。」と、庄内村の目明しの音吉と記してある手拭いを差し出す音吉。

その手拭いを懐に入れ、「父つぁん!」と叫び、涙を流し駆けて行く新吉。

 

 

「行って一日、帰って一日、間の一日は別れの一日」

他劇団の三日の娑婆とは少し違います。

新兵衛の情けの草鞋に涙のはずが…

副座長が結ぶ草鞋の最後の蝶々結びが両足とも、見事な縦結びになっていて、それを見た小弁太座長が笑いながら暴露笑

その分、音吉の情けの手拭いには涙泣

それにしても、こももさん演じる音吉が素敵過ぎるハート

 

 

口上挨拶

松丸家小弁太座長

 

 

お芝居冒頭、副座長に弄られまくりの鹿島劇団 雷鉄命さん

 

 

御両人

 

②へ続く…